思い出の品が揺れるとき
「おもちゃみたいなアクセサリー」がなかなか捨てられない。
スライド式ブックシェルフの一角を、アクセサリーのディスプレイコーナーにしていた。

こんなふうに棚板を抜いた区画を二つつくり、装飾品をすべてディスプレイ収納していた。
けれど、本がどんどん増えていくため、シェルフの貴重な収納部をアクセサリーに占領させておくわけにいかなくなってしまった。今は別の場所に移動させてある(ちなみに、この無印良品のアクリル樹脂製ネックレス・ピアスケース、とてもいいですよ!)。
なかでも悩ましいのが、「高価ではないけれど、思い出が詰まっているアクセサリー」たちの置き場所問題。
旅先で買った、凝った細工が素敵なピアス。友人といっしょに訪れたセレクトショップで一目惚れしたバングル。東京を去るときに、さよならの意味をこめて伊勢丹で購入したアンティーク風のリング。
こういうものたちが、こまごまと、でも確かにある。
「ブランドものでも、貴金属でもないんやろ? おもちゃみたいなアクセサリーは思い切って処分したら?」
夫にはそう言われた。ずいぶんな言いようだと思ったけれど、「すっきり暮らす」ためにはそうするしかないのかもしれない。
「でも捨てられないようー」と悩んでいた先日、それら思い出アクセサリーのなかから一つのピアスを選んで着け、出かけてみた。
すると、これが大好評だったのだ。複数の友人が褒めてくれたうえ、「どこのやつ?!」と聞いてくれた。
「東京に住んでたときに買ったもので、ブランドものじゃないんやけど、もう買ったお店はなくなってしまって。だからある意味、思い出の品として持ってる」
正直に答えたら、胸の内がすとんと落ち着いた。無理に捨てなくてもいい。コンパクトな収納を心がければ場所はとらないのだから。
帰宅すると、双子の娘たち(7歳)にも聞かれた。
「ママ、それペリドット? きれいやなぁ」
彼女たちは誕生石の本を持っているから、だいたい有名な石は知っている。そして、わたしも娘たちも8月生まれで、誕生石はペリドットだ。
「そうやね、わたしらの誕生石、ペリドットやね」
二人は声を揃えた。
「長女ちゃんと次女ちゃんがお姉さんになったら、それ着けさせてくれる?」
わたしは快諾しておいた。二人ともママの身に着けているものが気になるお年頃。いつかぜひ活用してもらいたい。わたしの思い出は、まだここにある。そして、わたしではない誰かの時間にも寄り添って生きていく。

