《読書感想文》殺戮にいたる病 (我孫子武丸 著)
永遠の愛をつかみたいと男は願った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。
見事に騙されました。悔しくて、もう一度読みました。
この家には5人住んでいるんです。
稔の母
その子 稔(大学教授)
その妻 雅子
子 信一(大学生)
子 愛
雅子の話に出てくる息子を、ずっと『稔』だと思って読んでいました。
最後の最後に、分かるんです。
犯人は父親の方だ!と。
途中に「アレ?」と思う部分はあるんですが、見抜けませんでした。
ホラーとは違うかなと思いましたが、猟奇殺人なので、その部類に入るんですかね。
父親を息子に、息子を父親に誤認させるという一点に絞って、叙述トリックが仕掛けられている。
正直に言うと、とても怖くて、気持ちがざわざわする作品でした。
でも同時に、「そう来るのか」と驚かされる衝撃の結末があり、読んだあとしばらく頭から離れません。
■ 読んで感じたこと
この物語は、連続殺人犯をめぐる話ですが、ただのミステリーではありません。
◇犯人の行動が生々しくて、読んでいて苦しくなる
◇人の心のゆがみや弱さがリアルに描かれている
◇「普通」に見える人の中にも狂気があるのでは、と考えさせられる
そんなふうに、人間の怖さを強く感じました。
■ いちばん印象に残るところ
やはり最後です。
それまで読んでいた内容の見え方が、一気にひっくり返る感覚があります。
「え、そういうことだったの?」と驚くと同時に、
もう一度最初から読み返したくなる作品でした。
「面白い」というより、
「忘れられない」タイプの小説だと思います。
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