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スタートアップ老人として老害にならないための心得

現在、株式会社Morghtで人事とコーポレートを担当しているうおくらです。
ファーストキャリアはローソンですが、2017年からdely(現クラシル) → クラスター → 現職のMorghtとスタートアップ界隈で長らく働いています。
そんなスタートアップ界隈でもベテラン(老人)に差し掛かるようになってきた私がふと思ったことをテーマに記事を書いてみました。

■ 最近ふと思ったこと

気付けば、スタートアップ界隈に入って8年が経った。
大学時代のインターンを含めると、もう9年近くこの世界にいることになる。

もちろん、自分より長くこの界隈にいる先輩はたくさんいる。
ただ、スタートアップが今と違う働き方だった頃から関わっていた身として、最近ふと不安になる瞬間がある。

——自分は老害になってないだろうか?

※「スタートアップ」「ベンチャー」は厳密に使い分けていません。周囲でも混在しているためそのまま表記しています。
※歴史の話は、文献ではなく私自身の肌感覚ベースです。


■ 私が見てきたスタートアップ界隈のざっくり変遷

まずは、自分が関わってきた時期の変化を整理したい。
ビジネスモデル・資金調達・労働市場、それぞれが大きく進化してきた。

● ① インターネット黎明期〜スマホ前夜:憧れの時代

私がこの界隈に憧れたのは、この頃に生まれた企業の存在が大きい。

  • ブラウザ

  • 検索エンジン

  • 掲示板

  • オンラインゲーム

  • ネット広告

  • SNS

“インターネットそのものを形づくったスタートアップ”が次々に登場し、
カリスマ経営者が可視化され、「自分もこの世界で挑戦したい」と強烈に思うきっかけになった。

スマホが登場し、アプリとWebメディアが一気に伸び始めた時期でもある。


● ② 2012〜2019くらい:赤字上場 × 先にユーザーを取れの時代

スマホアプリ、webメディアが全盛のこの頃のスタートアップ界隈、自分が改めてスタートアップに挑戦したこの時代は

  • アプリもメディアもとにかくユーザーを先に獲得でマネタイズは後回し

  • 単年赤字でも大型調達

  • 「赤字で上場」は特に珍しくなかった

Web広告の伸長が背景にあり、
「ユーザーを囲えたら後から収益化できる」という思想が強かった。

労働市場では、「大企業 → ベンチャー」 がブランド化し、就活氷河期を乗り越えた世代が“どこでも通用する力”を求めてベンチャーに流れる構図も多かった。

また、赤字の状況なので待遇や福利厚生は充実しているわけではないのが当たり前で、ストックオプションに夢を見ることも多かった


● ③ 2020くらい〜現在:実力主義 × 黒字重視の時代

ここ数年、様々な変化が重なり、スタートアップの環境は変わったと思う。コロナ前後の市場環境の変化もあり黒字経営が求められるようになり、またプレイヤーの質も変わった。

  • 一度上場・バイアウトを経験した経営者やCxOが増加

  • 先輩経営者による新人経営者への失敗談の共有やアドバイス

  • 市場環境的にも“単年黒字”が強く求められる

  • 再現性・効率性・財務健全性の重要度が上昇

結果的に創業初期からコーポレート・HR整備に力を入れることスタンダードになり、その中でも力のある会社の福利厚生は大企業並み、それ以上になった


■ 老害になりかけていると気づいた瞬間

そんな時代の変化の中で、ふと自覚した出来事がある。

若いメンバーやスタートアップに挑戦したての人と飲んでいた時、
ついつい昔の“苦労話”を語りたくなる自分がいた。

しかも、その衝動が最近特に強い理由には、
スタートアップ界隈の“今の環境がかなり整ってきた”ことも関係している。

● 今のスタートアップは、以前よりより圧倒的に働きやすい

  • 経験者のナレッジが体系化

  • 組織づくりが初期から整備される

  • コーポレート・HRが機能している

  • ワークライフバランスを重視

  • 福利厚生は大企業以上の会社すらある

率直に言って、昔よりずっと健全だ。

そして、その環境で若手が成長していく姿を見ると、
つい過去の自分と比較してしまう。

● 比較すると、自然と口をついて出る“昔話”

私が転職したばっかりの頃は…

  • 赤字経営が当たり前、待遇は最低限

  • 給与も低く、野心一本で走るカルチャー

  • 土日関係なくSlackが動く

  • 組織づくりは後回しで、現場が全て

そんな時代の話を、つい若手にしてしまう。

「昔は福利厚生なんてほぼなかったよ」
「土日も普通に働いてた」
「初期メンバーは全員、命削ってた」

……と話して、ふと気づく。

——これ、自分が若手の頃、年配の上司に言われて嫌だったやつだ。

歴史や文化として語るのはいい。
でも、“こうあるべき”として語り出した瞬間、
それはただの押しつけになってしまう。

飲み会の帰り道、ちょっと背筋が伸びた。


■ 老害にならないための心得(自戒を込めて)

ここ数年、自分が強く意識していることをまとめてみる。

✔ ① 過去の成功体験を“絶対解”にしない

経験は知識であって、万能の正解ではない。

✔ ② 価値観をアップデートし続ける

今の若手は「違う世界」を生きてきた。
理解より否定が先に来たら危険。

✔ ③ 自分の専門領域だけに閉じこもらない

変化の速い世界で、学びを止めた瞬間に老害化が始まる。

✔ ④ 苦労話は“物語”として語り、押しつけない

過去は共有しても、価値観は押し付けない。

老害になるかどうかは年齢ではなく、姿勢の問題だと強く意識していきたい。


■ 今の会社に感じている“感謝”

ありがたいことに、今いる会社には良いバランスがある。

  • 過去の経験をそのまま活かせるシーンがある

  • 同時に、アンラーニングが必要な新領域にも挑戦できる

  • 「任される領域」と「学び直す領域」が共存している

この環境のおかげで、
私は“スタートアップ老人”にはなっても、
“老害”にはならずに済んでいるのかもしれない。


■ 最後に:この文章を見てハッとしたあなたへ

ここまで読んで、

  • 昔話したくなる自分にハッとした

  • もっとアップデートし続けられる環境がほしい

そんな“スタートアップ老人予備軍”のあなた。
よければ、弊社で新しい挑戦をしませんか?


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