Substackブームに乗る前に考えたい“一人メディア”の軸の話
最近、日本でもSubstackを始める人が増えてきました。
「いまSubstackが面白いらしい」
「noteの次はSubstackかもしれない」
「自分もニュースレターを始めたほうがいいのかな」
そんな空気を感じる。
僕自身もSubstackを始めてみて、かなり面白い場所だと思っています。
記事を書ける。ノートで短く投稿できる。読者にメールで届けられる。発信者同士のつながりも生まれやすい。
しかも、AIを使えば、記事の構成を考えたり、タイトル案を出したり、投稿のたたき台を作ったりすることもできる。昔に比べると、個人がメディアを持つハードルはかなり下がりました。
でも、だからこそ気をつけたいことがあります。
「ブームだから」という理由だけで始めると、たぶん続かないということです。
Substackに人が集まっているから始める。
AIで記事が書きやすくなったから始める。
今なら伸びそうだから投稿してみる。
入口としては悪くありません。でも、それだけだと危ない。
なぜなら、ブームで来た読者は、次のブームで去っていくからです。
トレンドで集めた読者は、トレンドで離れていく
僕が発信で「トレンド」をあえて追いすぎない理由があります。
それは、トレンドで得た読者は、次のトレンドが来たら、そちらへ移動してしまうからです。
もちろん、トレンドを扱うこと自体が悪いわけではありません。今、話題になっていること。多くの人が気にしていること。AIやSubstackのように、これから広がりそうな領域。こういうものを発信に取り入れるのは大事です。
ただし、トレンドだけを発信の中心にしてしまうと、読者は「あなた」ではなく「話題」を見に来るようになります。
Substackが流行っているから読む。
AIが流行っているから読む。
note収益化が流行っているから読む。
この状態だと、次に別の流行が来たとき、読者は簡単に移動します。その人たちはあなたの言葉を読みたいわけではなく、いま話題の情報を知りたいだけだからです。
トレンドは入口になります。
でも、トレンドだけでは関係は深まりません。
ここを間違えると、Substackでも同じことが起きます。
最初は「Substack始めました」で反応がある。初心者同士でつながる。ノートにもコメントがつく。登録者も少し増える。
でも、そのあと何を書くのか。
ここで軸がないと、急に手が止まります。
AI時代に問われるのは「何を書けるか」より「なぜあなたが書くのか」
AIによって、文章を書くことはかなり簡単になりました。
僕もAIはこれからの一人メディアにとって欠かせない相棒になると思っています。
でも、AIがあるからこそ、逆に問われることがあります。
なぜ、あなたがそれを書くのか。
AIで整った文章は作れるし、読みやすい構成にもできます。
でも、あなたが何に違和感を持ったのか
どんな経験からそう考えたのか
誰に届けたいのか
何を大事にしているのか
ここは、AIだけでは作れません。
AIと共創する時代の発信で大事なのは、AIに全部を書かせることではないと思っています。むしろ、AIを使うからこそ、自分の軸をはっきりさせることが必要になります。
軸がないままAIを使うと、誰の言葉なのか分からなくなる。
便利だけど、薄い。
読みやすいけど、残らない。
情報はあるけど、人が見えない。
そんな文章になってしまう。
一人メディアに必要なのは、上手な文章だけではない。その人の視点、経験、価値観、判断基準です。
そこにAIを掛け合わせるから、発信が強くなるんです。
Substackで大事なのは「投稿量」より「メディアとしての軸」
Substackを始めたばかりの人は、どうしても投稿内容に悩みます。
「どんな記事を書けばいいのか」
「ノートは何本出せばいいのか」
「登録者を増やすにはどうすればいいのか」
「有料化はいつすればいいのか」
もちろん、どれも大事です。
でも、それより前に考えたほうがいいことがあります。
自分は、どんな一人メディアを育てたいのか。
誰に届けたいのか
どんな変化を届けたいのか
どんな価値観を大事にしたいのか
どんな経験を言葉にしていきたいのか
どんなテーマなら、長く書き続けられるのか
ここがないまま始めると、毎回トレンドに引っ張られます。
今日はSubstack。明日はAI……。
