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【犬の血管肉腫①】倒れた愛犬の運び方と自宅看取りまでの記録

2021年9月5日の深夜。
トイレの前で寝ていた初代ボーダーコリーのボウは、自分のおしっこの水たまりの中で眠っていました。

「トイレはこっちだよ」
そう声をかけて体をトイレに下ろした瞬間、フラフラとその場に倒れ込んでしまったのです。何度呼びかけても、自力で立ち上がってくることはありませんでした。

浅い呼吸。「このまま逝ってしまうかもしれない」という恐怖で、頭が真っ白になりました。

慌てて夜間診療の動物病院を検索し、電話をかけると、快く診察を受け入れてもらえることになりました。
しかし、ここで大きな問題に直面しました。

17㎏ある中型犬のボウを、どうやって病院まで運ぶか。
抱き上げることはできても、その不安定な姿勢が、かえってボウの呼吸を苦しめてしまう危険性がありました。

そのとき、以前ボウのてんかん発作に備えて購入してあった、ペットカートの存在を思い出しました。


折りたたんで収納していたこのカートを広げ、安定した台座の上にボウをそっと乗せ、急いで車で病院へ向かいました。

深夜の緊急入院と宣告

深夜3時の動物病院

到着すると、すぐに診察室へ。心エコーや採血などの検査を行った結果、下された診断は『血管肉腫』でした。

酸素室に入ったボウは、自分で顔を持ち上げられるくらいにまで少しだけ回復を見せていました。
「今日は一晩入院しましょう。明日の午前中、またお電話します」

顔をあげられるようになったとはいえ、まだ連れて帰れる状態ではありません。
「明日、迎えに来るからね。待っててね」
そう声をかけ、後ろ髪を引かれる思いで帰宅しました。

午前10時

病院から「お迎えに来てください」との電話があり、準備を始めた矢先、再び電話が鳴りました。

「先ほど伝え忘れてしまったのですが、全身状態が非常に悪いです。お迎えに来る間に息を引き取ってしまうかもしれません。その際、心臓マッサージなどの救命処置は希望されますか? また、現在は多臓器不全に陥っています。これを治療するには輸血しかありません。もし輸血をする場合、今日は帰れません。どうされますか?」

看護師である私には、獣医師の言葉で十分でした。ボウの体はすでにDIC(播種性血管内凝固)を起こしており、もう命の灯火は長くないことが、容易に想像できたのです。

「輸血はせずに、自宅に連れて帰りたいです」

家族で、無機質な病院のケージの中ではなく、住み慣れた家で、いっしょに最後を迎えたいと決めていました。

ボウに家族の温もりと、最期の時間を過ごさせてあげたい。

家族全員でそう決断し、大急ぎでボウを迎えに行きました。

病院で嬉しかったこと

不謹慎かもしれませんが、入院時に嬉しいことがありました。看護師さんから「入院に当たって、なにかご希望されることはありますか?」と聞かれたのです。

「話すとわかる子なので、なにかするときは必ず話しかけてからやってください」 私は反射的に、そう伝えていました。

血管肉腫の闘病生活を投稿しようとおもったきっかけ

血管肉腫で倒れたボウを連れて帰ることを決めた当時、愛犬の血管肉腫での闘病記録や、突然倒れた際の具体的な運び方の体験談が全く見つからず、どう対処すべきか途方に暮れました。

愛犬の突然の病気や介護という予期せぬ事態に直面したとき、「カートを使った安全な運び方」や「看取りの選択肢」を知っておくことで、後悔のない決断ができます。

命の責任や覚悟は決して軽いものではありません。それでも、犬との暮らしには、何にも代えがたい温かく幸せな時間が溢れています。

ぜひ、もしもの時の安全な移動手段(ペットカート等)の確認と、夜間救急病院の連絡先を確認しておいてください。
事前の準備が、愛犬を守る一番の安心に繋がります。


▼これから保護犬を家族に迎えたいと考えている方へ向けて、私の経験をまとめたガイドブックをKindleで出版しています。ぜひ、お手に取ってみてください。

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