波打際外伝6話 続・歴代フェアレディZのすべて Fairlady Z: Tonight’s Destination Awaits
黒い富士をバックに、桜の花を見る和服の少女がいる。
美しい優しい赤い目をしている。
花の飾りが似合う赤い髪をしている。

暫くすると、静かに赤い車が止まる。
エンジンは切らず、ハザードは付けない。

誰も降りてこないが、彼女を待っている。
彼女は、ゆっくりと車に近づくと助手席のドアを開ける。

カーステレオからは、彼女の好きな音楽が流れている。
運転席の彼氏が、涼やかな視線を向ける。
顎に無精ひげがある。

「清成様、いつ免許を?」
「いやああ・・・苦労しました。」
「この歳になると、交通法規は覚えられん・・・」

「ちゃんと、シートベルトは締めてくださいよ!」
「まあ・・・まじめですこと。」
カチリと音がするのを確認し、
ダッシュボードの警告ランプが消えるのを確認した清成は、
ゆっくりとサイドブレーキを解除した。

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