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    <title>ちこ</title>
    <description>子供二人は独立したので、夫と二人暮らしのアラ還専業主婦です。何気ない日常に、ネタはたくさん溢れてる。エッセイや日記を綴っていきたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。</description>
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    <copyright>ちこ</copyright>
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    <lastBuildDate>Sat, 11 Apr 2026 09:18:58 +0900</lastBuildDate>
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      <title>見かけ倒し</title>
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      <description><![CDATA[<p name="3f3b3d72-7c12-4034-bb4a-4dcef41d85f0" id="3f3b3d72-7c12-4034-bb4a-4dcef41d85f0">昨日、がんづきという岩手県や宮城県の郷土菓子の蒸しパンを作った。<br><br><br><br>西洋菓子とは違って手順はとってもシンプルなので、初めて挑戦する蒸しパンは簡単に見えた。ヘッダー画像のように一見美味しそうに出来上がってくれたのだけれど、ところがどっこいしょ。この写真まで行きつくのに猛烈に悪戦苦闘したし、結局ゴムを食べているような食感になってしまった。<br><br><br><br>久しぶりのお菓子作りとあって、一度目は油断していてお酢を入れるのを忘れた。しかも１５センチの型に流し込んで蒸したら真ん中が生煮えになった。ベーキングパウダーを１０グラムも入れているのでお酢が原因で膨らまないということはないとは思ったけれど、なにせ初めて作る蒸しパンなので、一から再度作り直してみることにした。<br><br><br><br>二度目は材料の入れ忘れもなく、蒸し器にイン。中火で25分ちゃんと蒸したら甘酸っぱい蒸しパンの香りが立ち込めてきたのでわくわくしながら取り出してそっと切り分けてみた。すると、なんとまた中身が生煮えになっている。絶望、である。しかも二度目は真ん中が凹むという大失態だ。<br><br><br><br>レシピ本を隅々まで読んでみたけれどわからないので呆然としていたのだけれど、ふとAIに訊いてみようと思い立ち携帯に何故？と打ち込んでみた。そうすると、来るわ来るわ、返事が。そもそも１５センチの型で蒸すというのはかなりの難易度の高さらしく、中火ではなく強火で蒸さないと熱が中心部に届かないので駄目だと返答があった。<br><br><br><br>「え？そんなに難しいお菓子だったの、蒸しパンて」と遠い目になる私。回避方法としては、蒸し器を使うよりも電子レンジを使ったほうが失敗にならないとのことだったので、６００Wで二分過熱してみる。<br><br><br><br>「……。なんだかなぁ」まだ生煮えの感じが取れない。もう二分間レンジをかけてみる。すると、なんとか火が通ったような出来上がりになった。でも、もしかしたらAIが言うようにゴムみたいな食感になっているかもしれない。<br><br><br><br>恐る恐る切り分けて口に入れてみると、……。ゴムだった！過熱のし過ぎだったんだろう。徒労に終わった蒸しパン作りにがっくりと肩を落として、フォークの先でつつくしかないがんづきを見ると、お皿の上でいかにも美味しそうなすまし顔をしてちょこんと佇んでいるのだった。<br><br><br><br><br><br>「この、見かけ倒しめ…。」不良品のがんづきをフォークでツンツンとつつきながら、私の心は自分の文章のことに飛んで行く。<br><br><br><br><br>私の書く文章も見かけ倒しみたいだなぁ、と思うのだ。背伸びして、文学的に書きたいなと思うのだけれど、なにか全然違う方向へと筆が向かう。まるで蒸し器で中途半端な火加減で蒸した蒸しパンのように、中身が生煮えの状態になっているような感じがするのだ。<br><br><br><br><br>noteのスキ通知も突然ピタリと止まって、「いや、やっぱりこんなもんですかね？」と言ってしまう。今の私は、生煮えの蒸しパン状態だ。<br><br><br><br>でも、蒸しパン作りだってリベンジを繰り返すのだ。文章だって、諦めずに続けて書き続けたら光が見えてくるのかもしれない。成功した暁には、美味しい蒸しパンと鳴り止まないスキ通知に嬉しい悲鳴を上げるのだ。<br><br><br><br>そんなことを考えつつ、レシピ本をパラパラとめくる。