VOL.3
穂坂事業所 新開発棟@山梨
自分の仕事に
プライド持つ人多い社風
(左から)望月さん、澤井さん、若原さん、小林さん/東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ穂坂事業所の開発棟で
VOL.3
穂坂事業所 新開発棟@山梨
(左から)望月さん、澤井さん、若原さん、小林さん/東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ穂坂事業所の開発棟で
2030年に1兆ドル以上といわれる半導体市場。その中で東京エレクトロン(TEL)は、27年3月期までに売上高3兆円以上、営業利益率35%以上、ROE(自己資本利益率)30%以上の目標を掲げている。同グループの「若手エンジニア座談会」シリーズVOL.3は、東京エレクトロン テクノロジーソリューションズの山梨の事業所で活躍する4人に聞いた。
*記事内容は、2024年11月29日現在
半導体は技術の上流、
様々な技術発展に貢献
――東京エレクトロングループに入社した動機を教えてください。
大学の専攻は応用化学で、有機物を使って半導体などをつくっていました。所属する研究室が東京エレクトロンと共同研究をしていて、いろいろ話を聞いて興味を持ち入社しました。
小林さん(2019年新卒入社)DSP Memory製品開発部
学生時代の研究内容は化合物半導体の物性でした。教授に相談し、紹介してもらって入社しました。弊社には、一見半導体とはあまり関係ない分野を専攻していた人もいますが、私は学生時代に研究した内容を、そのまま会社で生かすことができていると思います。
小林さん(2019年新卒入社)DSP Memory製品開発部
就職活動で重視したのは、大学での半導体物性の研究と留学経験を生かし海外で働けるかという点です。学生時代に理工系大学生・大学院生を対象にした経済産業省支援の欧州企業でのインターンシッププログラムに参加し、オーストリアの半導体企業でのインターンシップを経験しました。東京エレクトロンは海外企業とのつながりが強く、学生時代の経験を最大限に生かすことができる会社だと思い入社を決めました。
澤井さん(2024年新卒入社)装置開発部
私は電気電子工学の専攻で、電気自動車用モーターの研究をしていました。半導体とは直接、関係ないのですが、機械全般に興味があり、就活を通しいろいろな機械メーカーを見る中で半導体製造装置の存在を知りました。最初は複雑そうだなと思ったのですが、だからこそ飽きない、面白そうだと考えたんです。また、半導体自体が技術の上流にあるので、いろいろな技術の発展に貢献できると思い、この業界を選びました。
澤井さん(2024年新卒入社)装置開発部
山梨で成膜・エッチング装置など
手掛ける
――東京エレクトロン テクノロジーソリューションズの山梨の事業所では、どのような製品を手掛けていて、皆さんはどのような業務を担当していますか。
東京エレクトロンは、半導体製造プロセスの成膜・塗布・エッチング・洗浄の4つの連続する工程に装置を持つ唯一のメーカーです。山梨にある藤井事業所と穂坂事業所では、成膜装置、エッチング装置、テストシステム、ディスプレー製造装置など幅広く手掛けています。
望月さん(2013年新卒入社)DSS技術第一部
その中で私が担当しているのは、スマートフォンやテレビなどのディスプレーを製造する装置で、社内のプロセス開発と納入先でのプロセス検証を行っています。東京エレクトロンは、参入している工程で高いシェアを持っているので、皆さんのスマホも当社の装置を介していると思います。
望月さん(2013年新卒入社)DSS技術第一部
私は、ガスケミカルエッチング装置の開発を担当しています。エッチングは、半導体ウエハーに回路を形成する工程の一つで、不要な薄膜を削って半導体の回路パターンを残します。エッチングの方法は主に、プラズマ・ウエット・ガスケミカルの3つ。ガスケミカルエッチングは、フッ化水素などのガスで化学的に膜を削る方法で、より微細な加工ができる点が強みです。
若原さん(2023年新卒入社)枚葉製品 企画プロジェクト
