「簡単ではない。でも一週間で終わらなかった」ねこともやまなしのマンスリーサポーター募集の挑戦
寄付募集をやりたい。でも、あの忙しさをもう一度やれるだろうか。」
ひとりでクラウドファンディングを回した経験がある人ほど、この迷いは深くなります。
猫の保護活動を続けるNPO法人ねこともやまなし代表の益田陽子さんも、現場を回しながら発信し、ページを整え、声をかけ続ける難しさに向き合っていました。
「募金箱に入れていただいた1円玉を、何万枚も数える。窓口に持っていく前に金額を出して、手数料を取られて……。ありがたいはずなのに、なんだか腑に落ちない。」
ねこともやまなしは、山梨を拠点に、保護が必要な猫たちを受け入れ、治療し、里親につなぐ活動を続けています。日々の現場では、猫の医療やケア、環境整備など、目の前の命に向き合う判断が絶えません。
一方で、活動を続けるには医療費や消耗品など、毎月必ず発生する費用があります。活動は待ってくれない。医療費と消耗品は毎月かかり、物価は上がる。けれど現場は、いつも手いっぱい。
そこで今回、月500円から参加できるマンスリーサポーター募集に挑戦。目標は100人で結果、124人の方に応援をいただいた。SNSでの発信に加え、特に力になったのは、関係性を大切にしながら一件ずつ丁寧に情報を届けたことでした。
この記事では、キャンペーンまでの困難と意思決定、そして終了までのプロセスを代表の益田さんの言葉で辿ります。
キャンペーン概要
・期間:48日間(約1ヶ月半)
・増加したマンスリー支援者:+124人
・平均単価:1,640円
・増加金額:約20万円/月

「簡単ではなかった」いちばん大変だったのは土台づくり
実際のところ、簡単ではなかったですね。本当にSyncableや他のスタッフに助けていただいたりとかで、なんとかやれた形でした。
一番大変だったのが、やっぱり「土台を作る」部分でした。見てもらえるようなページを作っていくプロセスです。
活動をしながら、その活動を報告するっていうところが、やはりね…活動がメインになっちゃうので。“今日これがこうなって、ああなって”っていうのを、リアルタイムに発信するのが難しかったです。
活動の量が山のようにあるからこそ、伝えきれないもどかしさもありました。
「腑に落ちない」募金箱の現実が背中を押した
募金活動にこれまでたくさんのご協力をいただいてきましたが、回収する時間と労力がかなりかかってしまうのと、今、小銭って口座に入れるのにもお金がかかったりとかしてしまうんです。計算して持っていっても、手数料が取られてしまう。
このプロセスを辿る中で、腑に落ちない感覚がありました。もう少し負担のない募金活動ができたらいいなと思って探していく中で、Syncableにたどり着きました。私たちが希望している資金集めの形にあっていそうでした。

「50人くらいかな」から目標が100人に変わった瞬間
今回は本当に初めてのことだったので…始める前は、何もわかっていなかったのが正直なところです。当時は20人程度の方々にサポーターになっていただいていました。毎月かかる管理費と、絶対かかる消耗品とか含めると、毎月莫大な金額が必要になるのです。だからこそ早く捻出しなければって気持ちの焦りもありました。
ただ、Syncableさんに「ねこともやまなしさんだったら大丈夫です」と背中を押していただいたので、最初は50人程度でも難しいと思っていたのですが、100人の目標達成を目指して頑張れました。
いちばんの壁は、忙しさと何を伝えるか
忙しいっていうのが、やっぱり一番のハードルでしたね…。
今日何をあげればいいのかな、とか。
大変な活動を報告するやり方なのか、それとも日頃の生活を見せるのがいいのか。
ただ、悩みながらも初めての取り組みであるからこそ、「やってみて見えてくるものがある」と信じて、上げ続ける、発信し続けることを意識しました。
“グンッ”と伸びたのは、個人に届いたとき
期間中一番伸びたのは…個別に丁寧に届けたメッセージが届いた時。“グン”って伸びましたね。
団体にとって身近な人たちを思い浮かべながら、一つ一つ丁寧にメールを送っていきました。
「本当は一斉でやりたい」と思いながらも、結果として一件一件送ったことが力になった実感も残ります。ボランティアさんにも協力をいただきながら、かなり苦労しましたがやり切りました。