目に留まったのは中国風蒸しケーキ、マーラーカオ。今度は15センチの型ではなくて、火が通りやすいカップケーキで作ってみようと思う。<br><br><br><br>リベンジあるのみ！文章も蒸しパンも。上手くできるのはいつになるのか分からないけれど、両方とも奥行きの深さに、「舐めたらいかんぜよ」と心を引き締めたのだった。</p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n95660ef9cb0d'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 09 Apr 2026 15:29:32 +0900</pubDate>
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      <title>ギスギスしたコロッケ</title>
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      <description><![CDATA[<p name="ce9cb408-4de5-4c6e-802e-be40589095b8" id="ce9cb408-4de5-4c6e-802e-be40589095b8">ここしばらく節々の痛みが酷すぎて、尋常じゃないその痛さにとうとう病院に駆け込んだりして散々だった。一時期悪玉コレステロールの数値が高かったのでスタチン系のお薬を飲んでいたのだけれど、これが筋肉を溶かして歩けなくなる「横紋筋融解症だ」という噂が出回っているし、薬剤師さんにもそうではないかと言われていたので、恐れおののいて病院へと駆け込んだのだった。<br> <br> <br> <br>結果「どの数値も正常だったので違うでしょう」ということになったのではあるけれど、痛いのは変わらず。少しはマシになったものの、相変わらず電気毛布で足を温めながらうんうんと唸っているここ最近だ。検査してもらって異常がなかったら安心して治ってしまうとか、そういうのを期待していたけれど、そんなに甘くなかった。<br> <br> <br> <br>雨が続いているので天気病なのか、痛み止めを続けて服用していたから副作用で痛みが激しいのかは分からないけれど、あんまりいい感じではない。お天気が良くなってきたら痛みが引いてきたのでやっぱり天気病だったのかもしれない。とにかく、ややこしい症状ではないらしいので一安心ではある。<br> <br> <br> <br>病院に行く前の日に、夫に「もしかしたら横紋筋融解症かもしれない」と言ったのがいけなかった。途端に夫は怒鳴り散らしだし、何か私が病気かもしれないことを全力で責めている感じだった。色々と調べてはくれるのだけれど、癇癪を起こしている感じで怒鳴り散らしが止まらない。<br> <br> <br> <br> <br>その日はコロッケを作った。夫のリクエストに応えてのことなのだ。たくさんのじゃがいもを少なめのお湯でゆでたので、芯が残ってゴリゴリした感じの生地になってしまった。本調子でない時は何か失敗をしてしまう。レンジの６００Wで１５分ほど過熱してみると、ゴリゴリ感が無くなった生地に変身した。足がズキズキするのをこらえて、喜ぶだろうと苦心して手間暇かけて作ったのに、夫はせっかくの熱々の大きいコロッケを二つとも険悪な表情を浮かべたまま飲み込むようにして食べてしまった。正面に座っていた私もその険悪な空気に飲み込まれて、コロッケを食べても味がしなかったくらいだった。<br> <br> <br> <br> <br>「この人は……」と私は思う。「私が寝込んだりしてしまうと家が廻らなくなる恐怖に耐えられなくて、こんなにも怒鳴り散らしているんだろうか。私が欲しいのはいろんな情報を険悪な空気の中で渡されることじゃない。ただ優しい言葉ひと言でいいのに」と。なんだか私の気持ちもギスギスしてきて、口に入るだけコロッケを突っ込むと、早々と自分の部屋に引っ込んだのだった。<br> <br> <br> <br>翌日の検査は異常なしだった。結局私の体はややこしいことにはなっていなかった。それでも夜になると、電気毛布のスイッチを入れて、私は独り、節々の痛みを温めている。悲しいうめき声が部屋に小さくこだましている。<br> <br> <br> <br>次は焼き豚を作ろう。<br> <br> <br> <br>怒鳴り散らされた夜の味のしないコロッケを思い出しながら、それでも私の頭の中は次の日の献立を考えている。私の体を故障させるわけにはいかない。多分死ぬまで働き続けるんだ。病気をする暇なんてやっぱり私にはないんだなぁと思いながら、体を平たくして電気毛布で痛むところを温め続けるのだった。</p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n3a2ec34d112b'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 03 Apr 2026 14:50:31 +0900</pubDate>
