原田慶太楼のショスタコーヴィチで泣く 正指揮者、最後の東響定期
サントリーホールで、東京交響楽団第738回 定期演奏会を聴く。
コープランド:アメリカの古い歌[第1集]
バーンスタイン:チチェスター詩篇
ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 op.47
指揮:原田慶太楼
カウンターテナー:彌勒忠史
合唱:東響コーラス
合唱指揮:根本卓也
ほんとはパソコンで書きたかったのだが、疲れてるのでスマホから。
初めての原田慶太楼。去年も聴く機会は何度かあったが、初めて聴くなら原田さんの良さが存分に発揮されそうなプログラムにしようと決めていた。
今回は前半がコープランド、バーンスタインというアメリカン・プログラムで、後半のショスタコーヴィチの5番もバーンスタインの十八番だから、すべてアメリカの匂いがする魅力的な曲構成。おまけに原田さんは今日で東響の正指揮者を退任するので記念碑的な公演でもあった。
睡眠不足で前半はうとうとしながらの鑑賞。プログラムに対訳が載っていてありがたい。
コープランドは東響コーラスが身体を揺らしながらノリノリで歌っていた。ゴスペルみたいなノリである。
日本のコンサートホールではなくアメリカのバーで聴いてるような感覚。
マスとして揺れてるというより、個々の人がいきいきと揺れていた。ステージ近くの席だったので合唱団員のお顔もわかって、親近感がわいた。
武蔵野合唱団もそうだったが、東響コーラスも年齢層高め? 楽団員の若いアマオケはあるけど、高校や大学で合唱やってた人は社会人になったらどうしてるのだろう。
日本は合唱文化が盛んだが、学生時代だけで辞めてしまう人が多いのだろうか。
コープランドは好きな作曲家だし、初めて生で聴く曲で嬉しかった。第4曲《ささやかな贈り物》の主題はバレエ音楽《アパラチアの春》や交響曲第3番でも使われている、コープランドの代名詞のような旋律である。
バーンスタイン作曲の管弦楽曲を生を聴いた経験は少ない(ピアノ協奏曲のテイをなす交響曲第2番《不安の時代》をぜひ聴いてみたい)。
大植英次/神奈川フィルで《管弦楽のためのディヴェルティメント》を聴いたときも思ったが、現代音楽のわりに聴きやすい曲が多そうだ。
カウンターテナーの場面は思っていたより少なかったが、彌勒さんの声がよく響いてびっくり。古楽を歌うときとは発声法が違うのかもしれない。
彌勒さんは初めて聴いた。オペラの演出もされる多才な方である。聴けてよかった。
アンコールはなし。合唱団もいるし、カウンターテナーだけアカペラで歌うのも変な感じ。なくてよかった。
休憩中に東響コーラスが退場していくさいに拍手が起きる。私も拍手をした。
今日の客席の雰囲気は好きでしたね。《チチェスター詩篇》を原田さんが振り終えたあと結構長い間があったのに、お客さんはみな待っていた。余韻の意味を知ってる人ばかりだったと思う。
後半は眠気もましになり、集中して聴けた。
凄かった。近年聴いたショスタコーヴィチの中でピカイチだった。
最近はショスタコーヴィチもイージーリスニングのような演奏が増えてきた。指揮者がにこにこして振ってるのだから話にならない。
わざと表情を作る必要はないが、ショスタコーヴィチって笑顔で指揮する曲ではないと思うんだよね。作曲された事情を考えれば、指揮者も聴衆も覚悟を問われる作曲家だと思う。
ショスタコーヴィチをにこにこ振ってる指揮者って、にこにこしながらオペする外科医くらい違和感がある。
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