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047 自動車生産のグローバル化 - 生産・販売・輸出の推移

日本の製造業にとって自動車産業は最も重要な産業の1つと言えますが、日本メーカーの生産、販売、輸出台数の変化を見ると意外な事実が見えてきます。


1. 自動車の国内生産と販売、輸出

この記事では日本の自動車産業の生産、販売、輸出における統計的な変化をご紹介したいと思います。

日本の製造業でも、特に自動車産業は極めて重要な産業と言えますね。

国内経済という目線で見た場合、実際のところはどうなのか、今回は生産や販売台数の統計データを見ていきたいと思います。

日本 自動車 生産・販売・輸出
日本 自動車 生産・販売・輸出

図1 日本 自動車 生産・販売・輸出
(日本自動車工業会 統計・資料より)

図1が日本の自動車の生産・販売・輸出台数をまとめたグラフです。

まず、生産台数(青)は、1990年代の1200万台近くから800万台弱へと減少傾向にあることがわかります。

特にリーマンショックで大きな減少があり、その後もリーマンショック直前の水準まで回復していない状況なのがわかります。
2020年のコロナ禍でまた一段減少していますね。

販売台数(赤)も700万台程度から500万台弱へと減少しています。

日本人が自動車を買わなくなったなどともいわれていますが、国内販売はこれだけ縮小していることになります。

輸出(緑)についても1980年代後半の700万台程度から、近年では400万台弱へと減少している状況です。

日本の自動車メーカーの国内での事業が、一時期より縮小している様子がわかります。

2. 自動車の海外生産

自動車メーカーの国内活動が縮小する一方で、海外活動はどうでしょうか?
自動車産業は、生産の海外生産が進んできた分野でもありますね。

日本 自動車 海外生産 地域別
日本 自動車 海外生産 地域別

図2 日本 自動車 海外生産 地域別
(日本自動車工業会 統計・資料より)

図2が日本の自動車メーカーの海外生産の推移です。

1998年には500万台ていどだったのが、2018年には2000万台に達しているという急成長ぶりです。

北米や欧州でも増えてはいますが、それほど極端ではありません。
大きく増大しているのがアジア圏での生産です。
1998年には120万台程度だったのが、2018年には1140万台と10倍近くに拡大しています。

海外生産した自動車は、日本へ逆輸入するよりも、進出先国か、そこからさらに外国へと輸出されますね。

生産活動に伴う付加価値(GDP)や、進出先国で雇用した人件費はその国に加算されます。

企業(メーカー)目線で見た場合と、国内経済目線で見た場合で、海外生産の印象が全く異なるのは興味深いですね。

3. 国内生産・海外生産の逆転

このように、自動車産業は国内事業の縮小と、海外生産の拡大が並行して進んでいるようです。

日本 自動車 生産
日本 自動車 生産

図3 日本 自動車 生産
(日本自動車工業会 統計・資料より)

図3が、国内生産と海外生産の推移をまとめたものです。

2008年のリーマンショックあたりで逆転し、2011年の東日本大震災を機に海外生産が一気に増加しています。

2019年のコロナ禍の影響も大きく受けている事がわかりますね。

2018年の状況では、国内生産が1000万台弱、海外生産が2000万台弱ですので、約2倍に差が開いたことになります。

4. 自動車の生産・販売の特徴

今回は自動車産業について国内事業と海外生産の推移をご紹介しました。

国内の販売が縮小し、それに伴って国内生産も減っているように見受けられます。
一方で海外生産は大きく増加し、すでに国内生産の2倍に達しているというのは驚きですね。

当然ですが、海外生産による付加価値の創出は日本のGDPにはなりません。
海外子会社(つまり外国企業)での生産となりますので、海外のGDPとなり、海外の労働者が働きます。

日本の自動車メーカーの利益は、配当金などの営業外収益として嵩増しされますが、従業員への還元というよりも、株主への配当金や海外への再投資に回る事になりますね。

皆さんはどのように考えますか?

参考:最新データ

(2025年7月追記)

自動車 日本 国内生産・国内販売・輸出・海外生産

図4 自動車 日本 国内生産・国内販売・輸出・海外生産
(日本自動車工業会 統計・資料より)

2024年まで延長した、日本の自動車の国内生産・国内販売・輸出・海外生産が図4です。

2023年にはコロナ禍前の水準近くまで回復したものの、2024年はいずれも減少しています。

2025年は米国の関税問題などもあり、大きな変化が予想されます。


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