Substackで読者に届く一人メディアを作るなら、まず見るべきものがある
Substackで記事を書き始めると、ほとんどの人が最初に「自分は何を書けるんだろう?」を考えます。
自分の経験、得意なこと、過去に乗り越えてきたこと、いま関心のあるテーマ。もちろん、それらを掘り下げることは大事。なぜなら、Substackは、自分の視点や経験を積み上げていく場所だからです。
ただ、もうひとつ忘れてはいけないことがあって、それは、読者を見ることです。
どれだけ自分の中に書きたいことがあっても、読者の悩みや関心と繋がっていなければ、記事は届きにくくなる。自分では役に立つことを書いているつもりでも、読者からすると「これは自分に向けて書かれている」と感じられない。そうなると、読まれても登録にはつながりにくいし、次の記事を待ってもらう関係にもなりにくい。
では、読者をどう知ればいいのか。
僕が編集になってからずっと使ってきた方法があります。
それが、雑誌を見ることです。
今でも、ターゲットを深く知りたいなら、雑誌を見るのはかなり有効だと思っています。なぜなら雑誌には、読者の趣味嗜好、価値観、ライフスタイル、お金の使い方、悩み、憧れがかなり詰まっているからです。いまなら「dマガジン」なんかでいくらでも手軽に読むことができます。
僕は昔、女性誌もかなり真剣に読んでいました。今思えば、オヤジが女性誌を必死に読んでいる姿は、なかなかイタかったかもしれません(笑)
でも、編集者としては必要なことでした。読者を知らずに、読者に届く企画は作れないからです。
雑誌は、読者の“脳内マップ”である
雑誌を見るときは、ただ記事を読むのではなく、「この雑誌は読者をどう見ているのか」という視点で観察します。
見るポイントは、主に次の5つです。
どんな特集が組まれているか
どんな悩みや欲望が扱われているか
どんな言葉で読者に呼びかけているか
どんな広告が入っているか
写真やデザインのトーンはどうなっているか
これらを見ていくと、その雑誌が想定している読者像がかなり見えてきます。
たとえば、同じ「美容」というテーマでも、20代向けと50代向けでは切り口がまったく違います。20代向けなら、トレンド感、変身願望、憧れの要素が強くなる。一方で40代、50代向けなら、品のよさ、自分らしさ、無理をしないケアが重視されたりします。
「お金」のテーマでも同じ。若い読者には少額投資や副業のはじめ方、子育て世代には教育費や住宅ローン、シニア層には老後資金、相続、暮らしの安心が刺さりやすい。
つまり、テーマは同じでも、読者が違えば切り口は変わります。
ここを見ないままSubstackの記事を書くと、内容が一般論になりやすいです。「役に立つこと」は書けている。でも、誰に届くのかが曖昧になる。
大切なのは、一般論の先にある「この人は自分のことをわかってくれている」という感覚です。これがあるとSubstackでも「登録」につながる記事になります。
その切り口を見つける教材として、雑誌はかなり使えます。
広告を見ると、読者がお金を払う理由が見えてくる
雑誌を見るとき、本文の記事だけを読んで終わるのはもったいない。どちらかというと、記事より広告にかなり重要な情報があったりします。
広告は、その雑誌の読者が「お金を払う可能性があるもの」を教えてくれます。化粧品、スクール、健康食品、旅行、住宅、保険など、どんな広告が入っているかを見ると、その読者がどんな悩みや欲望を持っていると見られているのかがわかります。
さらに大事なのは、広告で使われている言葉です。
たとえば、同じ商品でも「簡単」「本格」「安心」「憧れ」「今すぐ」「ゆっくり」「自分らしく」「失敗しない」では、読者に与える印象がまったく違います。
Substackで一人メディアを育てるなら、この言葉の違いと使い方はかなり参考になります。
自分の読者は、強い言葉に反応するのか。やさしい言葉のほうが安心するのか。憧れを求めているのか。不安を解消したいのか。実用を求めているのか。共感を求めているのか。
ここが見えてくると、記事タイトルも本文の語り口も変わります。
ただし、広告の言葉をそのまま真似する必要はありません。大事なのは、「なぜその言葉が使われているのか」を考えることです。そこに編集のヒントがあります。
特集テーマには、読者の悩みと欲望が出る
雑誌の特集テーマも、Substackの記事づくりに使えます。
たとえば、
・疲れない暮らし
・大人の学び直し
・50代からの働き方
・お金に困らない習慣
・人間関係を軽くする
・今から始める副業
・ひとり時間の楽しみ方
こういう特集には、読者の悩みや欲望が出ています。
編集部は、なんとなく特集を決めているわけではない。読者の関心、季節性、社会の空気、広告との相性、過去の反応などを見ながらテーマを決めています。つまり、特集は読者への仮説です。
この読者は、今こういうことに関心があるのではないか。こういう不安を抱えているのではないか。こういう未来を求めているのではないか。