新たに開発した成膜装置の立ち上げとその評価を行っています。成膜は、ガスを流しながら熱やプラズマ反応によりウエハー上に膜を形成する工程です。たくさんのウエハーを一括して処理するバッチ式と数枚ずつ処理する枚葉式といった方法があり、私は枚葉式の成膜装置を担当しています。
若原さん(2023年新卒入社)枚葉製品 企画プロジェクト
装置の消費エネルギーを測るシステムを開発しています。東京エレクトロンが掲げる「2040年までにネットゼロ」の目標達成に向けたプロジェクトで、私の対象は成膜装置です。もう一つ、新しい洗浄装置の開発も、九州の事業所と一緒に進めています。
製品開発の初期段階から、設計、製造、品質管理を一貫して担う
モチベーションアップになる
表彰制度も
澤井さん
「安全で使いやすい配線設計ができた
とき、やりがいを感じました」
――どんな時に、やりがいを感じますか。
半導体製造装置はガスや熱、高電圧などを扱います。だから、お客さまが直接触れる部分に近い配線の設計では特に、安全性への配慮が欠かせません。入社して半年ほどですが、安全かつ使いやすい装置にするために工夫を凝らし、納得のいく設計ができたとき、やりがいを感じました。
澤井さん
「安全で使いやすい配線設計ができたとき、
やりがいを感じました」
一から十まで自分が関わった装置が、お客さまの購入まで進んだとき、達成感を持ちました。周りの人から褒められる、評価が上がったと感じることもやりがいの一つになります。社長賞やチーム表彰なども、モチベーションアップにつながりますね。
若原さん
「1枚目のウエハーが流れるのを見たとき、
感動しました」
新しい成膜装置が立ち上がり、1枚目のウエハーが流れるのを見たとき、感動しました。メカ、エレキ、ソフト、プロセスといった様々な分野のエンジニアと評価や議論を重ね、多くの人と協力しながら一つの装置が造り上げられることを実感できました。
若原さん
「1枚目のウエハーが流れるのを見たとき、
感動しました」
お客さまに一旦評価されても、納期までの間にお客さまの状況が変わることがよくあります。そういうときは、正直ちょっと戸惑いますが、上司や部下、皆の力を借りながら、受注までこぎつけたときは達成感がありますね。
環境規制をクリアする
アイデアも必要
――生成AI(人工知能)、自動運転、次世代通信規格6G、DX(デジタルトランスフォーメーション)、脱炭素などに、半導体は欠かせない存在になっています。どのような技術革新が求められますか。
小林さん
「生産性という課題を解決する
技術開発が求められます」
ガスケミカルエッチングで大事なのは、まずは均一性。そして、どこを削るか削らないかといった選択性の技術も求められます。加えて競合他社とのコンペでは、生産性も重要です。ほかのエッチング方法の方が生産性は高そうでも、ガスケミカルで化学的に解決していく手法はないかなど、いろいろ評価しながら改善点をお客さまに提案し、納得いただけるよう技術開発を進めています。
小林さん
「生産性という課題を解決する技術開発が求められます」
半導体デバイス技術や構造が速いスピードで進化し続けているので、お客さまに最適なソリューションを必要なタイミングで提供できることが大切です。そのため、従来は使われていなかった新しい金属材料の成膜技術を開発したり、複数枚の成膜プロセスとクリーニングプロセスを組み合わせたりすることができる、より高性能な装置開発が必要になっています。加えて省エネ技術もより重要なテーマになってきています。
最近は、世界中で環境規制が厳しくなっているので、例えば冷却が必要な場合など、どうすれば規制をクリアして実現できるかといったアイデアが必要になっていると実感しています。
望月さん
「TELならではの強みを生かし、
他社との差別化を打ち出したい」
以前ディスプレーは、どんどん大きくして生産性を上げることが求められていましたが、今は性能の高さがフォーカスされています。もともと東京エレクトロンは性能の高さを評価いただいているので、当社ならではの強みを生かし、他社との差別化をどのように打ち出していくかを探っているところです。
望月さん
「TELならではの強みを生かし、他社との差別化を打ち出したい」
