「突然SAPが止まった」——そう言われる現場の多くは、実は止まる前に兆候が出ていた。ただ、誰もそのサインを「そういうもの」として流していただけだ。
SAPが急に止まると、まるで天災のように感じる。
でも20年近くSAPのインフラを見てきた私の経験では、
「完全に予告なし」の停止はかなり少ない。
よくある前兆パターンを3つ紹介する。
① レスポンスが「じわじわ」遅くなる
朝は普通に動いているのに、夕方になると画面の遷移が重い。
月初・締め処理の時期だけ遅い、というわけでもない。
こういう「説明のつかない遅さ」が慢性化しているとき、
DBの領域不足やバッファの枯渇が進行していることが多い。
「まあ気のせいかな」で放置されがちなサインだ。
② ショートダンプが「たまに」発生している
SAPにはST22という画面があって、異常終了した処理の記録が残る。
月に数回、ほとんど同じエラーが出ているのに誰も調べていない
そういう職場は非常に多い。
ショートダンプは「予告編」だ。本編(本格停止)の前に必ずここに証拠が残っている。
③ バッチ処理の終了時刻が少しずつ後ろにズレている
毎朝6時に終わっていたバッチが、気づいたら6時半になっている。
半年前は5時台だった。こういう「ジリジリしたズレ」は、
データ量増加やDBの統計情報劣化を示すサインのことが多い。
この3つは、専用ツールを使わなくても「SAPの標準機能だけ」で確認できる。
でも情シス担当が複数システムを兼任しているような現場では、
誰もそこに目を向ける余裕がない。
問題は、停止が起きてから初めて「あのとき気づいていれば…」となることだ。
まとめ
まずST22を開いて、直近1ヶ月のショートダンプを眺めてみてほしい。
そこに「次の障害の予告」が静かに積み上がっているかもしれない。