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      <title>我が家の官報掲載率は７５％――つんつるてんの母の矜持</title>
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      <description><![CDATA[<p name="0e1be93b-3eb5-4b16-95f1-7bb818c6cf3e" id="0e1be93b-3eb5-4b16-95f1-7bb818c6cf3e">先日娘から、内示が出て希望の部署に異動が出来たと連絡があった。市役所のデジタル推進課情報システム担当になる。二年前くらいから自主的に活動にも参加して、試験も受け国家資格２種（基本情報技術者）を取得していたし、今回はAWS（アマゾン　ウェブ　サービス）のCertified　Cloud　Practitionerの試験にも合格したという。<br><br><br><br>私はその知らせを聞いた時、胸を撫でおろしたし本当に嬉しかった。けれど、鼻の奥がつんと痛くなって涙が出てきたのは嬉しかったからではない。ただ一人ぽつんと取り残されてしまった気がして、とんでもない孤独を感じたからだ。<br><br><br><br>我が家は私以外みんなが官報に載る資格を持っている。夫は十年以上会社役員をしてきたし、息子は司法書士試験並みに難関と言われるITのシステム監査技術者（AU）の資格を持っている。娘も基本情報技術者の資格を持つから、私一人だけが何も持たない「つんつるてん」なのだ。<br><br><br><br>子供が親を超えていくのは、何にも代えがたい親孝行なのだと思う。けれど、大人になって羽ばたく一歩一歩が大きくなっていくので、取り残された感覚がどんどん大きくなる。専業主婦というのは何の資格もなく、世の誰に認められるでもなく、華やかな職業でもない。何なら寄生虫とまで言われるこのご時世に、料理に心を注いでもどんなに家族を想っても「すごいね」とか「頑張ってるね」というセリフとは縁がない。<br><br><br><br><br>家族が集まると、息子と娘は専門用語の応酬のような会話をする。『クラウド』や『アーキテクチャ』のような、どこか遠い国の呪文が飛び交うような中で、私はひたすらに、娘や息子が「久しく食べていないよ」と言う牛肉のワイン煮の入った鍋を用意したり、喜びそうな食材を使った料理をテーブルに出す。<br><br><br><br>まるでどこかの店で頼んだ料理が出てきたみたいに、みんなは話に夢中になりながら、手を伸ばして料理を口に運ぶ。私は心の中で「ここは飲み屋じゃない！」と叫びながら、それでもみんなを喜ばせようとほぼ徹夜で作った料理を並べるのだ。<br><br><br><br><br>みんなにとっては当たり前に出てくる料理。けれど、それを食卓に出すまでには一週間ほどかけて買い出しに行ったり、献立を考えたり、時間を逆算して料理を並べる順番を考えてほぼ徹夜で作ったりするのだ。そんな努力をしていても何の資格にもならない。けれど、「美味しい」「これはどうやって作ったの？」「これはワインが合うね」という何気ないひと言たちは、私にとってこれ以上ない勲章になる。<br><br><br><br>みんなが世の中で戦ってきた疲れを癒すために、これから働きに出る馬力をつけるために、床を磨き、料理を作る。それは、私にとってただ機械的にすることではない。夫や子供たちの瞬間の表情を読み取り、調子を整えるためのセンサーがいつも働いているのだ。<br><br><br><br>そんなことに思い巡らせていると、少し孤独感が和らいできた。家族みんなが専門職に就いているという誇りを専業主婦という最高にアナログで地味な専門職で労う。いいじゃないかそれで。私は背筋を伸ばして深呼吸をする。みんなが戦いに疲れて帰ってくるのを労って、また新しい気持ちで戦場へと向かうことが出来るように、そのために私がいるのだから。<br><br><br><br><br>今度みんなが帰ってきたら、キッシュを作ろう。あれもこれも作って食べてもらおう。そして、馬力をつけてもらって世の中で活躍してもらうのだ。縁の下の力持ちは、黒子は、華やかな世界には必ず必要なのだと。<br><br><br><br><br>私はいつもの元気を取り戻しつつレシピ本を手に取ると、ページをめくりながら次の家族会に向けて準備を始める。官報に載る名前も、肩書を証明する免許証も持たない、相変わらず「つんつるてん」な私だけれど。それでも世界一難解な「家族の幸せ」というシステムを裏で支え、今日もフリーズさせずに動かし続けているのは、まぎれもなくこの私なのだ。<br><br><br><br>次の家族会が楽しみだ。腕が鳴る、腕が鳴る。必ず新しいメニューを挟み込むのが私のセオリー。さぁ、どんなキッシュを作ろうか。私の胸が既に高鳴っている。</p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nd03f934fbec7'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 27 Mar 2026 13:55:26 +0900</pubDate>
