夢が叶わなくても何とかなると思えるエッセイ
子供の頃は医者になりたかった。
大学は医学部を目指して結構勉強した方だ。
しかし、その夢は叶わなかった。
ぼくは大学を卒業して、普通のサラリーマンになった。
就職したのは建設会社。
建設現場でいくつもの橋を架けてきた。
宿舎に泊まり込んで、毎日現場に出る。
暑くても寒くても関係ない。
医者とは似ても似つかない仕事だ。
ぼくは医者になれずに、毎日失意の中で現場仕事をやっていたのか?
そんなことは、全くと言っていいほどなかった。
自分で橋を架ける。
それが形になって残こり続ける。
やり甲斐のある仕事だ。
毎日、楽しく仕事をさせてもらった。
しばらくして配置換えになり、橋の設計の仕事をするようになった。
せっかく現場の仕事に慣れたのに、現場から会社の中に缶詰になるのか、やってられない・・・
なんて、微塵にも思わなかった。
毎日深夜まで残業し、休日も休めないことが度々あった。
それでも、成長していく自分が楽しくて仕方がなかった。
今度は転職して、橋の維持管理の仕事をするようになった。
新しい橋を架ける仕事がしたかったのに、古びた橋の調査をする仕事なんて、面白くも何ともない・・・
なんて、一瞬たりとも思わなかった。
毎朝目覚めるのが待ち遠しいかった。
仕事に行ける、そう思うだけでワクワクが止まらなかった。
自分で言うのも恥ずかしいが、人ではなく橋の治療をする医者みたいな仕事をしている。
子供の頃に見た夢は叶わなかった。
しかし、夢見た仕事とは違う仕事をしてみれば、苦しいことばかりだったが、その苦しさを乗り越えることが、楽しいと思えた。
いろいろな仕事をやってみた。
何も知らない素人のぼくが、一つ一つ仕事を覚えて、成長していけることが楽しくて仕方がなかった。
挫折と言えるほどの挫折ではないし、新しい夢と言えるほどの夢ではないが、ぼくの人生は凹むことなく何とかやってこれた。
決して自分の力ではなく、厳しくも優しくぼくを教育してくれた人生の先輩たちがいた。
ぼくは彼らを目指して仕事に熱中すればするほど、新しい目標ができて、定年退職をするまで追い続けることができた。
本当に先輩たちには感謝している。
これからのぼくにできること・・・
ぼくが後輩たちの目標になることだ。
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小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。