年間ベスト2025
早いものでもう12月も半分くらいしか残ってないわけですが、今年の年間ベストを記しておこうと思います。
今年私がApple Musicで聴いた音楽だけでもアーティスト数は525。2024年の647より随分減っていますが、繰り返し聴いたものが多かった体感です。いいものはたくさん見つかったけど、相変わらず追いついてないと反省することしきり。2026年はもっと開拓していくようにします。そして今年も40枚に絞るのが難しかった。入れたいけど入り切らなかったバンドがいくつもあり、今年は若手の飛躍が多かった年だと思いました。

1位 Like A Damn Dog / Sarah And The Sundays
「Z世代のベルセバ」と私が勝手に呼んでいる、米国カリフォルニア州のインディー・ポップ・バンドのサード・アルバム。JamesにジェームスはいないしJimmy Eat Worldにジミーが居ないのと同様、このバンドにサラは居ない。リードボーカル/ギターのリアム、ベースのデクラン、ドラムのクイン、キーボード/ギターのマイルス、ボーカル/ギターのブレンダンの5人組。ファースト、セカンドと安定したキャッチーなメロディセンスが光りつつ、一貫して不安定なボーカルはベルセバを彷彿とさせるが、その持ち味はサード・アルバムでも健在。リリースは2月だったが気付けば今年は年間通して聴いていたし、年末の今になっても全く飽きることなく聴き続けている。ローバジェットなインディー・ポップとしては音場の作り方が立体的でひとつひとつの音の輪郭がはっきりしているから、次々と飛び出す色々なサウンドがとっ散らかることなく効果的に作用し、カラフルな印象を形作っている。
2位 It's A Beautiful Place / Water From Your Eyes
2016年、米国イリノイ州シカゴで結成されたアート・ロック・バンド。現在はNY州NYCのブルックリンを拠点に活動している。これが7枚目のスタジオアルバムで、ここにきて一皮剥けた印象。ギター・ドリヴンな曲からバキバキのシンセ・サウンドまで、引き出しは多く、しかし体幹がしっかりと揺るぎなく、全てが彼らのアイデンティティを感じさせるサウンドとしてまとまっている。
3位 Angie / Spill Tab
現在LAを拠点に活動する、シンガー・ソング・ライター、Claire Chicha aka Spill Tab。アルジェリア人の父と韓国人の母の間に、タイのバンコクで生まれてバンコク、パリ、LAで育つ。DIY系シンガー・ソングライターはシングルやEPで曲を小出しにリリースする分、中々アルバムのリリースができない。Spill Tabもファースト・シングルのリリースから6年目にしてやっと、遂に、ファースト・アルバムをリリース。初期の頃はフランス語で歌う曲、英語で歌う曲、そしてDIY系シンガー・ソングライターに多い傾向だけどもアコースティックな曲やエレクトロニカ、ラッパーとのコラボレーションなど、シングルやEPを出すごとに違うことをやっていた。待望のファースト・アルバムは今までやってきた自分探しのようなサウンド作りの、ひとまずの結論を出すかのような、彼女の得意なものを明確に言語化したような、しっかりと彼女自身の魅力にピントが合った作品となった。英語とフランス語を自在に操り、メロディーを歌っていたと思ったらいつのまにかラップになっていたり、複雑なグラデーションを織りなす彼女の音楽はこの先どう発展していくのか楽しみで仕方がない。
4-10位
4位はイスラエルの女性ラッパーNoga Erez。昨年リリースしたアルバムのアコースティック・バージョン(彼女はそれをAgainst The Machineと呼んでいる)をリリース。スタイリッシュでコケティッシュな彼女のスタイルは「今までにない」「新世代」なんて陳腐な言葉では足りないほどの新鮮さを感じる。元々YouTubeを主戦場として活動していた分、今もほぼ毎日InstagramやTikTokに動画を投稿しているが、そのセンスも冴え渡っている。
来年はコーチェラへの出演も決定した。北米欧州以外の地域出身だからここまで来るのに時間がかかったが、今年の北米ツアーは全日程即完売、行く先々で爆破予告や抗議デモもあったが、生まれたばかりの息子を連れて北米欧州のソールドアウト・ツアーを回った。妨害行為にも一緒に立ち向かう、彼女の才能をサポートするスタッフ、支援者に囲まれて来年は更なる飛躍の年になるだろう。
@nogaerez Not my problem
♬ original sound - nogaerez
5位は韓国シューゲイザーの雄、Parannoulの別プロジェクトHuremicのノイズ・アルバム。
6位Rau_Zeはカナダ、ケベック州モントリオールのデュオ。昨年リリースしたアルバムのリミックスが今年リリースに。ネオ・ソウルのサウンドにフランス語の歌詞が載る。なぜかアートワークが拾えなかったので↑には昨年リリースのアルバムのアートワークを載せてますが今年のはこれです。
7位Winterは今年最高にポップなシューゲイザーだったし、8位Asian Glowは韓国のEmoを発展させていく予感。9位Divorce、10位Stereolabはキャリアの長いバンドが円熟した隙のないサウンドで高い満足感を得られた。
11-20位
11位Franz Ferdinandはこれが彼らの最高傑作(今の所)だと思う。13位から17位、19位、20位は全て女性ボーカルの若手インディー・ロック・バンド。15位Ribbon Skirtと16位Rocketはファースト・アルバムなのでピチピチのアグレッシヴなサウンドに触れてください。
21-30位
21位The Beths (NZ)、22位Wheatherday (スウェーデン)、25位Subsonic Eye(シンガポール)は中堅と呼べるキャリアになってきた。29位Alice Phoebe Lou(南アフリカ)、30位Rosalía(スペイン)の女性シンガー達も前作とは違った顔を見せている。
31-40位
31位Momma、32位Career Womanの新作は「前作と同様良いです」といった感じのアルバム。38位Hinako Omoriは日本生まれ英国育ちで音楽教育をしっかり受けたアンビエント系のサウンド・クリエイター。39位のJōetsu Shore(フランス)は毎月アルバムリリースというトチ狂った活動はさすがにやめたようですが相変わらずストリーミング・プラットフォームには楽曲を出さず、Bandcampで「いくらでもいいよ」の言い値販売のみ。
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