半導体製造装置はメカ・エレキ・プロセス・ソフトなど様々な技術の結晶。部門を横断したチームワークも重要だ
理系女性キャリアの
新しいロールモデルに
――これから挑戦したいこと、将来の抱負を聞かせてください。
入社以来ずっとエッチング装置を開発してきましたが、最近、九州の事業所へ行き連携して仕事するようになり、新しいことをいろいろ勉強させてもらっています。東京エレクトロンには様々な製品群があるので、今後はいろいろな装置に関わっていきたいですね。
エレキの知識を深めていきながら、プロセスやメカなどほかの分野の知識も身に付けた上で全体を見据えた設計のできる、装置のスペシャリストを目指したいと思っています。
小林さん
澤井さん
ゼロ段階から最終製品に仕上げるまで一通りできるようにしたいです。現在、担当しているディスプレーにかかわらず、いろいろ挑戦してみたい気持ちもあります。
来年2月から海外駐在することになりました。入社2年目での駐在は珍しく、女性エンジニアの駐在もまだ少ないのが現状です。将来は、国内外で活躍している女性の先輩たちのすてきなところを全部集めたようなブリッジ人材になれたらと思います。また、女性エンジニアのキャリアの前例をつくり続けることで、未来の女性エンジニアの新しいキャリアのロールモデルになれるよう挑戦します。
「TEL UNIVERSITY」等、
学ぶ場多彩
――東京エレクトロンの企業文化、働く環境についてはどのように感じていますか。また、山梨での生活はどうでしょう。
風通しがよく、上司との距離が近いので、困ったことがあったときでも相談しやすい雰囲気があります。
いろいろな講座が用意されている「TEL UNIVERSITY」は役に立ちますね。オンラインも実習もあり、自分の成長につながります。
勉強会までいかなくても、次の装置のネタ出しや特許に関することなど、部やグループ単位でディスカッションしたりブレストしたり、積極的に行っています。自分の仕事にプライドを持っている人が多いのが、社風だと実感しています。
会社としての思い切りの良さも感じます。2025年度3月期から5年で1.5兆円以上という研究開発費はもちろん、やりたいと思ったことを形にできる環境が整っています。
望月さん
若原さん
女性の働きやすさという点では、時短勤務や女性特有の体の不調の際に使えるウェルネス休暇、子どもの看護休暇といった有給休暇制度があります。子どもの運動会など行事のために取得する人が意外と多い印象です。性差に限らず個々の違いを尊重し、各々が最高のパフォーマンスを発揮できるような環境づくりが意識されているように感じます。
男性の育児休暇取得率も上がっているんですよ。私は3週間でしたが、3カ月や半年取得した人もいます。ちょっと長い休みを取る感覚で、今では普通ですね。山梨は、緑に囲まれ公園も多く、子育てもしやすいと聞きます。
職場を山梨に決めたとき、最初は不安でしたが、実際に暮らしてみると買い物も不便はなく意外に便利。東京の実家にも帰りやすいんです。毎日、富士山を見ながら生活しているせいか、視力がよくなりました。
趣味の山登りに行きやすい。果物農家が多いので、フルーツをいただくことも多いんですよ(笑)。
2023年7月に竣工した東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ穂坂事業所の新開発棟
希望と努力で、
自らキャリアを築ける
――就職・転職活動中の人に、東京エレクトロンの魅力を伝えてください。
東京エレクトロンには、様々なキャリアやバックグラウンドを持つ人がいます。決められたキャリア形成ではなく、それぞれの希望と努力で、自らキャリアを築いていける。自由な会社だと思います。
その通りですね。自分のモチベーション次第で、いかにでも自分を成長させることができる。そういう環境が整っているし、会社も支援してくれます。自分を磨いていきたい人にはお勧めです。
半導体業界は忙しそうと思っている人は多いと思います。でも、東京エレクトロンは、オン・オフのめりはりをつけて働ける会社です。諦めないで飛び込んできてください。
いい意味で「今どきの企業」になってきていると感じます。本当に働きやすい会社ですよ。