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      <title>不幸という名の鎮痛剤を捨てて。エナジーバンパイアから卒業する春</title>
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      <description><![CDATA[<p name="9fa5fb98-85be-4c80-9fb4-da3dc23ada7c" id="9fa5fb98-85be-4c80-9fb4-da3dc23ada7c">今、わたしは燃え尽きている。何を見てもなんだか面白くないのだ。<br><br><br><br>長年の付き合いのエナジーバンパイアでありドリームクラッシャーでもある叔母と遂に距離を置いたせいではないかと思う。<br><br><br><br>日常のことはきちんと回っているのに、何を見ても彩がないというのか…。叔母とは何度か堪忍袋の緒が切れて距離を置いたことがあるのだけれど、辛いことが起こった時や、いい感じで自分の暮らしを謳歌し始めると連絡が来たりして、ずるずると元の関わりに戻ってしまっていた。<br><br><br><br>叔母はエナジーバンパイアやドリームクラッシャーをそのまま絵にしたような人だ。そこに頼ったりしてきたわたし自身にも問題はかなりあるのだけれど、なんというのか呪文のように耳元で繰り返し囁く「わたしの不幸を喜ぶ声」や、「わたしが生きることを楽しむのを阻もうとする言葉」を長年電話で聞き続けてきた後遺症が大きいのか、距離を置いた途端に体の力が抜けたような気がする。<br><br><br><br>傷つけられないように無意識のうちに全身に力を入れていたのかもしれないし、距離を置かなければと思う気持ちとは裏腹に、切り捨てられない自分の弱さと自分自身の本心のせめぎ合いに疲れ切っていたのかもしれない。<br><br><br><br>なぜ長年にわたって付き合いを続けてきたのかというと、そういう悪魔のように囁く人との付き合いは、麻薬をやめる時のように中毒性が強くてすぐに振り出しへと戻ってしまうからだ。アルコール依存症の人がお酒を飲むのをやめられないのと同じように、晴天のように幸せでない人間にとっては不幸を喜ぶ人の甘い言葉は鎮痛剤のように作用する。<br><br><br><br>わたしがあまり満足が行かないことや辛いことには、殊の外甘い言葉を並べる。叔母にとっては蜜の味がするのか、人が聞きたがらない話に驚くほど真剣に耳を傾ける。それが分かっていながら甘言に絡め取られていたわたしも相手を利用していたことになるのだろうけれど。<br><br><br><br>その叔母と距離を置くきっかけになったのは、自分の暮らしが安定したリズムを刻めるようになってきたからなのだと思う。何を話しかけても、わたしの楽しい話に対しては聞いていないことがはっきりと分かってきたからだと思う。不幸な匂いのする話が格段に減ってきたからだろう、叔母にとっては面白くない話を聞かなければならないことが増えたから、まともに話を聞かなくなったのだ。<br><br><br><br>聞いてくれなくなったということは、わたしが人間としてまともに機能し始めたということなのだと思った。「この関わりからやっと卒業できるのか」そう思うと、どこか虚ろな中毒症状を抱えたままのわたしに、青い空が見えた気がしたのだった。<br><br><br><br>ただ、その症状から抜け出すのは容易ではない。だから、わたしはずっと手を動かすことに集中している。冷蔵庫の中に瓶が増殖して食材すら入れる場所がなくなるほどジャムを作ったり、手の込んだスープを作ったりして気を紛らわせる。<br><br><br><br>今までならすぐに電話に手が伸びていた。けれど、もう二度と振り出しには戻らない決意がある。耳元の悪魔の囁きに絡め取られていては、多分自ら奈落の底に落ちていく未来しかないのだと思う。身体は慣れ親しんだことを好むから、それに抗う自分の心の強さに頼るしかない。<br><br><br><br>耐えるという苦痛の中にちらりと見える青い空が、私の今の何よりの緩和剤だ。中毒症状が消えていくのはどれくらいかかるのかは分からないけれど、あの青い空の下を笑って歩けるようになる為なら乗り切れる。今は彩がないように見えるこの世界に、ひとつずつ彩を持ち始める春の訪れを待ちながら、土を破り芽を出すふきのとうのようになりたいとわたしは思っている。</p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/na59d67db7e1e'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 20 Mar 2026 21:18:44 +0900</pubDate>