その仮説が、特集タイトルや見出しに出ます。
たとえば、「40代から発信を始めたい人」に向けてSubstackを書くなら、雑誌の特集からこんな疑問を拾えます。
・この年代の読者は、何に焦っているのか
・何を始めたいと思っているのか
・何に自信をなくしているのか
・何なら「自分にもできそう」と感じるのか
・どんな言葉なら背中を押されるのか
ここまで見えてくると、記事テーマが変わります。
ただ「Substackの始め方」と書くより、「40代からSubstackを始める人が、最初に捨てたほうがいい思い込み」「実績がない人ほど、自分の経験をニュースレターにできる理由」「書くことに自信がない人が、最初の1本で書くべきこと」のように、読者の悩みに寄せたテーマにできます。
同じSubstackの記事でも、誰に向けるかで切り口は変わる。ここが見えてくると、発信はかなり強くなります。
AIに聞く前に、まず観察する
AIを使えば、ターゲット分析っぽいものはすぐに出せます。
「40代女性の悩みを教えて」
「副業に興味がある人のペルソナを作って」
「Substack読者のニーズを整理して」
こう聞けば、AIはそれっぽく答えてくれる。便利だし、僕もAIは使います。
ただ、AIが出す答えは一般化された情報で、そこに自分が届けたい読者の空気感までは入っていません。
だから僕は、AIに聞く前に必ず観察します。
雑誌を見る。広告を見る。特集を見る。見出しを見る。XやnoteやSubstackで、実際にどんな言葉が反応されているかを見る。
そのうえで、観察した材料をAIに渡す。
たとえば、こんな感じで……
「この雑誌では、40代女性に対して『自分らしさ』『無理をしない』『安心』という言葉が多く使われている。この雑誌の想定読者に向けて、Substackで発信を始める不安を扱う記事テーマを10本考えて」
こうすると、AIはただの一般論ではなく、観察した材料をもとに一緒に考える相棒になるし、時代のトレンドを取り込んだテーマも出やすくなります。
これが、AIと共創する一人メディアの作り方です。AIに全部任せるのではなく、自分の目で見たもの、自分が感じた違和感、自分が拾った読者の空気を、AIと一緒に編集していく。
この順番が大事です。
Substackで読まれる人は、読者を見る人
Substackは、ただ情報を流す場所ではありません。
読者が登録し、メールやアプリで受け取り、「またこの人の言葉を読みたい」と思ってくれる関係を育てる場所です。
自分の視点を持つことは大事だけど、その視点が読者の現実とつながっていなければ、記事は独り言になってしまう。
一人メディアとは、自分の好きなことを好きなように書くだけでは育たない。自分の視点を持ちながら、読者の悩みや関心につなげていく。その接点を探す作業が、ターゲット理解です。
そして、そのための身近な教材が雑誌なんです。
電子雑誌サービスを使えば、今はいろんなジャンルの雑誌を簡単に横断できます。大事なのは、ただ読むことではなく、観察すること。
この雑誌は誰に向けているのか
どんな悩みを扱っているのか
どんな広告が入っているのか
どんな言葉が繰り返し使われているのか
読者にどんな気分になってほしいのか
そうやって見ると、雑誌はただの読み物ではなく、Substackの記事を考える教材になります。
最後に
Substackで読者に届く一人メディアを作りたいなら、まず読者を観察すること。
そのために、雑誌を見てみる。
これはかなり古典的な方法です。でも、今でも十分に使えます。むしろ、AIで情報が簡単に出る時代だからこそ、実際のメディアから読者の空気を読む力は、より大事になると思っています。
記事の内容、広告、特集テーマ、見出し、使われている言葉。そこから、読者の価値観やライフスタイルを読み取る。
雑誌は、ターゲットの脳内マップです。
そして、その観察をAIに渡せば、Substackの記事テーマはもっと具体的になります。
AIと共創する一人メディアに必要なのは、AIに答えを出してもらうことではない。自分の観察と編集視点を持ったうえで、AIを使うこと。
誰に、何を、どんな切り口で届けるのか。
そこまで考えられるようになると、Substackはただの投稿場所ではなく、自分の視点と読者の関係を育てる場所になります。
こういう編集者としての経験や、ターゲットを読み解く方法は、noteメンバーシップ「しばじゅん編集部」でもお話ししていきます。
↓
Substackでもnoteでも、ただ文章を書くのではなく、誰に届く言葉にするかまで一緒に考えたい方は、ぜひ覗いてみてください。
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ぜひ、Substack一緒に頑張っていきましょう。


AIに聞く前に自分で観察する、その材料をAIに渡して一緒に編集していく。この順番が本当に大事ですよね☺️💐