私が「メタプラネットはもう買うな」と言い続ける理由 ― コンバノ撤退で、メッキが剥がれた
5月25日に出てきた1本のニュースが、私の中ではビットコイントレジャリー企業(会社でビットコインを買って保有するビジネス)の終焉を確信した出来事となりました。
ネネイルサロンを本業にしているコンバノが、ビットコイントレジャリーから撤退したというニュースです。
ぶっちゃけ、コンバノ自体の規模はメタプラネットの50分の1以下です。
でも私は、このニュースで、メタプラを含む「ビットコイントレジャリー企業」全体のメッキが、ついに剥がれたと思っています。
⚠️ コンバノの撤退で、業界に「前例」ができてしまった
コンバノはもともとネイルサロンを本業にしている会社です。
そこに副業的に、ビットコイントレジャリーを乗せていた、という形でした。
ビットコインの保有量は700枚ちょっと。メタプラネット(3350)の4万枚以上と比べると、規模はかなり小さい会社です。
でも昨日、担当取締役の辞任と、ビジネスからの撤退が発表されました。
ビットコインの下落で、それなりに大きな含み損も抱えていたはずです。
ただ、私の見立てでは、撤退の理由は損失だけではないと思っています。
ネイルサロンという本業を持つ会社にとって、ビットコインで投機的に動いていることのブランドイメージは、決して良くないんですよね。
本業のブランドを守りたかった ⚠️ ― それも含めて、早めの撤退を選んだ、というのが実際のところじゃないかな、と。
そしてここで、業界に初めて「ビットコイントレジャリーは失敗する」という前例ができてしまったわけです。
サイズが小さくても、心理的なインパクトはかなり大きいです。
これまで投資家の頭の中では、「ビットコインを保有する上場企業 = 夢のあるストーリー」だったはず。
その夢に、はじめて「失敗事例」というラベルが貼られた。
これが、私が今日この話を取り上げた一番の理由です。
📉 ビットコインは12.7%上がったのに、メタプラは5.2%下がっている
ここで、具体的な数字を見てみます。
4月1日から今日までで、ビットコインは12.7%の上昇。
一方で、メタプラの株価は5.2%の下落です。
差し引き、約18%もメタプラの方が負けている計算になります。
「ビットコインが上がればメタプラも上がる」 ― これは、メタプラを持っている方の多くが、ほぼ信仰のように信じてきた前提でした。
実際、ホルダーの方は日々ビットコインの価格を気にしてチャートを見ていると思います。
でも、半年〜1年のスパンで見ると、もうこの前提が崩れています。
ビットコインの変動幅に対して、メタプラのパフォーマンスがあまりにも悪い。
短期的に瞬間連動することはあっても、中長期で見ると、ビットコイン単体を持っていた方が圧倒的にマシ、というのが実情なんですよね。
ビットコインが上がっても、メタプラはついていけない。
これが、いま現実に起きている話です。
ここで、ひとつ、あまり大きな声で語られない事実があります。
メタプラの株価が上がるためには、ビットコインの上昇だけでは足りないんですよね。
同時に「mNavプレミアム」も回復しないとダメ ⚠️ なんです。
ここが見えていないと、たぶん何度でもハマります。
💡 「mNav 1倍割れ=割安」は、回復する前提ありきの幻想
mNavは、ざっくり「会社の時価総額 ÷ 保有ビットコインの時価総額」です。
1.0を超えていれば、株にプレミアムが乗っている状態。
1.0を割っていれば、ビットコインの価値より株の値段が安い、つまり「割安」に見えます。
2024年の爆騰時、メタプラのmNavは22倍くらいまで行きました。
100円分のビットコインしか持っていない会社に、2200円の値段がついていた、ということです。
それが7倍、5倍、3倍と下がってきて、いまは0.76倍。
「1倍も割ってるんだから買いだ」と言うインフルエンサーや個人投資家、これまでも多かったです。
でも、これは「いずれmNavが回復する」前提で見ているだけなんですよね。
仮にmNavが戻らないまま、ビットコインだけが上がっていったら、最初から普通にビットコインを買った方が、ずっと効率がいいわけです。
ここを混同している人が本当に多いんですよ。
これって、バリュー株投資と構造がそっくりなんですよね。