話題に合わせて発信しているうちに、読者から見ると、何の人なのか分からなくなる。
これは、かなりもったいないです。
Substackは、単発でバズる場所というより、読者との関係を積み重ねる場所です。そして一人メディアは、単に投稿を増やすことでは育ちません。
「この人は、いつもこういう視点をくれる」
「この人の言葉には、自分の経験が入っている」
「この人は、流行を追っているだけではない」
そう思ってもらうことで、少しずつ育っていきます。
バズは一瞬で消える。でも、軸のある言葉は残る
バズは魅力的です。
一気に読まれる。
フォロワーが増える。
コメントがつく。
数字が伸びる。
発信している以上、反応があるのは嬉しい。
でも、バズには弱点があります。
一瞬で消えること。
昨日まで伸びていた投稿も、今日には流れていく。たくさん反応された言葉も、数日後には忘れられる。数字は残っても、関係が残らないこともあります。
一方で、自分の価値観や経験を深掘りした言葉は、派手には伸びなくても残ります。
「この人の考え方、好きだな」
「この視点は自分に必要だな」
「次の記事も読んでみたいな」
そう思ってもらえる言葉は、短期的なバズとは違います。読者の中に、少しずつ残っていきます。
AI時代は、情報量がさらに増えます。似たような文章も増えます。
だからこそ、残るのは「うまい文章」だけではない。
その人の軸から出た言葉です。
Substackで育てたいのは、一度だけ読まれることではなく、何度も戻ってきてもらう関係です。
そのためには、毎回トレンドを追いかけるよりも、自分の軸から言葉を出すことが大事になります。
自分の軸とは、立派な理念ではない
ここで「軸」と言うと、少し大げさに聞こえるかもしれない。
「そんな立派な理念はない」
「まだ発信テーマも決まっていない」
「自分に何が語れるのか分からない」
そう感じる人もいると思います。
でも、軸は最初から完成していなくて大丈夫です。軸とは、立派なスローガンではありません。
自分が何に違和感を持つのか
何を大切にしたいのか
どんな人に届いてほしいのか
どんな言葉なら、自分が嘘をつかずに書けるのか
そういう小さな感覚の積み重ねです。
たとえば、
「AIで効率化するだけの発信には少し違和感がある」
「書くことで、自分の経験を価値に変える人を増やしたい」
「数字よりも、読者との信頼を大事にしたい」
こういうものも、十分に軸になります。
大事なのは、誰かの正解を借りることではなく、自分が本当に続けられる理由を持つことです。
万人受けを狙うほど、言葉は薄くなる
Substackを始めると、つい多くの人に読まれたくなります。
できれば登録者を増やしたい。
できれば反応がほしい。
できればいろんな人に刺さってほしい。
その気持ちは自然です。
でも、万人受けを狙いすぎると、言葉は薄くなります。
誰にも嫌われないように書く。
どの層にも当てはまるように書く。
強い意見を避ける。
自分の価値観を薄める。
無難な結論にする。
そうすると、一見読みやすい文章にはなります。でも、強く残りません。
読者に深く届くのは、いつも少し具体的な言葉です。
「これは、私のことかもしれない」
「この人は、自分のことを分かってくれている」
「ここまで言ってくれる人を読みたかった」
そう思ってもらえる文章には、必ず対象があります。
たった1人に深く届ける覚悟。
これは、Substackでは特に大事だと思います。Substackは、広く薄く拡散されるだけの場所ではなく、読者が登録して読み続ける場所だからです。
なんとなく読まれるより、深く届くほうが強い。
広く知られるより、
「この人の言葉は自分に必要」
と思われるほうが強い。
その積み重ねが、濃いファンを生みます。
ブームには乗っていい。でも、ブームに乗られない
ここは誤解してほしくないのですが、ブームに乗ること自体が悪いわけではありません。
Substackが盛り上がっているなら、始めてみる。AIが使えるなら、試してみる。新しい読者と出会えるなら、動いてみる。
これは、とても大事です。タイミングを活かすことも、発信の戦略です。
ただし、ブームに乗るなら、同時に自分の軸も持つ。
Substackが流行っているから始める。
でも、Substackの話だけで終わらない。
AIが話題だから扱う。
でも、AIの情報まとめだけでは終わらない。
note収益化が読まれているから書く。