個別連絡で大事にした言葉
こだわりすぎず、ありのままを伝えることを意識しました。
「今、お家で幸せになっている子たちがいるのは、こういう活動のもとで、今のご縁がある。本当にありがとうございます」という声が返ってきたり、関わりが直接現在ない人でも、「外で過酷な生活を送っている猫たちを一匹でも救ってくれてありがとうございます」という言葉をもらい...
何か支援したいけどボランティアのようには動けない人の背中を押す、「別の参加の形」としてのきっかけになったのではないかと思っています。その方の想いも含めて月500円の意味はかなり大きいものになっています。
「こんなに応援してくれる人がいるんだ」終えて残った変化
これだけの人たちが、サポートしてる、応援したいなっていう人たちがいるんだっていうことを改めて実感することができました。
猫のことだけでなく、「益田さん大丈夫ですか」という声にも素直に「ありがとうございます」と。そこも心配や気にしてくださる方がいることは本当に感謝だなと思いましたね。
やはり医療費や消耗品はまだ大きいんですよね。
なので、第一歩として、今回目標を超える人数の方にサポーターになっていただけたことは本当に大きかったと思っています。

「一週間で終わらなかった」伴走が支えた継続
知恵の“手順”っていうんですか。そこを教えてもらいつつ、それだけでなく、やり切れる理由がありました。
私たちは「支援募ろう、頑張ろう」って言っても、結局一時的な熱量で終わってしまって。多分一週間ぐらいで止まってしまっていたと思います。
Syncableさんが入ったことによって、常に背中を押してくれるというか、“こんなにやり方もあるんだな”って勉強させてもらいました。忙しい中でも、いろんなアドバイスをいただいて、この伴走支援があって本当に助かりました。
「心苦しさ」は消えない。それでも相手を大事にして声をかける
「お金ください」っていうのがすごく心苦しいなと感じていました。
なので私たちは今あるお金で、自分たちができる範囲でやろうと言って活動を始めたんです。その中でもちろんできることもあるんですけど、それでも皆さんの力添えをいただかないと活動が広がらないなと思っていました。
ただ、実際には、一人ひとりの事情も全く違うということに気づきました。
できるだけ誠実に対応できるように気をつけました。連絡をしてみると事情をお話いただけたり、お返事をいただけるこの関係性があるからこそ、今後も大事にしていきたいと思っています。
次にやりたいこと:「猫と触れ合える場」もいつか
猫ちゃんに触りたい、触れたいって要望の人たちも結構多いことに気づきました。
そういう建物、そして空間を作れたらなと今は思っています。触れ合ってもらえることで繋がれることもあると思っています。
またそのための支援を募って、猫ちゃんと触れ合いながら里親さんを募集できるような場もいつか実現できたら良いなと思っています。

編集後記
改めて、益田さんのお話を伺い、寄付募集の必要性と、そこに向き合う葛藤のリアルを強く感じました。
募金箱の現実、活動の忙しさ、伝えきれなさ、そして心苦しさ。現場には、目に見えにくい負荷がたくさんあります。
それでも今回、益田さんたちは丁寧に情報を届けるという選択をして、寄付募集の一歩を踏み出しました。
そして何より、「応援してくれる人がこんなにいる」と実感できた瞬間の、噛み締めるような表情。嬉しさの中にも迷いがにじむ、その姿がインタビュー中とても印象に残りました。
保護する。つなぐ。見守る。
その続きをつくるために、マンスリーサポーターという支え方がある。
ねこともやまなしの挑戦は、そのことを確かに教えてくれたのではないでしょうか。
Syncableの伴走支援
Syncableでは、非営利団体さまの状況に合わせて、寄付集めの戦略づくりからキャンペーンの準備〜実施までを伴走する支援プログラムをご提供しています。
成果報酬型(集まった金額に応じて費用が決まる)なので、はじめての取り組みでも進めやすい形です。支援の過程で、進行に必要なテンプレートや資料の提供も行います。

◼︎こんな団体におすすめ
初めてなので、一通り経験しながら進めたい
ファンドレイジングの体制を団体内に作っていきたい
新しい情報や手法を取り入れたい
“ペースメーカー”として進行を支えてほしい
◼︎サポート内容(例)
・事前準備(企画設計/目標設計/ページ作成・文章整理)
・実行中(進捗確認/打ち手の整理/次のアクション壁打ち)
・終了後(データを活用した振り返り/次回に向けた改善点整理)

“何が正解かわからないまま一人で進める”状態にならないよう、設計と意思決定を一緒に整理しながら進めます。
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