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映画 “7つの会議”を観て。

こんにちは。徒歩です。
たまには社会派な映画もいいですよね。
という事で、今回観た映画はこちら。

原作、池井戸潤。監督、福澤克雄。主演、野村萬斎の社会派ドラマ。
“7つの会議”です。

7つの会議
2019年 日本
1時間59分

あらすじ:
テレビドラマ化もされた池井戸潤の同名企業犯罪小説を、野村萬斎主演で映画化。中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。八角役を自身初のサラリーマン役となる萬斎が演じ、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、立川談春、北大路欣也といった池井戸ドラマ常連俳優が顔をそろえる。監督は「陸王」「下町ロケット」「半沢直樹」など、一連の池井戸ドラマの演出を手がけた福澤克雄。

映画.comより

半沢直樹、下町ロケット等のヒット作を作り出した、池井戸潤×福澤監督の映画です。

働き方改革というのが昨今、叫ばれていますが、それよりちょっと昔の、全体主義的な日本企業の姿(価値観)が、この映画に描かれています。会社の為、自分の為にメチャクチャなノルマを課され(課し)ながら、その中で戦っていく男達のドラマです。

配役もアクの強そうな、おじさん達ばっかりですが、迫力があります。

すごく豪華じゃないですか?
この俳優陣。

中堅メーカー、”東京建電”の、鬼の営業部長:北川役に香川照之。北川の直属の部下で、トップセールスマンの課長:坂戸役に片岡愛之助。東京建電の親会社、”ゼロックス”の社長:”(通称:御前様)”役に北大路欣也の配役は、そのまま半沢直樹の世界観を感じさせます。

そんなアクの強い人物たちが、うごめく中で、社内政治に我関せず、一人ひょうひょうと生きている八角(野村萬斎)がかっこいいです。(※この人も結構アクは強めですが)

八角は、自身の勤務怠慢と態度を、上司の坂戸に叱責され、やってもやらなくてもいいような仕事を連日押し付けられます。しかし、八角は淡々と業務を済ませ、定時に仕事を終え、まだ働いている社員達を尻目に、帰宅してしまいます。

そんな態度に、坂戸は次第にいら立ち、八角への叱責と業務の押し付けは、日々エスカレートしていきます。

ある日、坂戸は、八角に、当日には終える事のできない量の業務を押し付けます。しかし八角は、途中ま仕上げて、また、定時で上がり、帰り際、坂戸に、”あと、有給を使わせてもらうから、サイン頂戴。”と言い出す始末…。

この態度に坂戸は、

”あんた、1回もノルマを達成したことないだろ!よくそんな事ができるな!
そんなに休みがとりたいんだったら、変わりに15億の売り上げを上げろよ!”

と激昂します。

”15億?それ、うちの科の、月の売り上げの半分じゃねぇか?
それを俺、個人で売上げろと?”
と返す八角。

”そうだ、それが達成できるまで、土日、祝日全部返上して、駈けずりまわってかき集めてこい。それが出来るまで、お前に休みは1秒たりとも与えない。”

”…。”

”それじゃ、数字を達成する前に死んじまうな。”
と返す八角。

”じゃあ、死ねよ。”
と返す坂戸。

”お前みたいな、お荷物社員は、要らねぇんだよ。”
と坂戸は皆の前で、八角を叱責し、有給申請の紙を破り捨ててしまいます。

笑われてしまう八角。

そういって、その場を立ち去ろうとする坂戸を、八角は、呼び止めます。

”おい。”

”…。”

”今の、ひどく傷ついたぞ。”

”組合に、訴えてやるよ。”

”パワハラで…。”
と。

(パワハラだってよ…、これでパワハラじゃ、皆パワハラだよと。)
(組合なんて、会社の人間で、形式的に作られただけのものだろ。)
(問題起こして、不利益を被るのは、ぐうたらの八角さんの方だろ。)

坂戸や、その場の皆から、再び鼻で笑われてしまう八角。

しかし…。
その後の組合・委員会の決定で、科のエースだった坂戸は、なぜか、別会社へ左遷されてしまいます。

坂戸の後任には、気の弱そうな営業2科の科長だった、原島(及川光博)が、営業1科の科長として着任します。

原島の下でも、毎日定時で上がり、ぐうたらぶりを全く改善しない八角。

今度は、この原島が、鬼の北川から、無茶苦茶なノルマを要求されます。

ある日、定例の会議で、北川からノルマを詰めに詰められ、原島は、よろけて、後ろのパイプ椅子に尻もちをついた際、その椅子が壊れ、その場に倒れこんでしまいます。

その情けない姿に、皆から笑われてしまう原島。

しかし、皆が笑っている中、北川は、倒れこんた原島をなぜか凝視しています…。そして、北川が八角の方に目を移すと。そこには、鬼の形相で北川を睨む八角の姿が…。

その後も、八角の周囲で、不可解な出来事が幾つか起きます。原島は、このぐうたら社員の八角が、なぜこの科に居続ける事が出来るのか、不思議に思い、八角の身辺を調査していきます。

そして、原島は、八角が、会社のある重大な秘密を握っている事を突き止めます。

そして、(意図せずとも)その秘密~八角に関わろうとする人達は次々と、人事で左遷させられている事実も知ります。

それを突き止めようとしている原島にも、ひたひたと八角の影が近づいていきます。

この八角の正体は一体…。

そして、次第に明らかにされていく、その秘密とは?

