[言葉の昭和史]昭和44年『アッと驚くタメゴロー』[1557文字]
1969年(昭和44年)の流行語です(◉_◉) 。
同年にテレビ放送されたバラェティ番組『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』で、クレイジーキャッツのリーダー、ハナ肇がヒッピーに扮し、コントとコントのつなぎに登場して、『アッと驚く、タメゴロ~』と言う、それだけのことなのですが、お茶の間に受けて子供たちの間で流行語になったそうです(◉_◉) 。
番組プロデューサーのひとり、井原高忠氏は著書で以下のように記しています。
ハナ肇が「アッと驚く、タメゴロー」をやったでしょ。
あの役割は最初は勝新太郎さんにやってもらうはずだったの。
『ラフ・イン』でそういうのがあるんですよね。
ナチスのヘルメットをかぶった男が草むらから出てきて、ひと言、「ベリー・インタレスティング」って言う。
それをぼくはやりたかった。
ところが勝新太郎さんは、ある製薬会社のCMに出演されていて、『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』のスポンサーは武田製薬ということで、競合メーカーどおしだからダメになったそうです。
今ならそんなことは気にしないと思うのですが、当時はスポンサーに気をつかっていたのでしょうね (◉_◉)。
それで、ハナちゃんになったんだ。
ハナちゃんの前に、西村晃さんでやろうと思ったこともあったんだけれども、これは「いやだよ」って断られた。
なんで西村晃さんを知ってたかって言うとね、例の『のり平のテレビ千一夜』に出ていたから。
まだ無名のころで泥棒の役なんてやってたんだけれど、面白かった。
そういうツテもありましてね。なんとなく西村晃がさあ、あんな電気ショックかけられたみたいなかつらかぶってなんか言ったら、おかしそうじゃない?
しかし、ハナちゃんだからヒッピーになったけれど、勝新さんだったら座頭市でしょうね。
「いやな渡世だねえ」とかなんとか言うことになってたんだろうねえ。
とはいえ、ハナちゃんは、とてもヒッピーには見えないからね。なんだかわからない。でも実は全然意図なんかなかったんだ。
とにかく珍妙で人目を引けばよかった。
しかし「ダメゴロー」と「ゲバゲバピー」のアニメは印象に残ってるらしいねえ。
[略]
ハナちゃんがマージャンかなんかでやっていた時に言ったのをもらったんだ。
なんと勝新太郎さんだけでなく西村晃氏にも話をしてましたか (◉_◉;)。
西村晃さんが断らなかったら、ハナ肇さん「の「アッと驚く、タメゴロー」はテレビに流れなかったわけですね。
とろこで、ハナ肇さんが、なぜ麻雀で、「アッと驚く、タメゴロー」と言っていたかと言うとー。
このタメゴローとは、『先代・広沢虎蔵の浪曲「次郎長外伝」の「石松代参」の中にちらっと登場する、本田村の為五郎』のことです。
次郎長が都鳥一家をやっつけた時に、次郎長を騙したのがこの為五郎なのだそうです。
ハナ肇さんが言うには『ぼくは浪曲が好きで、この為五郎が頭にこびりついていた。図太い為五郎も、アッと驚くようなすごい手を作ったということで、よくマージャンの時に使っていたんです』とのこと。
(『流行語新雑学事典」 中江克己:著より)
浪曲「次郎長外伝」の「石松代参」にちょっと登場する為五郎が、流行語になるとは、まさに「アッと驚く、タメゴロー」 (◉_◉)。
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