NEXT KIDS Vol.1「約80個の魚のはく製を制作! ミライのさかなクン」1

「将来は新種の魚を発見して、僕が名前を付けたい」。笑顔で夢を教えてくれたのは、魚の豊富な知識を持つ中学1年生の山本湊介さん(東京都在住)。お母さんが手作りしたフウセンウオの帽子がよく似合う。

魚を好きになったのは小学5年生のとき。元々動物や爬虫類が好きだったが、テレビで見た魚類学者のさかなクンに憧れ、一気に魚に夢中になった。さかなクンのユーチューブチャンネルを見て、魚をはく製にできると知って自分でも試した。第1号はチダイのはく製。一週間かけて制作した。その後もニジマス、ホウボウ、メバル、イシガキダイ、アオミシマなどを作り続け、今までに完成させた数は約80個にも及ぶ。制作時には、長野県在住の魚類のはく製作家・小川貴光さんのインスタグラムも参考にしていて、どのはく製も本格的な出来栄えだ。「レザー(皮革)」工芸の公募展である、第4回インターナショナルレザークラフトエキシビションでは、チヌのはく製でジュニア部門の1位を獲得した。同作は、6月29日(土)~7月2日(火)、東京都品川区のO美術館にて展示される予定だ。

NEXT KIDS Vol.1「約80個の魚のはく製を制作! ミライのさかなクン」2

手先の器用さと根気良さが必要

はく製作りの流れは、魚の皮だけ残して身を取り出し、腐らないようにアルコールに数日間漬けたあと、紙粘土や断熱材を詰めて形成する。最後に、開いた口を縫って閉じたら完成だ。作業は全て湊介さん自身が行う。一匹につき一週間から一カ月くらいかかる。今はノコギリザメを制作中。サメ類は皮が縮みやすく、はく製にするのが難しい。それでも、完成が近いノコギリザメのはく製はリアルな迫力があり、目玉代わりにはめ込んだビー玉がキラキラ光っていた。

NEXT KIDS Vol.1「約80個の魚のはく製を制作! ミライのさかなクン」3

図鑑の誤表記に気づき話題に

魚の博識ぶりを活かし、難関な資格もいくつか取得している。日本さかな検定協会が実施する「日本さかな検定」2級や、大学生レベルとも言われる生物分類技能検定3級など。

さらに昨年、とある人気の魚図鑑の誤植を発見し、湊介さんは新聞で取り上げられた。アミメチョウチョウウオの写真が、誤ってベニオチョウチョウウオと表記されていると気づいたのだ。その2種はよく似た見た目だが、体の模様が網目模様と「く」の字模様の違いがある。魚図鑑を愛読している湊介さんだからこその発見だった。

また、自宅では魚の飼育もしていて観察と世話を欠かさない。海水魚と淡水魚に分かれた大きな水槽が二つあって、カクレクマノミや古代魚のポリプテルスセネガルスなど計11種の魚が住んでいる。週末には、釣りをしたり、三浦半島か房総半島で岸壁採集をしたり、スーパーで飼った魚を自分でさばいたり、魚漬けの毎日だ。家族みんなが湊介さんの夢を応援している。