SNSに疲れたオタクが、ドーム天井席で復活した話。ー「幸せになる準備はできていますか?」
※文章の中で、Snow Man Dome Tour 2025−26 ON(名古屋公演)での、MCやステージの雰囲気に触れる描写があります。ほんの軽いものですが、ネタバレを避けたい方はご自身のタイミングで読んでください。
私の推しの一人、Snow Manのリーダー岩本照くん(通称ひーくん)が、去年のグループ初の国立競技場のライブで、こう煽った。
「楽しむ準備はできてますかーーーー?!?!?!」
嵐の松本潤先輩のオマージュにも思える煽り文句を、あの国立競技場で、だ。
今、私は界隈に問いたい。
「あなたは推し活で、幸せになる準備はできてる?」と。
私は人生で最もしんどかった時期を、スタエンアイドルに救われてきたオタクだ。今もSnowManとSixTONESのFCに入り、スタエン文化そのものを愛している。
でも、2025年は、私のオタク歴で初めて、モヤモヤが続いた1年だった。
理由は二つあって、
アイドルのステップを階段3段飛ばしくらいで駆け抜け、
すっかりフェーズが変わってしまった推しに、私が着いていけてなかったことと、
SNS疲れだ。
3年ぶりの年末のカウコン、私は本当に楽しかった。
知らないかっこいい曲も、なるほど!とくる組み合わせも、全部わくわくしながら見届けた。
あまりにも楽しくて、余韻に浸るためにSNSを開く。
すると、threadsのおすすめ欄に、怒れる王蟲の真っ赤な海が広がっていた。
すぐに画面を閉じればいいのに、
まるでかさぶたをめくるみたいに、
スクロールする指を止められなかった。
痛いのに、中毒性があった。
なんか、もう、やだなぁ。
いよいよSNSアプリを消してしまおうかと思った。
(でも、自分も時々投稿もするし…公式は見たいし…と踏みきれない。)
そんなモヤモヤを抱えた、1月3日。
幸運にも、Snow Manのライブの制作解放席の、当選メールが届いた。
公演日は翌日の1月4日。年始の帰省ピークの最中の遠征になる。
制作開放席は、天井席が多いってことも知っていた。
それでも、スマホのモヤモヤの渦中の推しを見るのは、もううんざりだった。
天井席でもいい。リアルの推しに会いたい。
ドームのゲートで、QRコードをピッとしてスマホをひっくり返す。
オタクのドキドキ・ワクワクが最高潮になるあの一瞬。
結果、5階、最後列から2番目の席だった。
あーあーと思ったのは一瞬で、
意識的に思考を切り替える。
今まで割と見やすい席が多かったし、今回は入れるだけありがたいじゃないか。
リフターとかバルーンの演出があるかもだしねと、5階席に向かう。
座席に着き、チケットの番号が合っているのかをキョロキョロと確認していたら、ピンクで可愛くコーディネートしているお隣のお姉さんに
「誰推しですか?」と話しかけられる。
「箱推しなんですけど、特にひーくんが好きで…。お姉さんはさっくんですよね?」
「きゃーそうです!」
ライブはほぼ1人参加の私。話しかけてもらったのは初めてで嬉しい。ウキウキが高まる。
まもなく、向井くんのヘアバンドをつけた小学生位の男の子が、お母さんに連れられ歩いてきた。私よりさらに後ろの、最後列の天井席に座る。
小2の娘がいる私は、ライブ会場の子どもに、つい意識が向いてしまう。
天井席でもがっかりしてないかな。最後まで親子で飽きずに楽しめるといいな。
いよいよ開演。
ステージ真横の5階は、意外と本ステに近い。冒頭、佐久間くんがステージの端っこにいたから、思わずお隣さんによかったね!とアイコンタクトをしてしまう。彼女の目はキラキラ光っている。
お隣さんと話せたおかげか、
いつもは一人で、マスクに埋もれる消極的な声しか出せないけれど、
まるで喉の蓋をとったみたいに、自然な声でコール&レスポンスできた。
声が出せると、ライブはもっと楽しいんだと気づく。
私のやや前方に、私と同じひーくん推しの女性がいた。
真下の花道を通るメンバーに向けて、楽しそうにペンラを振っている。
「どうせ見えないだろう」なんて微塵も思ってなさそうな姿が、キラキラしててかっこいい。
彼女の真似をして、思いを込めてペンラを振ってみる。
もっともっと、楽しくなる。
MC 中、Snow Manではお決まりの、「レディース!」「メンズ!」って煽りの流れに、
「ちびっこー!」という煽りがあった。
私の後ろには、向井担のちびっこがいる。
どう反応するのかな?と咄嗟に意識を向けると、
彼は、まるで運動会の応援団のような、明るくまっすぐな声で
イエーーーーーイ!!!
