在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)のうち、新設された米軍の訓練機材の購入費として日本が計92億円を負担したにもかかわらず、いまだに機材が米軍に導入されていないことが防衛省への取材で分かった。同省によると、各機材の単価や導入時期も米側の契約内容に関わるとして説明できないという。トランプ米政権は思いやり予算の増額を要求する構えで、米側の求めに応じた不透明な負担がさらに増えることも懸念される。(川田篤志)
◆日米共同訓練で使う建前も実行されず…防衛省の説明は
思いやり予算は日米が原則5年おきに特別協定を結び、金額を決める。現行の協定は、2022年度から5年間の総額を1兆551億円と定める。新駐日米大使に指名されたジョージ・グラス氏は「米軍に対する(日本の)支援を継続的に増大させる」と、次期協定での増額を求める考えを示す。
現協定では、自衛隊と米軍の連携強化の名目で「訓練資機材調達費」を新設。機材は米軍に所有権があるが、自衛隊も共同訓練などで使用できる。5年間の総額の上限は200億円。
内訳は、2022年度予算で射撃訓練の標的装置に10億円を計上。2023、24年度は戦闘機などの実動演習とシミュレーターをネットワークで統合させる「LVCシステム」とサイバー訓練装置に計82億円を充てた。2025年度も同システムなどの経費として75億円を盛り込んだ。
防衛省によると、2022~24年度の計92億円分の機材はいずれも米軍に導入されておらず、日米の共同使用の実績もない。担当者は「受注生産で完成までに時間がかかる。いろいろな機材をまとめた購入...
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