でも、単なる稼ぎ方だけでは終わらない。
そこに、自分の経験、自分の価値観、自分の編集視点を入れる。これがないと、発信は流行に飲まれます。
ブームには乗っていい。
でも、ブームに乗られない。
この感覚が大事です。
AIと共創する“一人メディア”として気をつけたいこと
Substackを始めたばかりの人は、次の3つを意識するといいと思います。
① トレンドを入口にしても、出口は自分の軸に戻す
話題のテーマを書くのはありです。
でも、最後は必ず自分の視点に戻す。
「今、Substackが流行っています」だけで終わらせない。
「なぜ今、個人が読者リストを持つことが大事なのか」まで書く。
「AIで文章が書けます」だけで終わらせない。
「AI時代に、人間の経験をどう言葉にするか」まで書く。
トレンドは入口。
自分の軸は出口。
この流れを作ると、記事がただの情報まとめで終わらなくなります。
② AIに書かせる前に、自分の違和感を出す
AIは便利です。
でも、いきなりAIに「記事を書いて」と頼むと、きれいだけど薄い文章になりやすい。
先に必要なのは、自分の素材です。
何に引っかかったのか。
なぜそれを書きたいのか。
どんな人に届けたいのか。
自分の経験とどうつながるのか。
何を言い切りたいのか。
ここを出してからAIを使うと、文章の質が変わります。
AIは、自分の言葉を奪うものではありません。使い方次第で、自分の中にある言葉を掘り起こす相棒になります。
一人メディアに必要なのは、AIを使わないことではなく、AIに流されず、自分の軸を握ったまま使うことです。
③ 登録者数より「また読みたい理由」を考える
登録者数は大事です。
でも、数字だけを追いすぎると、投稿が短期的になります。
どうすれば登録されるか。
どうすれば反応が増えるか。
どうすれば目立てるか。
こればかり考えていると、次第に発信が自分から離れていきます。
それより大事なのは、読者がなぜまた読みたいと思うのか。
考え方が好きだから。
経験に説得力があるから。
言葉に温度があるから。
自分の悩みを分かってくれるから。
いつも新しい見方をくれるから。
この理由がある人は強いです。
Substackでは、一度登録してもらうことよりも、読み続けてもらうことのほうが大事です。そして、一人メディアは、読者の中に「また読みたい理由」が積み上がっていくことで育っていきます。
最後に:流行より、残る言葉を育てよう
Substackは、今とても面白いタイミングです。
始める人も増えている。新しいつながりも生まれている。日本語圏でも、これから育っていく魅力がある。
「個人がメディアになる時代」は、これからもっと進んでいくと思います。
でも、ブームだけを理由に始めると、たぶん続きません。そして、トレンドだけを追いかけると、読者との関係も薄くなります。
これから大事なのは、流行を無視することではない。
流行を入口にしながら、
自分の価値観や経験を深掘りし、
AIと共創しながら、
自分の軸から言葉を出すことです。
バズは一瞬で消える。
でも、軸のある言葉は残ります。
「この人の視点をまた読みたい」
「この人の言葉なら、次も読んでみたい」
「この人は、自分に必要なことを書いてくれる」
そう思ってもらえる発信を、少しずつ育てていく。
ブームに乗るだけではなく、AIに任せきるのでもなく、自分の軸を育てる。
それが、AIと共創する“一人メディア”を続けていくうえで、いちばん大事なことかもしれません。
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ぜひ、Substack一緒に頑張っていきましょう。





しばじゅんさん!これは、流行りに乗ってみた✨️の人が冷静になれる、そして大切な本質にあらためて気付ける記事ですね☺️
トレンドで集めた読者はトレンドで消えていく。
トレンドで寄ってきた人は人ではなく話題を見に来る。
切ないけどそうなんですよね。自分だからこそ紡げる言葉、伝えたい内容を大切にしたいなと思います💕
しばじゅんさんの記事を読んで、軸ってスローガンや肩書き、キャッチコピーのことではなくて、例えるなら木や幹そのものみたいな、奥行きがある感じかなと思えました。スローガンなどは木の前に掲げた看板みたいな。
軸は「1つの言葉」と捉えがちでしたが「そのもの」ですね!
大きな気づきになりました。ありがとうございます😊