「理論上は割安に見えるけど、何らかの問題があって市場が再評価しないまま、2年、3年、5年と塩漬けになる」 ― あの感じです。
割安だから上がるのではなく、上がる理由があるから上がる。当たり前のことなんですけど、見落としがちです。
ちなみに、メタプラが公式サイトで出している「EV mNav 0.886倍」という数字。
これは、ストラテジー社が業界標準として打ち出した、少し都合のいい指標です。
分子に企業価値(時価総額に負債と優先株を足したもの)を入れるので、通常のmNavより数値が高く出る仕組みになっています。
しかも、その負債と優先株の708億円分は、通常の株主よりも先に請求権がある資金です。
なので、株主視点で正味の割安感を見るときは、やっぱり通常のmNav(0.76倍)の方を見るべきだと、私は思っています。
それでも、まだ1倍を割っているんですよね。
ちなみに参考まで、いまのメタプラの株価は292円前後。
4万BTC以上を保有していて、取得価格は1550万円くらい、いまのビットコイン価格は1200万円くらいです。
つまりメタプラ自身も、かなり大きな含み損を抱えている状態、ということになります。
🌀 何度もリファイナンスされる、希薄化の地獄
メタプラを語る上で避けて通れないのが、ワラントによる株式の希薄化 🌀 です。
ワラントは、決められた条件で新株を発行できる権利のこと。
これが行使されるたびに、株が増えて、1株あたりの価値が薄まっていきます。
メタプラは、これを何度も繰り返してきた会社です。
ざっくり整理すると、こんな流れ。
2024年6月、21・22回目のワラント発行 → 行使が進まず5ヶ月後に焼却
23・24回目として再発行 → 今年3月に停止
26・27回目として、また別条件で再発行
同時に新株1.07億株も発行
9ヶ月で2回のリファイナンス。
「世界初の投資家保護条項を入れた」と謳っていても、条件が悪くなれば「なかったこと」にして組み直す ― それを繰り返している会社なんです。
しかも今動いている27回目のワラントは、下限価格を取締役会の判断だけで187円まで引き下げられます。
仮に株価が250円を割って資金繰りが厳しくなれば、この条項が引き下げられるリスクはそれなりにあると見た方がいいです。
ホルダーが「いまのmNavなら行使されない」と細かく計算しても、来月にはガラッと条件が変わっている可能性が普通にあるんですよね。
違法ではありません。
でも、個人投資家にとって、構造的に分が悪いのは確かです。
2024年の爆騰は、希少性・新鮮さ・熱狂、そしてビットコイン自体の急騰、この4つが揃って20倍以上までmNavプレミアムを押し上げました。
でも今は、トレジャリー企業が世界中にたくさん生まれて、希少性も新鮮さもありません。
そこに今回のコンバノ撤退で、「夢」のメッキまで剥がれた。
私の判断では、ここから2024年型のmNavプレミアム復活は、もう起こらないと見ています。
そして冷静に考えると、構造を理解した人ほど買わなくなる銘柄です。
つまり、新しく入ってくる買い手の数が、少しずつ確実に減っていく。
リファイナンスのたびに希薄化されながら、新規買いも細る ― これが、いまメタプラに起きていることの本質だと思います。
✅ おわりに
私が言いたいのはシンプルです。
ビットコインの未来を信じるなら、素直にビットコインを買えばいい。
メタプラを通して買うと、企業の経営リスク、希薄化リスク、取締役辞任リスクまでセットで背負うことになります。リスクリターンであまりにも分が悪い。
私自身、5年以上前から少しずつビットコインを積み立てています。まだ1枚にも届かない量ですが、いつか1ビットコインを持つのが小さな夢です。
クリプトやWeb3の未来は、AIと組み合わさることで、まだまだ大化けする可能性があると本気で思っています。
ただ、それを「ビットコイントレジャリー企業」越しに買うのは、もうやめておいた方がいい。これが、コンバノの撤退を見て改めて思ったことです。
ビットコインでトレジャリーするのは悪くない。でも、それを上場企業でやって、個人投資家を巻き込むなよ ― これが本音です。
メタプラを今から買おうとしている方、もしくは含み損で握っている方、まわりに同じような状況の人はいませんか?
よかったらコメントで聞かせてもらえると嬉しいです。





