フリーランス×俳優。やりたいことをすべて叶える持続可能な働き方
「好きを仕事にしているあの人の物語」をテーマにインタビュー記事を投稿する「one's story」。
5本目となる今回は、私の所属している「書く」仕事をたのしく続ける『Marbleコミュニティ』のメンバー・水元琴美さん(以下、こつさん)にオンラインインタビューを行いました。
IT企業でのエンジニア職からフリーランスライターへ転向し、俳優の道も歩むこつさん。まったく異なる2つの職種をどのように両立させているのか。二足のわらじを可能にする時間術や、今後目指す姿などを伺いました。
プロフィール
水元琴美(こつ)
四国育ち埼玉在住。フリーランスライター、俳優。スポーツテック企業・株式会社TENTIALで半年間のメディアディレクターインターンを経験したことをきっかけに「書く」ことを始める。ドラマ、舞台、映画、写真が好き。特技はアクロバット。
取材ライターと俳優活動をこなす、二足のわらじ生活

——まずは、自己紹介と現在のお仕事内容を教えてください。
ライターと俳優をしています、水元琴美です。
現在はフリーランスで取材ライターをしながら、俳優としても活動しています。ほかにもSNS運用や写真撮影のお仕事をすることも。俳優としての活動は、舞台に出たり、ショートムービーやWeb広告に出演したりしています。
——こつさんのこれまでの経歴をお伺いしたいのですが、新卒ではどのようなお仕事をされていたのですか?
新卒で入社したのは、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)事業を扱っている会社でした。
具体的には、アプリケーションを作ることでクライアントの課題や悩みごとを解決する、ソリューション開発会社です。その会社の開発部門でエンジニアの卵として、プロジェクトを管理したり、仕様書を書いたりしていました。
——かっこいいですね!なぜ新卒でそのような方向性の会社を目指されたのですか?
理由は2つあります。
1つは、もともとロードレースをやっていたので、もっと安心して走れる社会になればいいなと思い、ITSに関わる会社を選びました。
もう1つはIT系の企業に憧れていたからです。大学時代インターンをするまで、小売業でのアルバイト経験しかなく、周りに楽しそうに働いている社員さんが少なかったんです。
対してインターンでスタートアップのテック企業に入ってみると、社員さんが熱量をもって仕事に取り組んでいて、「この会社をよくするんだ!」「社会を変えるんだ!」と意気込みを感じたんです。
それで「IT企業ならこういう風土があるのでは」と思い、入社を決めました。
——IT企業勤務からフリーランスへ転身されたきっかけは何だったのでしょうか?
よりいっそう俳優業に力を入れていきたいと思ったことがきっかけです。
お芝居の世界に飛び込んでから1年弱が経過しているのに、何も動けていない自分に焦りを感じて……。何かを得るには、あきらめることも必要だと考えて、会社員の道を捨ててフリーランスに転身しました。
とはいえ、俳優一本でやっていくのは正直まだまだ難しかったんです。そこで、大学時代スポーツ系テック企業のWebメディア部門でディレクターをやっていた経験があったので、フリーランスライターとして生計を立てていくことを決めました。
——フリーランスの駆け出しのころはどのように案件を獲得されていたのですか?
クラウドソーシングサービスを利用したり、読者ライターに応募したりしていました。学生時代のインターンのメディアの経験や、個人のnoteをポートフォリオにして、営業していましたね。
命のタイムリミットを感じ、歩みはじめた俳優の道

——こつさんが俳優を目指されたきっかけを教えてください。
幼いころから俳優に憧れがありました。2010年放送のテレビドラマ『Mother(マザー)』に影響を受けたんです。それからお芝居に興味がわいて、書店の演劇のコーナーで演出家の書籍や戯曲・脚本に触れて、どんどんのめり込んでいきました。
でも当時は「田舎の小娘が俳優を目指すなんて……」「私は体育会系で俳優を目指すキャラではない」と自分に自信がもてませんでした。
——それでもチャレンジしたのは、何かきっかけがあったのですか?
大学生のころ、母の年齢が祖母(母の母)が亡くなった年齢を超えたことを知ったときに、命のタイムリミットをひしひしと感じました。もしかしたら自分もすぐに死んでしまうかもしれない、と。
それならやりたいことは全部やろうと思い、やりたいことリストの1つにあった俳優を目指すことを決めました。
そこで、「お芝居を学ぶならここ」と決めていた芸能事務所トライストーン・エンタテイメントの研究所に入りました。最初はただただレッスンを重ねる日々でしたが、オーディションをきっかけに初舞台を踏んだのが俳優人生のはじまりです。
——舞台となると、セリフ覚えや稽古など大変なイメージがあるのですが、ライターとの両立はどうされているのですか?
フリーランスとしての生活は普段とあまり変わらないですね。取材などは難しいのですが、執筆は時間を問わずできるので。とはいえ、稽古時間や作品について考える時間が増えるので時間の作り方に工夫は必要になります。
ただやはり、舞台に出演するとなると、多くの人はその期間を俳優の活動だけに捧げているのが現状です。ほとんどの駆け出しの俳優はバイトで収入を得ている反面、舞台への出演が決まると稽古があるのでバイトの収入が減ってしまいます。
舞台のギャラだけでは到底生活できないので、舞台に出れば出るほど困窮してしまうのが、現在の演劇界の課題だと感じています。もちろん、これは俳優に限った話ではなく、スタッフや劇団主宰も同じだと思います。
ライター×俳優を実現するための時間術