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      <title>苺ジャム（樋口直哉さんのプリザーブドスタイル）を作ってみました</title>
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      <description><![CDATA[<p name="3e646f2e-6224-41ea-9321-9ccf63ec1a87" id="3e646f2e-6224-41ea-9321-9ccf63ec1a87">橙マーマレードを作ってからというもの甘夏マーマレードを作ったりしてたのですが、苺が安価で出回るようになったので、いちごジャムをせっせと作る日々です。（孫ちゃんがジャムを塗ったパンが好きだという娘のリクエストに応えて喜ばそうと頑張っています）<br></p><figure data-align="center" name="3B181B11-9C9D-4CC6-B8E8-FE43A5A8DA35" id="3B181B11-9C9D-4CC6-B8E8-FE43A5A8DA35"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/259538906/picture_pc_e18d745bb5ec171c79ee1df9b029a63d.jpg" width="620" height="826" id="image-3B181B11-9C9D-4CC6-B8E8-FE43A5A8DA35"><figcaption></figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n5ff8028d3069'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Mon, 16 Mar 2026 13:23:03 +0900</pubDate>
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      <title>防災備蓄品を集めはじめました！大人用オムツまで備蓄する切実な理由</title>
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      <description><![CDATA[<p name="4620e927-2102-46bd-88e7-67f0f62f40f7" id="4620e927-2102-46bd-88e7-67f0f62f40f7">迎賓館の前編の記事を書いてから、はや10日。続きを書こうと思っていたはずが、私の心は迎賓館を飛び越えて『我が家の防災』にまっしぐらです（苦笑）。きっかけはYouTubeのオススメ動画。五年前に一度備蓄を始めたわたしに夫が放った冷ややかな反応を思い出し、ずっと気兼ねして我慢してきましたが……ついに限界突破。今のわたしの頭の中は、ライトの建築より「家族を守る備え」で一杯です。<br><br><br><br>いろんな方の記事を読んではいるのですけど、防災関連の記事はまだ一度も目にしたことがないので、皆さんはどうしていらっしゃるんだろうと不思議に思っています。昨日も今日も地震が多発しているから備えてくださいと携帯に通知が入ってくるので、そろそろ用意をしておかないと大変なことになるのではないかと不安です。<br><br></p><figure data-align="center" name="0AE9DC59-C4C9-4FDF-947A-D7F90CFF03FF" id="0AE9DC59-C4C9-4FDF-947A-D7F90CFF03FF"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/257573496/picture_pc_234c81c96cae1a1a5d50fbd7900ba2a7.jpg" width="620" height="826" id="image-0AE9DC59-C4C9-4FDF-947A-D7F90CFF03FF"><figcaption></figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n3cce99276c4f'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Sun, 08 Mar 2026 20:52:40 +0900</pubDate>
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      <title>100年前の光に誘われて。ヨドコウ迎賓館と、鍋の中で待つ救世主（前編）</title>
