【課外実験】「実は今日も息子さんが・・・」1か月続いた電話が変わったきっかけ
管理しようとしていた父が、息子と「おとこたび」に出た話
「はい、大変申し訳ありませんでした。よく言って聞かせます」
毎年、3学期になると息子が荒れる。
原因はうすうす分かっている。妻が繁忙期に入るためだ。
「わんわん、わんわん」 学校からの電話が増える。
※私の携帯の着信音は犬の鳴き声に設定しています。ややこしくてすみません。
「なんでこうなった?」「次はどうしたらいいと思う?」
そんなやり取りを何度も続けるエブリデイ。でも翌日になると、また電話が来る。
「実は今日も、息子さんが…」
担任からの電話は止まらなかった。
これは小手先の対応ではなく、根本的な解決が必要なのかもしれない。
そう思っていた時、仕事でのある出来事を思い出した。
以前、会社にベトナムからの実習生が来ていた時のことだ。
私は実習責任者兼、お世話係を任されていた。要するになんでもやる係。
言葉の問題。文化の違い。最初はなかなかうまくいかなかった。
何度注意しても、見ていないと元に戻ってしまう。
最初の数か月、私はルールで押さえつけようとしていた。でも全然うまくいかなかった。
寮へ様子を見に行ってもなんか居心地が悪い。
「マタ、ウルサイノガキタヨ」 そんな目で見られていたんだと思う。
そんなある日、1人の実習生が夜中に寮で怪我をした。
「わんわん、わんわん」
連絡を受けた時、管理者としてはどうかと思うが、正直「面倒なことになったな」と思った。
「明日まで待って病院へ行ってもいいかもしれない」、そんな考えも頭をよぎった。
でもその時、娘の顔が浮かんだ。
もし娘が海外で働いていて、夜に寮で怪我をしたら不安だろな。
すぐに車を出した。
救急で携帯の翻訳アプリを使いながら、必死に状況を伝えた。
その出来事があってから、彼女たちの態度が変わり始めた。
寮へ行くとお茶を出してくれるようになった。会社の雰囲気も少しずつ良くなっていった。
その時に気づいたんだけど、
私はこの子たちを「従業員」として見ていたんだと。「働いてもらう人」として接していた。
でも、人はそれでは動かない。
そこから私は「この子たちは自分の娘だと思って接しよう」と決めた。
娘だから厳しいことも言う。でも困っていたら、できる限りのことをする。
それだけで、空気は大きく変わった。
そんな経験を思い出して、気づいた。
もしかしたら息子にも、私は「管理者」として接していたのかもしれない。
ちゃんと向き合うより、コントロールしようとしていたのかもしれない。
どうしたら向き合えるか・・・・「そうだ旅へ行こう」
しっかり向き合えそうだ。
そこで、息子と二人で旅に出ることにした。
名付けて「おとこたび」。
遠くじゃなくていい。でも全部、一緒に決める。一人の男として付き合う。お互いの意見を尊重する。そんなテーマの旅だった。
当時、旅猿にはまっていた私は、まずはおそろいのTシャツ作りから始めた。
何事も、かっこから入るタイプなんです。
でも実際、ユニフォームって団結力が高まる。そんな狙いもあった。
息子にイラストを描いてもらい、写真に撮る。ネットのTシャツ作成サイトを見ながら一緒にデザインを決めた。お互いに似合う色も決めた。
「パパは軍パン履くよな?じゃグレーで。俺はうーん、カーキかな?」
1週間後、Tシャツが届いた。
真ん中には息子の描いたイラスト。それを挟むように「おとこたび」の文字。
気に入ったようで、学校にも着て行き、友達に自慢していた。
旅の計画も二人で決めた。
金曜日の夕方に出発して夕日を見る。宿で夕食を食べる。
翌日は和菓子作り体験。お城に登って帰る。
そんなざっくりとした計画。
ホテルはネットの画像を一緒に見て決めた。
「ここ、一階に温泉あるよ」
小さな旅行だった。でも、一人の男として対等に決めたことが嬉しかったのか、息子は満足そうだった。
旅の最中、普段の甘えた顔はどこへやら。
助手席でしっかりナビをして「次ここ曲がるよ」と旅をリードする、「相棒」の顔をしていた。
何より驚いたのは、いつもギリギリになって「トイレ・・漏れる・・・」という息子が
「次にコンビニあったら寄って、俺トイレだわ」と言ったことだ。
初めての「おとこだび」はそんな些細な成長もうれしかった。
「わんわん、わんわん」
旅を終えてからも、学校からの連絡はあった。
でも最近は「しっかりしてきましたよ」という言葉も混じるようになった。
まだまだ成長途中の男だ。
これからも時々「おとこたび」をしながら、少しずつ絆を作っていきたいと思う。
言葉ではなく、態度で人は変わる。
そう信じられた出来事でした。
ちなみに翌週。
妻と娘が「おんなたびTシャツ作ろうか」と話していた。





オトコタビ😟
『おとこたび』いいですね💕︎
2人で考えたTシャツも、これまた可愛い!
お子さんとしっかり向き合っているピートンさん、素晴らしいなぁと思います✨✨
ほんとにステキな文章でした。😍✨✨