構想と提言 https://thinkdays.jp/briefingpapers
AI拡大時代の電力・冷却・水・CO₂の問題AIの爆速な拡大は人類にとって初めての経験です。直近の課題としては、学習リソース不足や高性能半導体の供給をめぐる利権、なども当然ありますが、最も現実的に切迫した問題が「データセンターの増設とその環境負荷」です。この辺りを少し考えみようと思います。 ChatGPTが世界に公開されたのは2022年11月のことでした。それからわずか数年のうちに、世界中でAIサービスが爆発的に増加し、それを支えるデータセンターの電力消費量は急増しています
今夜も、保育器の中にいる赤ちゃんがいます1909年、世界で初めての母乳バンクがウィーンで産声を上げました。それから100年以上が経ち、いま世界66か国750か所以上に母乳バンクは広がっています。しかし日本では、この仕組みがまだ十分に根付いていません。 日本では年間約5,000人の早産児・極低出生体重児が母乳を必要としています。出生体重1,500グラム未満で世界に産み落とされた小さな命にとって、母乳は単なる栄養ではありません。母乳には、早産や極低出生体重で生まれた赤ちゃんの
発電する観覧車を建てたい話事業計画を考えてみた きっかけは単純な疑問でした。「ロンドン・アイみたいな大きな観覧車の中心に、風力発電の風車をつけたらどうなるんだろう」というものです。 現在風力タービン塔が立ち並ぶ山々や海上を、美しいと感じる人も、景観台無しだと感じる人も、さまざまな感想がある中で「発電する観覧車」というハイブリッドならどうなんだろう。観覧車は高いところに構造物があります。風も当たりやすい。それなら発電できそうじゃないか——そう思ったのですが、実際に試算して
自分の一票が生きるように選挙で1人の候補者を選ぶのではなく、自分の好きな順番に候補者をランク付けする。そんな新しい投票方法が世界で注目を集めています。RCV(Ranked Choice Voting)、日本語では優先順位付投票制度と呼ばれるこの仕組みは、従来の選挙制度が抱える様々な課題を解決する可能性を秘めています。 従来の選挙では、支持する候補者が1人しか選べないため、本当は支持したい候補がいても「死に票」を恐れて別の候補に投票するという戦略的投票が生まれがちでした。ま
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朝の公園に広がる見えない境界線朝の公園を歩いていると、私たちは一つの世界を共有しているように感じます。青々とした芝生、色とりどりの花々、遠くで聞こえる鳥のさえずり。しかし本当にそうでしょうか。あなたの隣を走り抜けていく犬は、同じ公園を見ているのでしょうか。木の幹を這い上がるアリは、私たちと同じ朝を経験しているのでしょうか。実は、この何気ない風景の中に、無数の異なる世界が重なり合って存在しています。それぞれの生き物が、自分だけの感覚器官を通して切り取った、独自の現実を生きている
言葉が歴史を変える2008年11月4日の夜、シカゴのグラント・パークには24万人もの人々が集まっていました。バラク・オバマが大統領選挙に勝利した歴史的な瞬間です。彼が壇上で語った「Yes We Can」というたった三つの言葉が、アメリカ全土で何百万人もの人々を投票所へと駆り立て、アメリカの歴史を大きく変えました。シンプルな言葉ですが、その力は計り知れないものでした。 それから45年前の1963年8月28日、今度はワシントンD.C.のリンカーン記念堂の前に25万人を超える人々
日本企業の生き残りをかけた事業再編現在の日本企業にとって、経営変革は一時的な対策ではなく、文字通り生存をかけた必然のプロセスとなっています。2025年上半期に記録されたM&A総額34兆1200億円という驚異的な規模は、日本企業がもはや従来の延長線上で経営を続けることができなくなり、資本政策や事業ポートフォリオを根本から見直さざるを得ない局面に追い込まれていることを如実に物語っています。経済産業省の調査資料でも、この変革の必要性が繰り返し強調されており、企業規模を問わず経営戦略
南鳥島という最果ての島東京から約1800キロメートル。日本最東端に位置する南鳥島は、太平洋の真ん中に浮かぶ孤島です。周囲わずか7.8キロメートル、面積1.51平方キロメートルという小さな島は、三角形の形をしたサンゴ礁の島で、最高地点でも海抜わずか9メートルしかありません。島全体が平坦で、周囲を白い砂浜が取り囲んでいます。この島には一般住民は住んでおらず、海上自衛隊と気象庁の職員約30名が交代で勤務しているだけです。民間の定期船も定期航空便もありません。補給は海上自衛隊の輸送機