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      <description><![CDATA[<p name="233dfdb6-ee4e-45d2-8504-4999f0e661f6" id="233dfdb6-ee4e-45d2-8504-4999f0e661f6">先週の土曜日、私はルンルンとした気分で家を出た。行き先は、芦屋にある「ヨドコウ迎賓館」。優雅な雛人形展に招待されたのだ。<br> <br> <br> <br>浮き立つ気持ちを抱えつつも、主婦としての「防衛策」は忘れない。お出かけの日は、帰宅後の自分を助けるために晩ごはんを仕込んでおくのが私のルールだ。<br> <br> <br> <br>今回のメニューは「おでん」。<br>二つの大きな鍋いっぱいに、大根やジャガイモ、鶏肉を詰め込んで、三時間以上じっくりと煮込む。<br> </p><figure data-align="center" name="01345B41-8FA5-4ABA-A43B-0ABB0DD3FC83" id="01345B41-8FA5-4ABA-A43B-0ABB0DD3FC83"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/254793394/picture_pc_741a02bc26a43f7c6a811148afd6f7e0.jpg" width="620" height="826" id="image-01345B41-8FA5-4ABA-A43B-0ABB0DD3FC83"><figcaption>これが噂の救世主です(笑)</figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n85e702233b11'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 26 Feb 2026 15:41:40 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>誕生日ディナーと甦る10年前の記憶</title>
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      <description><![CDATA[<p name="80dfe9c8-1fde-460a-803e-62c25c1de884" id="80dfe9c8-1fde-460a-803e-62c25c1de884">今月17日はわたしの誕生日なので、誕生日祝いに夫が食事に連れて出してくれた。窓いっぱいに広がる夜景、少し暗めのムーディーなオレンジ色の光、次々に出てくる料理。それは、今のわたしがここにいてもいいのだと、肯定してくれるかのような演出だ。<br><br><br><br><br>ペンダントライトのオレンジ色のあたたかな明かりの中で交わす乾杯。おめでとうの優しい声。思わず笑ってしまうような楽しい会話……。そんな時間を二人で過ごすことが出来るようになるとは二年前には自分でも想像できなかった。記念日に食事をするようになったのは去年からで、それまではそんなことをするような夫婦ではなかったからだ。<br><br><br><br>一番ひどかったのは十年前あたりだろうか。テーブルでわたしがみんなと一緒に食事をしようとすると夫が舌打ちをするので、一人台所で立って食べるのが日常だった。「一緒のテーブルで食うな」と、無言の牽制をされて、みんなに食事を出した後にする台所での一人での食事は、まるで砂を嚙むようだった。ただ胃の中に流し込むだけの食事。味を感じない料理。早く食べ終わりたくて、いつの間にか飲み込むように食べる癖がついていた。<br><br><br><br><br>過去のわたしは、夫に対して優しさを期待もしていなかった。ひどい木枯らしの中にいつもひとりぼっちで立ち尽くしているような感覚のまま、ただひたすら家事をこなすだけだった。無機質な換気扇の音を聞きながら一人で食器を洗い、食事を作り続けた。ただひたすらに、がむしゃらに。それだけだった。求めるだけ辛い思いをする。それを思い知っていたからこそ家事をすることに一心不乱に取り組んだのだった。<br><br><br><br><br>人間扱いされていなかった日々の屈辱感をふと思い出して、ジュースのグラスを持つ手に思わず力が入る。気づかないうちにあの頃のように奥歯をぎゅっと嚙みしめていたわたしは、我に返る。わたしの目の前には、昔の気難しい夫の顔ではなく柔和な笑顔の夫がいた。<br><br><br><br><br>一体どうやって今のような関係になったのだろう？別に特別なことをしたわけでもない。ただ、夜明けが来るように、ある日気づいたら今の和やかな関係に近づいていっていたのだ。<br><br><br><br>いつの間にか私の作った食事に対して、小さな声で「美味いな」とつぶやくようになっていた。<br><br><br><br>その言葉を聞いた時、わたしは嬉しさのあまりに体の力がかくんと抜けたようになったのだった。