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34 作品づくりによる創造性学習モデルの提案:5.4.3 わかり方を考える

5.4.3 わかり方を考える

論文「作品づくりによる創造性学習モデルの提案の紹介です。目次と各章の構成は以下となっています。(目次から記事を探したい方はコチラから)

  • 第1章 本研究がめざすこと

  • 第2章 創造性と社会の期待

  • 第3章 学校教育と創造性

  • 第4章 創造性学習の系譜と先行事例

  • 第5章 デザイナーが習得する創造性 ←今回はこちら

  • 第6章 創造性学習モデルの構築

  • 第7章 創造性学習モデルの実証計画

  • 第8章 検証結果の分析と考察

  • 第9章 本研究の有用性と気づき


テレビ番組「ピタゴラスイッチ」の監修者として知られている佐藤雅彦は、わかり方を考える学習を教育現場で実践している。

佐藤は、子どもの教育番組などで、どのようにして気づきがわかるようになるかを実践するクリエイターであるとともに、大学の教育現場で授業を実施する教育者でもある。

また、幼児教育から小学校や中学校に向けた教育コンテンツや書籍を複数出しており、どのような物事の見方をすると、人は気づいてわかるようになるのかという、わかり方の思考に着目をしている。

例えば、数学の問題は抽象的であり、問題自体が何をいってるのか分からないことがある。これは、問題を解くのが義務的な気持ちにさせる要因となり、ゆえに勉強がつまらなく感じてしまう学習者がいる。このことが、学習意欲低下につながっていることに、佐藤(2021)は着目した。

そこで、はかりやタイルの壁など、実社会にある現物や現象を用いることで、問題がより身近に感じられるようになる、といった方法論を考案している。

図21. 考える手法のデザイン(出所:解きたくなる数学、2021)

問題を解くためのわかり方は一つではなく複数の考え方があり、その思考回路に想像力をはたらかすことによって好奇心が生まれ、探究的に取り組むことが必要とされる。

佐藤は「考える手法をデザインする」ことによって、これまでとは違う考え方を用いて新しいアイデアを生み出すことを実践しており、教育分野に展開するためのコンテンツをメディアに数多く提供している。


佐藤に類似する学習指導では、他に今井康雄の活動がある。

今井(2022)は平行四辺形の面積の計算方法について、数式だけではなく図形や物理的なモノを用いることの学習効果に着目をした。

底辺×高さという幾何学にもとづく公式だけでは、学習者に理解を深めることは難しい。しかし、視覚的な表現や物質を用いることで、学習者が理解しやすくなる教え方があることを示している。

紙とはさみを使って図形を切り貼りして示す方法や、紙の束を積み重ねたものを斜めにスライドさせることで長方形と同じ大きさであることを示す短冊法などがある。今井はこのようなモノを用いた方法で、学習者が難しいものごとを理解するための学習方法を考案した。

わかり方を考える活動自体も、新しさと有用さを兼ね備えた創造的な学び方である。


参考文献

  • 佐藤雅彦(2013)『平成25年秋の褒章』、文部科学省

  • 佐藤雅彦・大島遼・廣瀬準也(2021)『解きたくなる数学』、岩波書店、pp. 2-3引用

  • 佐藤雅彦(2017)『新しい分かり方』、中央公論新社

  • 今井康雄(2022)『モノの経験の教育学』、東京大学出版社


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ジマタロ デザインとビジネスをつなぐストラテジーをお絵描きしながら楽しく勉強していきたいと思っています。興味もっていただいてとても嬉しく思っています。