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誰もが使えるクラウドファンディングを目指して──For Goodのインクルーシブデザイン

誰もが気軽に社会課題解決のアクションを起こせるように──そんな想いから生まれた「For Good」には、誰もが使いやすく、参加しやすいサービスであることへのこだわりがあります。

その一つが「インクルーシブデザイン」という考え方です。インクルーシブデザインとは、年齢、障害、スキル、背景などに関係なく、すべての人が排除されずに利用できるよう配慮された設計思想のこと。サービスのデザイン段階から多様なユーザーの視点を取り入れ、使いやすさや共感を生み出す工夫が求められます。

今回は、For Goodのサービスをつくるうえで、このインクルーシブデザインにどのように向き合ってきたのかを、UI/UXデザインを手がける高井渚沙事業代表の小松航大にインタビューしました。
具体的な事例やユーザーの声を交えながら、For Goodの目指す「誰も取り残さない」デザインについて探ります。

UI/UXデザイナー:高井 渚沙(たかい なぎさ)
デザイナーとして独立後、2024年3月よりFor Goodにジョイン。クラウドファンディングサイト全体のUI/UXやビジュアル設計を手がける。
事業代表:小松 航大(こまつ こうだい)
2022年のFor Good立ち上げから携わり、2023年よりFor Goodの事業代表に就任。「社会課題解決の民主化」を掲げ、誰もが気軽にアクションを起こせるサービスを目指している。

1. For Goodがインクルーシブデザインを取り入れたきっかけ

── そもそも、For Goodがインクルーシブデザインを意識しはじめたきっかけは何だったのでしょうか?

小松(事業代表):
For Goodは、サービス立ち上げ当初から「社会をより良くしたい」という想いを誰もが行動に変えられる場をつくることを目指してきました。そのためには、一部の人だけでなく、本当にあらゆる人が使いやすいサービスであることが重要です。だからこそ、サービスの設計やサイトのデザインにおいても、“誰ひとり取り残さない”ことを大前提にして取り組んできました

しかし初期の頃は、サービスの基盤や支援の仕組みなど、事業の立ち上げに関わる部分に注力していたため、デザイン面での取り組みには限界があったのも事実です。ただ、サービスの拡大とともに、さまざまな背景を持つユーザーの方々が利用してくれるようになり、いただく声も多様になっていきました。その中で、「もっと多くの人にとって使いやすいサービスにしていこう」という意識が、より明確に、強くなっていったと感じています。

── 高井さんは、どのような思いでFor Goodにインクルーシブデザインを取り入れてこられたんですか?

高井(デザイナー):
For Goodのデザイナーとして「誰もが排除されない社会を目指しているFor Goodなのに、デザインが一部の人にとって使いづらいとしたら、それは矛盾している」ということを強く意識してきました。

ちょうど私がFor Goodにジョインした頃、トップページのデザインを大きく刷新するタイミングだったので、このページに来た人が違和感や不自由なくサイトを使えて、内容がきちんと伝わることで、「For Good、なんかいいな。」と思ってもらえるようなデザインを目指しました。今もその想いは大切にしています。

現在のFor Goodのトップページ

2. 色覚多様性に配慮した色づかい

── 実際に、For Goodのサイトデザインでどんな工夫をしているのか、具体的に教えてもらえますか?

高井(デザイナー):
For Goodのインクルーシブデザインでは主に、誰にとっても見やすい色と文字の大きさを意識しています。

特に色については、ブランドカラーであるオレンジを基調とした見えやすい配色を採用しています。もともとFor Goodでは、プロジェクトを社会課題の11個のカテゴリーに分類していて、それぞれにカテゴリーカラーを割り当てていました。カラフルでポップな印象があり、ユーザーからも「親しみやすい」と好評でした。でも一方で、色の識別が難しい方や年配のユーザーにとっては、見づらさの原因になってしまうこともあったんです。

そこで、For Goodのポップな“あたたかさ”は残しつつも、アクセシビリティを高めるために、カテゴリカラーをすべてブランドカラーのオレンジに統一しました。代わりに、カテゴリーの区別は文字情報で伝えるようにしています。そして、元々のデザインでも好評だったカラフルさは、「多様性」を表現するためにも残したかったので、グラデーションとして装飾的に使用しています。

オレンジを基調に、一目で各プロジェクトの概要が分かるようになっている

また、背景色と文字の色のコントラストにも注意しており、こちらも色覚多様性を持つ方々にも見えやすいコントラスト比になっています。これらの工夫によって「様々な人にとっての使いやすさ」と「For Goodらしさ」のバランスを取ることができたと思っています。

3. 高齢の方も見やすい文字の大きさ

── 文字の大きさ(フォントサイズ)に関してはどのような工夫をしているんですか?