それからは本当に少しずつ、少しずつ……関係が良くなってきたような気がする。<br><br><br><br><br>ふっと窓の外を見る。たくさんのビルが点灯していて、そばを走る高速の車のテールランプが赤く美しく光っている。「ああ、もう苦しまなくてもいいんだ」一瞬の過去への回想から引き戻されたわたしは、何事もなかったかのように「夜景が綺麗。これは記念に写真を撮らなくちゃ」と夫に話しかける。それからは、「ズームにしたほうがいい」とか「こっちの景色のほうがいい」とか、普段通りの会話に戻るのだった。<br><br><br><br><br>デザートになると、夫が希望したのだろう、私の名前と年齢が書かれた誕生日を祝うプレートがテーブルにそっと置かれた。もう揺らがない、しっかりと繋がった夫婦の絆を嚙みしめながら、わたしは夫に「ありがとう」と今日一番の笑顔を見せたのだった。</p><figure data-align="center" name="2FE57D05-FA78-4267-B0D0-F9D743146992" id="2FE57D05-FA78-4267-B0D0-F9D743146992"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/252689192/picture_pc_42878625427705836cb597c809347817.jpg" width="620" height="826" id="image-2FE57D05-FA78-4267-B0D0-F9D743146992"><figcaption></figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n9aa5f36f2d20'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 18 Feb 2026 13:56:21 +0900</pubDate>
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      <title>橙尽くしの週末。お風呂とジュースとほろ苦マーマレード</title>
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      <description><![CDATA[<p name="3b832414-3ab2-43e3-8e57-51dac8405493" id="3b832414-3ab2-43e3-8e57-51dac8405493">今週は庭の橙の収穫をした。５０個くらいだと思っていたら、考えていたより多くて、１５０個ほどあった。<br></p><figure data-align="center" name="12FC9033-A3D9-442E-AC53-4B6A4C5425D7" id="12FC9033-A3D9-442E-AC53-4B6A4C5425D7"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/251658731/picture_pc_499ddfcf8e625122b88801e60b9e7d7e.jpg" width="620" height="826" id="image-12FC9033-A3D9-442E-AC53-4B6A4C5425D7"><figcaption></figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nf719c153dd96'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Sat, 14 Feb 2026 16:12:20 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/chiko_8739/n/nf719c153dd96</link>
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      <title>鍋在庫総動員、二月の家族会</title>
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      <description><![CDATA[<p name="dc7c8b2d-422b-48ba-8c37-df58dc26287e" id="dc7c8b2d-422b-48ba-8c37-df58dc26287e">二月七日の土曜日に家族会をした。わたしの渾身の料理を振舞う会でもあるので、楽しみでもあり重荷でもあるのだけれど、今回は思っていたよりもみんなの反応が良くて嬉しかった。