——ライターとして活動するかたわら、俳優としてエンターテインメントのインプットやアウトプットをするのに工夫されている点はありますか?
隙間時間を活用しています。移動中や、お風呂に入るとき、ごはんを食べるとき、メイクをするときなど、常に目の前にスマホを置いて観ています。
——メイクをしながらも!?すごいですね!
そうですね。もちろん楽しんで観ていることもあるのですが、勉強として観ている一面もあります。とはいえ、娯楽のひとつであるので、ご褒美タイムを設けてそこで観ることもあります。
——月にどのくらいの量のドラマや映画を観ていらっしゃるのですか?
ドラマは1クール(3ヶ月)平均8本くらいですね。映画は、劇場公開のものは月に3〜4本。オンデマンドだと流し見も含めると8本くらいです。
——インプットの量がすごいですね!時間の管理はどのようにされているのですか?
カレンダーアプリを利用して、予定をブロックして管理しています。例えば、執筆に7時間、修正に1時間など正確に時間を測れるようになったので、その分をスケジュールに組み込む形です。「この日の何時から何時は何々の執筆のここまでを終わらせる」のようにぴったり時間割を組んでいます。
その合間にドラマや映画、舞台の予定を入れていますね。毎週土曜日にアクロバットの稽古があるので、その前に映画館で観たい映画を観るようにしています。
——時間の使い方が素晴らしいですね!たくさんのインプットを、どのようにご自身の表現の糧にされているのですか?
観劇した舞台を参考にしていることが多いですね。俳優さんのお芝居はもちろん、どの瞬間に自分の心が動くのかを観察するようにしています。自分の感情が演出で動いたのか、熱量で動かされたのか。
私は演出家ではないけど、俳優も演出プランをもっていないといけないので、そういう面でとても参考にしています。
あとはお芝居のワークショップに通ったり、人と話したりすることも大切にしています。所属しているライターコミュニティ『Marble』を活用して誰かと話したり、俳優の友達と戯曲について語ったり。
先日も夜の9時から深夜2時まで、戯曲を読んだ感想や社会に対しての思いなどを話していました(笑)。
ライター×俳優の道を歩むこつさんの夢とは

——こつさんが今後目指される姿はどんなイメージですか?
ライターでいうと、今やっていることをベースに興味のあることを全部やっていきたいです。
現状ビジネス系の記事が中心で事実をありのままに書くことが多いのですが、人の考え方や思いなど抽象的な話題に興味があるのでその方向性でも書けたらと思っています。具体的には女性のキャリアなどのジャンルにチャレンジしてみたいです。
それから、映像クリエイターの方にも取材してみたいですし、小劇場公演の広報もやってみたいです!
——挑戦したいことがたくさんあるのですね。ちなみに取材してみたい映像クリエイターの方はいらっしゃるのですか?
酒井麻衣監督ですね。
女性の監督なのですが、単純に作品が好きというのもありますし、現場もとても素敵で。映像の制作現場ってとてもハードなのですが、そんな中でもやわらかくいられる方なんです。ぜひ一度お話を伺ってみたいです!
——最後に、俳優としての今年の目標を教えてください。
目標にしていることは2つあります。
1つは私の愛するムシラセという劇団の作家 / 演出家・保坂萌さんの作品に出たいなと思っています。昨年から掲げている目標で、オーディションを受けたり、いろんなところに足を運んでアタックしたりしているので、今年こそは叶えたいです。
もう1つは、これまで以上に映像作品でがっつりお芝居をしてみたいと思っています。今まで私がやってきた映像のお仕事は、Web CMや広告系が多かったので。しっかりお芝居の経験を積んで、最終的には朝ドラに出ることが夢です。
そのためにも、お芝居の実力を磨くだけでなく、人間「水元琴美」としても魅力的な存在にならなければいけませんね。
編集後記
「話すのがあまり得意じゃなくて……」とおっしゃっていたこつさんでしたが、真剣に考えながら話してくださる姿が印象的でした。やりたいことを叶えるためにさまざまなことを工夫されていて、私も取り入れたいと思う術がたくさんありました。
今後のなりたい姿も明確で、ライターとしても俳優としても、これからのこつさんの活躍がとても楽しみです。貴重なお話をありがとうございました!
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