会社の魅力が見つからないとき、僕は「価値」ではなく「文脈」を見にいく
先日こんなコメントをいただきました。
「会社の魅力がうまく伝わっていない状態から脱却するには、最初に何をしますか?」「クライアントから“うちには特に魅力なんてないんです”と言われた時、どうやって魅力を引き出しますか?」
とてもよく聞かれる質問です。
せっかくなのでこの質問に対してnoteを書いてみたいと思います。
「魅力がない会社」というものは、本当に存在するのだろうか。
多くの場合、「魅力がない」と言われている会社は、単に魅力が見えていないだけだったりします。
そしてもう少し正確に言うと、
「魅力がない」のではなく
「価値の文脈が整理されていない」
という状態であることが多いです。
魅力と価値は、ほとんど同じものだと僕は考えています。
人は「魅力」に惹かれて商品や会社を選びます。
でも、その魅力の正体を分解すると、
ほとんどの場合それは価値です。
言い換えると、人は価値に魅力を感じて選んでいます。
だから最初の質問を少し言い換えると、こうなります。
「会社の価値がうまく伝わっていない」
「うちには特に目立つ価値なんてない」
つまり問題は魅力ではなく価値の話なんです。
価値は「変化」から生まれる
僕はよく、価値とは変化のことだと考えています。
たとえば喉が渇いているとき、
コンビニの水にはとても大きな価値があります。
でも喉が渇いていないときは、
その価値はあまり感じません。
水そのものが変わったわけではなく、
状況が変わることで価値が生まれているんです。
つまり価値とは、「何かを所持すること」ではなく
「誰かの状態を変えること」なのだと思います。
人が価値を感じる瞬間
人は「こうありたい」「こうなりたい」「この課題を解決したい」という状態のときに、その変化を生みそうなものに価値を感じます。
たとえば、忙しい人にとっては「すぐ届くサービス」が価値になります。不安な人にとっては「丁寧な説明」が価値になります。初めての人にとっては「わかりやすさ」が価値になります。
同じ商品でも、誰にとってかによって価値は変わるんです。
会社の魅力を伝えたいとき、
僕が最初に確認するのはとてもシンプルです。
それは「誰にとっての変化なのか」です。
・誰の
・どんな状況を
・どんな状態に変えているのか
これが見えてくると、
会社の価値はだんだん輪郭を持ちはじめます。
「価値がない」と感じてしまう理由
多くの会社が「うちには価値がない」と感じてしまう理由も、だいたいここにあります。
それは、不特定多数にとっての価値として考えてしまうこと。
つまり、「誰にでも魅力的じゃないといけない」という前提です。
でも実際には、すべての人にとって魅力的なものはほとんどありません。
むしろ、特定の誰かにとって強く価値があるものの方が結果的に選ばれることが多いです。
もうひとつよくあるのが、本来ライバルではない会社と比較して「自社には価値がない」と感じてしまうケースです。
たとえば地域のお店が、
全国ブランドと比較してしまったり。
小さな会社が巨大企業と比較してしまったり。
でもそれは同じ土俵ではないことが多いんです。
大きな会社には大きな会社の価値があり、
小さな会社には小さな会社の価値があります。
比較する相手を間違えると、
本来の価値は簡単に見えなくなります。
魅力は探すものではなく、文脈で見えてくるもの
僕がクライアントに最初にするのは、
特別な質問ではありません。
むしろ、とても素朴な問いです。
・誰がよく買ってくれていますか
・その人はどんな状況ですか
・なぜ他ではなく御社を選んでいるのでしょうか
こうした話をしているうちに、
だんだん見えてくるものがあります。
それは「この会社がつくっている変化」です。
その変化が見えたとき、はじめて「会社の魅力」
と呼ばれるものが言葉になっていきます。
だから僕は、魅力を探そうとはあまり思いません。
まずは「誰の、どんな変化をつくっているのか」
その文脈を整理していくだけです。
そうすると「魅力がないと思っていた会社」にも、
ちゃんと輪郭が現れてくることが多いんです。
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