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2024年11月 九州温泉逍遥③【鹿児島県内の良泉巡り】

前回

11/20 霧島市・薩摩川内市・さつま町

凛とした空気の朝、妙見の温泉街を歩き散らす

虹のつり橋を渡り、天降川のせせらぎに耳を傾けた

登録有形文化財に指定されている「九州電力妙見発電所本館」。黎明の暗がり、天降川対岸の重厚な石造建築を暫し眺めていた

宿泊候補の1つだった「きらく温泉」
このようなものに目をやりながら徘徊している時間が
人生で最も健康
定休日の都合で投宿が叶わなかった「妙見温泉ねむ」

だんだんと空が白んできたタイミングで宿へ戻った。

ぬる湯の打たせ湯で朝風呂。そろそろ朝餉を…と何度も思いつつも離れがたくて、困りました

昨日喰いそびれたちゃんぽんを共有スペースの電子レンジで温めていると、黒猫が接近してきてぐいぐい擦り寄られた

にゃーにゃーとよく鳴く人懐っこい個体で、暫くワシワシとこねくり回していた影響でちゃんぽんが少し冷めた

結局少し温めなおして喰った

チェックアウトの際にも再び目の前に出現。スタタタッと近づいてきて自分の足元でピタと停止し、なでられると「にゃー」と鳴く

非常にあざとい

上記の流れを複数回実施し、何とかチェックアウト。女将さんに聞いたところ、飼い猫のようだった

鹿児島県西部の浴場をひたすら巡る3日目がスタート。まずは薩摩川内市「いむた温泉 下ノ湯」を訪問。いむたは「藺牟田」と書く

受付でぼんやりとしていたおばあ様に声をかけ、200円の湯銭を支払う

鹿児島県観光サイトより引用

無色透明無味無臭42℃かけ流し。「健康増進の一助に」という味わい深い文言にも納得。どれだけ個性の強い源泉に出会っても、最終的にはこういう湯に立ち返りたいと思うような安心感を得た

終浴すると受付でネコチャンが寝ていた。

2湯めは薩摩川内市市比野温泉「丸山温泉」。人の善意が具現化されたような、プリミティヴな手書きの看板が良い

キリッとした青色基調の浴室。見惚れるような佇まい。床タイルのカラーデザインまでドストライク

肌触りのとっても滑らかなアル単泉がかけ流し。浴感も優れまくりで、毎日ここに入りてえと思った

ガラスブロックの趣きもまた、素晴らしいじゃありませんか。

効用についての諸々が外壁に掲示されていた

市比野温泉にはかねてから宿泊したい旅館があるのだが、その際に必ず再訪すると誓った。250円で味わえる極上の入浴体験であると、そう言わざるを得ません。

薩摩川内市の中心地に出たところで、「十八番 薩摩川内店」にて昼餉。地域密着型チェーン店の味はおさえておきたいという思いがある

十八番らーめん(こってり味)と半チャハーンを喰らった。着弾してその背脂の量に思わず怯んだが、苦しくならない程度の満腹感で完食

3湯めは川内高城温泉。ずっと来たかったんですよ ついに来ました

この独特の鄙び感を放つ川内高城温泉は、多少無理な旅程になってもどうしても訪問したいという思いがあった。
観光客で賑わう温泉地であっても、突如閉業してしまう入浴施設も少なくない中で、今回この温泉地をパスして後悔することだけは避けたかった

閑静な温泉街を見て回ったのち、「川内高城温泉 共同湯」に入浴

共同湯は無人。入口スペースには些か目が虚ろな隆盛の芸術作品が飾られていた

共同湯料金箱に200円を投入し、廊下を進みます

とろんとした湯触り、上品な硫黄の香。何度もかけ湯して、ゆっくり沈んで、手に取って芳香を楽しみ、ただただ感無量

無造作なつぎはぎタイルも、芸術の域に昇華されているかのよう。隆盛は好んで浴槽の隅っこに入ったとの逸話が残る

終浴後、地元小学校の児童がしたためた感想文を拝読。各人の特色と感性に目を細めた

時間の都合で泣く泣く入浴をパスした双葉屋。いつ消えてしまってもおかしくないとは思いつつも、そのぶん共同湯の入浴を楽しんだ

風が心地よく、葉擦れの音と鳥の囀りしか聞こえない。短い滞在ながら、この温泉街が好きになった

川内高城温泉を発ち、これまた気になっていた紫尾温泉へ。自分で言うのもなんだが、欲張りな湯巡りである。

区営の共同湯「神ノ湯」にて本日4湯めの入浴。区外の人間も破格の200円で入浴可

さつま町観光特産品協会HPより引用。
現在は壁も美しいビリジアン色に塗装されています

ほんのりエメラルドグリーンの硫黄泉。香りも上品で、何度も手に取って顔面に近づけた。紫尾神社本殿の下から湧いているらしく、まさに神ノ湯の名に相応しい名湯。あまりにもありがてえ

霧島市内に戻ってきた。R223を北上し、「クリーンマートあべ」にて食糧及び飲料(酒)を調達

この日の宿、霧島市「霧島湯之谷山荘」に到着

チェックインを済ませ、独特の語り口が印象的なおばさまに部屋まで案内された

通されたのは207号室。物干し竿がありがたい

ここまでの行程を考えると完全に入浴過多だが、まずはひとっ風呂とした

"そこそこの充足感"

廊下の説明書きにひととおり目を通す。湯守の矜持を、感じずにはいられないですよねえ

各所から引用したと思われる内容も、人間の手でびっしりと書き起こしている

脱衣所内の成分表

脱衣所の扉を開けると浴室の方から

「んアァ〜〜!気持ちよかね〜〜〜 !!」

と聴こえたので、元気なおっさん達だな…と思いながら浴室に向かった。

これなんですよ この浴槽

先客はおっさん1人しか居なかった。つまりこの男が、一時的に1人で開放的になってしまったということが判明した。
しかしひとたび沈没すれば、そのような声も思わずあげてしまいそうになるくらいの素晴らしい源泉。この湯に沈むことが、今旅の最も重要な目的の1つであった。

炊事場には自炊に必要な諸々がひと通り揃う。何故か調味料も完備

湯治場のトースターで魚を焼くのはやめましょう。

2日連続のローカルスーパー夕餉。黒霧島と共に頂いた

飲酒も落ち着いたところで再びの入浴。
奥は46℃の硫黄泉、手前は30℃前半の炭酸硫黄泉、中央は両方の源泉が流れ込む混合浴槽といった具合。交互浴が捗る

今回は独泉だったので、30℃の炭酸硫黄泉を多めに混合浴槽へ投入。己の心身が最も喜ぶ蠱惑的な不感温度に調整し、例外なく一定の域へ到達。

浴室内にも交互浴の薦めが掲示されていた。湯守の優しさを、感じざるを得ませんよねえ

そら(相当でかい)
つばき(でかい)

終浴後、宿のネコチャンに相手していただいた。
「そら」はもともと野良猫とのことだが、そうは思えないくらい毛並みが綺麗。「つばき」は何度も視線を向けてくれる人懐っこい後で、レンズにも興味津々で触れてきた。
写真では分かりづらいが、2匹ともなかなかに逞しい体躯。「そら」に関しては秀水湯のネコの2倍くらいでかかったように記憶している

そうこうしているうちに貸切風呂の予約時間になった。こちらは宿泊者専用で、熱めの硫黄泉を讃える露天風呂。湯巡りしてネコ吸いして酒飲んで…と、充実の1日を振り返りながら湯浴みした

続く

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