【親子実験】「反撃されると痛いから」攻めない息子が、1つの仕組みで変わった日
やる気より先に、構造を整える
「もっと自分から攻めろー!」
最近、試合練習中に先生から何度も注意される。
息子は空手を習っており、お互いが突きや蹴りなどの技を出しポイントを競う「組手」をメインに練習している。
最近は行き渋りがひどく、その原因が試合練習での勝ち負けへのこだわりから来ている事に気づいた。
「勝敗ではなく、練習した技を試す場にして欲しい」という声掛けに変えたところ、行き渋り自体は段々減りつつある。
でも試合練習はまだ乗り気ではないらしい。
まあ、嫌だよなぁ。その場で優劣がはっきりと付けられるんだから、たまったもんじゃない。
試合練習の内容を見ると、防戦一方で自分から攻めない。攻撃されると後ろに下がる。コーナーに追い詰められ場外に出て反則を取られる。そんなパターンが何度も続いていた。
ポイントは取られにくくなったが、ポイントを取る練習はできていない。
一方、審判なしで自由に組手を行うフリーの練習では、得意技の「回し蹴り」や「追い突き」をバンバン出している。
その勢いで試合練習にも臨んで欲しいのだが、いざ試合となるとまるで別人のような動きになるのが不思議だった。
まだ勝敗を気にしているのか、先生の評価を気にしているのか分からない。
練習後に紙とペンを持って、どんな気持ちなのかを聞いてみた。
「もっと自分から技を試さないと、先生もアドバイスできないよ。どんな事を考えてやってる?」
息子は少し考えてから言った。
「自分から攻めると反撃されてポイントを取られちゃう。守れば勝てないけど、負けない時が多いもん。」
「それに・・・反撃されると痛いから・・」
なるほど、ここで構造を理解した。
息子にとって試合練習は積極的に攻めるメリットがない構造になっていた。
自分から攻めると攻撃を受ける可能性がある。それは負けや痛みを伴う。守る戦い方をすれば勝てないけど、引き分けの可能性もあり、痛くない。
どうやら息子の中ではそういう構造になっていた。まぁ、気持ちはすごくわかる。
しかし、それではせっかくの試合練習が機能しない。もう一度、説明をした。
練習で習った技を試合練習で試す、失敗する、反撃もされる。でもなぜそうなったかを考えると次はそうならないように気を付けられるようになる。先生もアドバイスできる。
息子は分かっているが中々気が乗らないようだった。
そこでこんな提案をした。
「自分から攻撃を仕掛けられたらそれだけで1点としよう。実際に決まったかは関係ない。今日の試合練習3回で合計10点取れたらご褒美出すよ。」
心理的な負担を下げるため、スモールゴールをゲーム感覚で設定してみた。
ゲーム好きな息子はこんな感じにすると乗ってくることが多い。
「技を10回出せばいいの?だれが相手でもいい?」
すぐに乗ってきた。ふふふ、何てちょろい・・・、素直な息子なんだ。
この時はまだまだ子どもなんだなと感じた。
ご褒美でつるのは気が引けるが、とりあえずやる気になってくれたのは嬉しい。
しかし息子はまず年下の子に声を掛け、試合練習を申し込んでいた。
「やられた!」 だれが相手でもいい?と聞いた息子には既に戦略があったようだ。
格下相手に何度も自分から攻撃をして、その試合は6点ゲット。
「これはいかん、いや、いかんくないのか?」
こちらの想定通りではなかったが、とにかく自分から攻撃を出すという事には成功した。
息子は意気揚々と帰ってきて「これで6点だな。」とにやり。
「年下相手にやってもな~。次はあの子とやって来てよ。」と次は同級生とやるように言った。
「まあいいけど。」既に6点取っている息子は素直に応じた。
同級生との試合練習でも自分から攻撃を仕掛けている場面が何度かあった。
「あと、2点だな。ご褒美はなにかな?」貰う気満々の息子と焦る父。
「次はあの子にチャレンジしなさい。行って来い!」と年上の子に挑ませた。
前回の試合で負けた子だった。息子はまあ勝てないけど、あと2回自分で攻撃すればいい。そんな風に考えているようで案外軽く「次やろ~。」と声を掛けていた。
そして試合練習が始まると、すぐに得意技の追い突きを出した。「えいっ!」、「やめっ!」。
「上段突き、技あり!」何と技が決まり、久しぶりに試合練習でポイントが取れた。
「続けて始め!」審判の声が掛かると次はじっくり相手を見ていた。
相手の突きに対して一度後ろに下がり、追撃してくる相手にカウンターの回し蹴りを繰り出す。
「やめっ!、中段蹴り 有効!(息子の)勝ち!」
何と年上の勝てなかった相手に勝ってしまった。
試合練習から帰って来た息子は少し興奮気味で「なんか勝てちゃった・・」と驚いていた。
帰りの車で振り返りをした。「最後、何で勝てたと思う?」
「まあ、自分から攻撃したからだね。」
その後、息子は勝てたのがよほど嬉しかったのかご褒美の事は忘れて、
「相手が来たから、サッと後ろに下がって、次も追ってくると予想してここでバーンとカウンターで蹴り!」
真剣に試合の解説をぶちまけていた。
その週の日曜日に選抜大会があった。息子は3回戦まで勝ち進み、3回戦目は試合練習で勝てた年上の子だった。
前回の大会では負けた相手。でも、もしかしたら勝てるかもしれない。淡い期待を持ちながら試合を見守った。
息子はいつもなら下がる所を相手の圧に耐えながら必死に前に出ようとしていた。
試合後半、息子が突きを出し、相手が少し下がった。その隙をついて回し蹴り。
「やめっ!青(息子)、中段蹴り 有効。青(息子)、先取」
息子の回し蹴りが決まり2ポイント取った。そのまま試合が終わり、前回勝てなかった相手に勝つことができ、結局3位入賞だった。
帰りに息子はご褒美を思い出したようで「今日、3位だったし、この間10点取ったご褒美もまだ貰ってないよ。」と言われちゃいました。
今回感じたのは、どこが詰まっているかよく観察して、ハードルが低くなる仕組みに変えた事でうまく回ったということ。
高い壁や重い負担を前にする子どもに、やる気で乗り越えさせるのは親子共に疲れる。
できれば親子で楽しく乗り越えられる壁がいい。
あなたのお子さんは今、どんな壁の前に立っていますか?




ピートンさん、これはお子様ながら理にかなった勝負のシステムをよく理解されてるようで驚きました💦
"勝ち負け"とよく勝負事では言われますが、状況によっては、『負けないこと』が一番大事なこともあるんですね。
(サッカーとダーツのリーグでは、その考え方がめちゃくちゃ大事でした)
ただ、そのマインドをピートン構文にて打破したことは素晴らしい結果だと思います✨
これは、大きな一歩ですよね😂‼️
いやはや、おめでとうございます㊗️
息子くんの気持ちもすごくわかる。攻めるって難しい。
でもただ攻めろ!って言い続けるより原因を見抜いて一緒に進んでいくピートンさんの姿勢が素敵だなぁといつも思います😊
親子でもあり良い相棒って感じがしていいですね✨