高井(デザイナー):
文字の大きさも先ほど話した色使いも、デジタル庁が出している「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック(※)」を参照しながら、できるところから取り組んでいます。

フォントサイズはスマートフォンの場合は最低12px、PCの場合は14pxという規定があるので、最低限基準を順守しつつ最も見やすい文字の大きさを考えてデザインしています。特にスマホ画面は小さいのに伝えたいことはたくさんあるので、「どの情報を優先的に伝えるとわかりやすいか」を考えながら文字のサイズや太さを検討しています。

小松(事業代表):
以前僕の家族にもFor Goodのサイトを使ってもらいながら意見を聞いたところ、両親に「字が小さくて見えにくい」と言われたんです。年齢的に少し老眼が始まっていたこともありましたが、それを聞いたときにハッとしました。

どれだけ内容やデザインが優れていても、“そもそも見えない”のであれば使おうと思えないんですよね。その出来事がきっかけで、他の高年齢層の方々にもヒアリングを重ね、同様の声があることが分かりました。そこから、文字サイズを全体的に見直したり、読みやすさを意識したUI改善に取り組んだんです。

高井(デザイナー):
フォントサイズは、「どんな年齢層の方でも、まずは最低限、読めること」が大前提です。ただ一方で、For Goodとしては、できるだけ多くのプロジェクトをひとつの画面の中で見てもらいたいという思いもあるんです。なので、“見やすさ”と“情報量”のバランスをどう取るかは、今でも試行錯誤し続けています

4. “使ってくれる人の顔”を思い浮かべながら改善を続ける

── ユーザーの方々の意見から改善に繋がることもあるのでしょうか?

小松(事業代表):
そうですね。ありがたいことに、For Goodをもっと良いサービスにするにはどうすればいいか、という視点でユーザーのみなさんに日頃からたくさんのフィードバックをいただいています。

たとえば、「どこでつまずいてしまったか」「どの操作が難しかったか」など、ユーザーのリアルな声はすぐにチームで共有しています。そしてそれをもとに、UI改善や説明文の見直しなど、速やかに反映する体制をつくっています。

今では、全国各地の10代の学生から80代の高齢者、外国籍の方、障がいを持たれている方まで、実に多様な方々がFor Goodを使ってくださっています。その一人ひとりにとっての「使いやすい」を叶えるために、インクルーシブデザインは、サービスの根幹にあると感じています。

5. これからも、「誰も取り残さない」サービスへ

── 最後に、これからFor Goodが目指していく方向や、読者・ユーザーのみなさんへのメッセージをお願いします。

小松(事業代表):
やっぱり、私たちが一番大事にしているのは、実行者や支援者のみなさんにとって「使いやすいサービスであること」です。そのためにも、僕らだけの一方的な視点ではなくて、実際に使ってくださっている方の顔を思い浮かべながら、「どんな思いでこのサービスを使ってくれているのか」を考えて、日々改善を続けています。これは、チーム全体で共有している姿勢だと思います。

For Goodとしては今後も、「誰もが社会課題に関われる場」を広げていくために、使いやすさを追求していきます。現在も日本全国の幅広い年代・背景の方々に使っていただいていますが、今後は多言語対応や音声読み上げ機能の追加など、さらに幅広い方々に快適に利用して頂けるサービスを目指していきます

── 高井さんは、これからデザイン面でどのようなことに取り組んでいきたいですか?

高井(デザイナー):
デザイナーって、どうしても1人で作業していると、独りよがりなデザインになりがちなんです。ですが、私は集まってくるユーザーさんの声に絶対的な信頼を置いていますし、その声をちゃんとデザインに反映していきたいと思っています。

そして、これは読者のみなさまへのお願いでもあるのですが、もし「ここが使いづらい」「こうしたほうがいい」と感じたことがあれば、ぜひ気軽にフィードバックをいただけると嬉しいです

「誰ひとり取り残さない」という言葉はよく耳にするけれど、実際にすべての人にとって平等に届けるのは本当に難しいことだと思っています。でも、その難しさに真正面から向き合い、試行錯誤しながら、少しずつ前進していく。それがFor Goodのデザインのあり方です。

これからも一緒に、「誰もが社会課題解決に参加できる社会」をつくっていけたらと思っています。読者のみなさんも、ぜひその仲間として、声を届けていただけたら嬉しいです。

ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
デジタル庁が公開している、ウェブアクセシビリティに関するガイドブック。ウェブサイトや情報システムにおけるアクセシビリティを向上させるための基礎知識や具体的な手順が解説されている。

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