と叫んだ。
迷いがない。でもひけらかさない。
推しへ届けようと、レーザービームみたいに響く声が、
私の背中から突き抜けて、心までビリビリ震わす。
男の子の声とともに、私の中に澱んでいたSNSのもやもやが、
スコーーーーーン!!とふっとばされた気がした。
自分の視界が、一段明るくなった気がする。
ラウール君がカウコンの炎上に触れたトークも冴えまくっていたし、
しょっぴーの〆の挨拶もぐっときた。
トップアイドルである誇りと、トップを走り続けるという信念が、
あの極上のシルクみたいな美声で、ふんわり優しく届く。
そっか、しょっぴーは、SnowManは、そんなふうに思ってるんだ。
なーんだと、私は思った。
私の宝物は、スマホの画面の中になかった。
天井席から双眼鏡で見る推しに、
編集されることなく届く言葉に、
推しが「打てば」、全力で「響く」、そんなかっこいいファンの姿に、
私の宝物はあった。
無限に流れる真っ赤なSNSより、
九色のペンラの海で見たものを、信じよう。
アンコール後、ひーくんが「隣の人と手をつなごう」と呼びかけるお決まりの流れ。
いつもは気恥ずかしく、もじもじやり過ごしてたけど、
お隣の佐久間担のお姉さんとは、声を掛け合って手をつなげた。
細くて冷たい手が、私の手をぎゅっと握ってくれて。
この"ギュッ"に背中を押されて、思いが声にでる。
「今日お姉さんと一緒にいられて、私、最高に楽しかったです。また佐久間くんに会えるといいですね」と。
ドームの圧着されたドアを開ける。
年始の冷たい空気を吸いながら、5階から階段をぐるぐる下りる。
天井席から地上へ。大事なものを取り戻した私の足取りは軽かった。
これまでで、そして今後も、一番心に残る現場だったかもしれない。
帰りの新幹線で、私はthreadsとTikTokとインスタのアプリを削除した。
公式を見たいときや、自分が投稿したくなったら、パソコンを使えばいいや。
画面越しに推しを見ていると、
つい、一方的に「与えてもらう」だけの感覚になってしまうけれど、
その態度は、過剰になると"搾取"に転がってしまいかねない。
私は、推しを搾取したくない。
同じ人間であり、勇気を出してステージに立つ推しを、
当たり前に消費するのではなく、
両手で丁寧に受け取れるファンでありたい。
それにたぶん、
搾取する姿勢がある限りは、
推しから幸せをもらうことはできないんじゃないかな?
ひーくんも、そして大先輩も言ったじゃない。
「楽しむ準備はできていますか?」と。
私は今回の天井席で、こう思った。
推しから"楽しさ"を、そして"幸せ"を受け取れるのは、
自分で幸せの"受け皿"を作れる人だ。
「楽しもう」という能動的な姿勢をとり、
声やリアクションをつかって、推しに"与えよう"と思える人だ。
私は、いつひーくんに会っても、あのときの向井担の男の子みたいに、
楽しむ準備OK、イエーーーーーイ!!!
って応えられる、
そんなファンでいようと思う。
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