企業の体質、利益の構造、倫理とは?

それを生み出していく土壌や、
過度な競争の先にあったものとは?

八角の過去や、人物との相関関係が徐々に明らかにされていく中で、その秘密や背景が浮かび上がってきます。

色々考えさせられます。

実生活で、こんな会社の意思決定に関わる事に、直で関わる様な場面なんて(私は)ないですが。

会社の方針に従って、(言われるがまま)働いているという点では、間接的に関わっているとも言えます。

そうすると、私も、責任の一端を担っているとも言えて、同じこと(不正)が起きていた場合、どこまでその範囲が及ぶのか、考えさせられました。

具体的な内容は知らされないが、実際に気づくはずであろう現場(取引先)。結果が分かっていながら、決定を通した会社。こちらも薄々気づいてはいるが、結果の内容を精査せず、黙認していた親会社。

それぞれ、違う立場、力関係があり、見ている視点も違います。
そして、その背景には、池井戸さんの作品に共通する、”組織を作っていく・動かしていく中で、どうしても生まれてしまう、逃れられない、なんか、こう、構造的な問題?”みたいなものが感じられます。

この背景がある中で、
現実的に生きていかなきゃならない中で、
不正が分かっていたとして、どこかで止める事は出来るのでしょうか。

そして、その発覚によって発生する莫大なリスクを分かった上で、会社はそれを正面から受け止める事なんて出来るのでしょうか?

まして、それは個人で受け止められるものなのか?
声をあげられるものなのでしょうか?

その責任は、一体どこに、どこまで、あるのでしょうか?

いくつもの”?”が浮かびます。

親会社、関連会社を巻き込みながら、事態は転がり、収束していくのですが、この転がり方、収束のされ方が、すごく現実的で、”まぁ、そうなるよなぁ…。”と納得させられます。

北川、八角、どっちの視点に立つかで見方もかわるのかなとも思いました。

最後に、調査委員会の委員(役所広司)が不正を内部告発した八角に対し、今後、今回の様な不正を予防するために、何をしたらよいのか。
当事者である、あなたの意見を聞かせてもらえませんか?
と問われた後の、八角の言葉が、刺さります。

”それ、本気で言ってます…?”
と問う八角。

”もちろん。”
と答える委員。

”では…、お話しましょう…。”


”この世から、不正は無くならない。絶対に。”

”世の中でデータ偽装、隠ぺいをやっている、どの会社も一緒。
何度だってやるってことです。”

【本編より】

と。

そのうえで、

”あの日から、私はずっと考えてきました…、”

”人間ってのは、愚かな生き物ですからねぇ…。

特に日本ってのは、時に、会社の常識が、世間の常識より大事になってしまう。何かこう…、日本人のDNAに組み込まれている様な気がするんですよ。藩の為に命をかける…、かっこいい言い方をすると、侍の生きざまみたいな…。

昔で言う藩。今でいえば会社。それを生かす為には、人の命より、会社の命を優先させちまうっていう。

欧米の人が聞いたら、そんな会社なんか、とっとと辞めちまって、他に移ればいいだろって思うんでしょうけど。

侍はさ…、藩から出されちまうのは”負け”だと思ってるんですよ。”忠誠心”っていえば聞こえはいいんでしょうけど、

それは逆に守られても居て…。

まぁ…、そういう、持ちつ持たれつっていう企業風土が、資源もない、このただの島国を、先進国まで押し上げたっていう功績もあるわけで…。

いいところもあれば、悪いところもある…。

ひとつ言える事があるなら…、ひたすら、ガキみたいに、言い合っていくしかないんじゃないですかね。悪い事は悪い。命より大事なものはないって。

それが、できれば、(不正は)なくなりはしないが、データ偽装、隠ぺいなんかは、減るんじゃないかと…、思いますよ…。”

【本編より】

映画の八角に憧れつつ…、

でも、やっぱ私は、何も知らされず、都合よく使われてる位が、ちょうどいいやと思いました。

※本日もお疲れ様でした。
社会の片隅から、徒歩より。

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