能は何が面白いのか?
今年は国立能楽堂に二回行きました(まだ行くかも?)。国立能楽堂以外では矢来能楽堂に一回行っただけで、いつも国立能楽堂で見ています。
国立能楽堂のいいところは字幕が出るんですね。といってもオペラ公演のような字幕ではなく、前の座席の背もたれに出るのです。

これは心強い! 能が「敷居が高く」感じちゃうのは何を言ってるかわからないという理由が大きいでしょう。字幕を読めばかなり物語を追えます。
ちなみに最前列の人はというと、肘置きの中に字幕表示器が隠されてるんですね。これは知らない人も多いかも!(私は親切なお客さんに教えてもらいました)
せっかく見に行くなら、あらすじや場面設定、相関図だけ調べていくと鑑賞しやすいと思います。台詞は調べなくても字幕で何とかなります。
私が初めて能を見に行ったのは10代のときでした。
美輪明宏に触発されて、クラシック、映画、演劇、落語、講談、歌舞伎、美術展、いろいろ出かける一環で自然と能にも足を運びました。靖国神社の夜桜能(野外能楽堂で桜の花びらが舞う中で鑑賞できます)が最初だったかもしれません。
最初は寝ちゃってました😅 これはクラシックと同じです。つまらないとは思わなかったかもしれませんが、能は時間の流れが非常にゆっくりしてるので付いていけなかったのです。
ちなみに能と一緒に上演される狂言は、私はまったく別の芸術だと思っています。
まず、狂言は音楽がありません。台詞だけで回していきます。
ショートコントみたいなものです。ただ、オチはすでにわかっているし、同じオチを何回も演じるので、最近の私は狂言はそれほど楽しめていません。
では、能のどういうところが好きかというと、幽玄というか夢幻というか、現実とはかけ離れた世界に引っ張っていってくれるからなんですね。
よく「映画館を出たら街の光景がまったく違って見えた」って言われますね。能楽堂は50倍は違って見えるはずです笑
能は囃子方(笛、小鼓、大鼓、太鼓)と地謡(合唱みたいなもの)という音楽があります。クラシックが好きな人なら音楽を楽しみに行かれてもいいかもしれません。
そして、シテと呼ばれる主役の能楽師による舞踊があるわけですが、非常に奥ゆかしいというか、味わい尽くせない芸です。私なんか初心者なので芸の違いもわかってません(そもそも同じ曲を複数回見たことがないかもしれません😅)。
このように、何度も見てるわりに能楽用語もわかってません😅 ガチガチに勉強していかなくても楽しめる要素はあると思います。
独特な時間の流れも、だんだん癖になります。以前は何も調べずに行ってたのですが、最近は多少調べて臨みます。といっても、能の歴史やルールではなく、演者さんのプロフィールだったりします。
3月は野村萬斎さん目当て、今月は人間国宝の大槻文蔵さん目当てで行きました。今までは人間国宝が誰かすらわかっていませんでした。
にもかかわらず、かつて“推し”のような存在がいました。梅若実さんです。
海外公演も多くされていてスケールの大きな能楽師だと思いますが、大御所でチケットが高いので最近は全然見れてません。
古典芸能を苦手に感じる人は贔屓の演者を作るといいかもしれません。私の場合、落語は春風亭小朝、講談は神田山陽(三代目)、歌舞伎は市川猿之助(三代目)とそれぞれ推しがいたので、その人たちを軸に鑑賞の幅を広げていきました。
先ほど狂言は苦手と書きましたが、狂言の人間国宝はまだ見れてないかもしれません。野村萬、野村万作、茂山七五三、山本東次郎といった人たちです。
人間国宝ばかり追っかけるのは権威主義な感じもしますが😅、しょっちゅう見に行くわけでもないのでまあいいでしょう。
能楽堂は行ったことのない人が多いでしょうが、せっかく日本にいるのなら国立能楽堂、歌舞伎座、寄席(末廣亭など)、あと両国国技館(相撲)は行っておいて損がないと思います。
その場の雰囲気を体感するだけでも人生の大きな収穫になります。普段「クラシックコンサートはそんなに敷居が高くないですよ。気軽に来てね」と言ってる人も、能楽堂となると「敷居が高い」と感じるかもしれません笑 誰でも行き慣れない場所はそう感じるものです。
でも一歩踏み出すと人生が豊かになるのはクラシックと同じ。能と狂言はユネスコの無形文化遺産です。外国人がこぞって見たがる芸術に気軽にアクセスできるわけですから、ぜひ一度能楽堂に足を運んでいただければと思います。
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