<br><br></p><figure data-align="center" name="EACDAE4F-2EF4-4771-A5C9-FE28F625DD5A" id="EACDAE4F-2EF4-4771-A5C9-FE28F625DD5A"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/250144633/picture_pc_d8f599c95616c096fb71d20001872c97.jpg" width="620" height="826" id="image-EACDAE4F-2EF4-4771-A5C9-FE28F625DD5A"><figcaption></figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n0f9984a7295c'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Sun, 08 Feb 2026 18:08:24 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/chiko_8739/n/n0f9984a7295c</link>
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      <title>フレンチと、二個四百円の赤福餅</title>
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      <description><![CDATA[<p name="2c40fa69-4aea-43e5-88ab-8efddbb06ea5" id="2c40fa69-4aea-43e5-88ab-8efddbb06ea5">先週の今ごろは伊勢神宮への参拝を終えてホテルにチェックインしていた。今年で五回目になる伊勢への一泊旅行だ。泊まるホテルは相変わらずリーズナブルな所なんだけれど、そのホテルのフレンチがとても美味しくて毎年そこで食事をするのを楽しみにしている。<br><br><br>いつも、そこでの食事はあんまり気取らずに居られる。夫と二人で笑いあったり冗談を言いあったりできるところも好きだ。今回はメニューに出てくるフランス語で盛り上がった。私も夫もフランス語は全く分からない。お菓子を作るときに出てくる言葉がうっすらとわかるだけで皆無に近い。なので、夫がメニューを見ながら訊いてくる言葉を文脈で想像して答えるというゲームのようになった。<br><br><br>「カレイの軽いグラチネって何？」と訊かれると、<br>「軽いグラチネって書いてあるから、焼き加減のことかも」と想像力を最大に稼働させてわたしは答える。<br><br><br>「分からんなぁ」と言いながら、夫はそっとテーブルの下で携帯を叩く。どうやら「グラチネ」の正体を突き止めたらしい。<br>「魚や野菜のグラチネは、旬の食材にソースとチーズを書けて焼き上げた、グラタン風の料理って書いてある。フランス語で料理の表面をオーブンやグリルで加熱し、香ばしい焼き色をつける料理法、らしいわ」<br>そういう夫の言葉に、<br>「お～、当たってるよね！」とわたしは胸を張る。<br>そして、胸を張っている私を見て、夫もつられて笑う。<br><br><br>「グラニテ」とか「ガトーオペラ」とかクイズを出しあうように二人でキャッキャッと話していると、<br>お隣に座っていらしたご夫婦も「フランス語には慣れませんなぁ」と参戦してきて、本当に楽しい食事となった。<br><br><br>そんな和やかな食事の時間はなかなか普段は取れなくて、食事を作ってアツアツを出すことに殺気立っているわたしにとっては、とても嬉しい時間だった。<br><br><br><br><br>あくる朝は、早めに出発して二見ヶ浦に行き、伊勢市駅で大阪難波行きの電車の時間を待っていたら、目の前の赤福餅の売店がとても賑わっていた。風が強く吹きすさんで荷物をぎゅっと抱きしめた状態のわたしが、<br><br><br><br>「お父さん、赤福餅が食べたい」<br>独り言のような、それでいて話しかけるような調子で呟くと、<br>「赤福なぁ、一箱八個も入ってるから多すぎるわ。やめとけ、やめとけ。俺四個も五個も食べられへんぞ」とショウケースを首を長く伸ばすように覗き込んでいる夫が返事をする。<br><br><br>それもそうだと思ったわたしは、<br>「そしたら、来年赤福のお店でお茶しながら赤福餅を食べよう！」<br>潔く諦めたふうに言いながら、ショウケースを横目で眺める。<br><br><br>「ちょっと待てよ」<br>そう言って、ショウケースに近づいた夫は、無いと思っていた二つ入りの赤福餅を見つけ出した。<br>「あるぞ！二つ入りがあるから買うたろか？」<br>夫も少し乗り気になっている。<br><br><br>「買う！買うて！」<br>その言葉を逃すまいと、わたしはその言葉に飛びついた。<br>びゅうびゅうと吹く風が突然気にならなくなる。<br><br><br>夫は二つの箱入りの赤福餅を売店の人に出してもらって椅子に戻ってくると、<br>「二つ入りで四百円やって」<br>と、目をまん丸にして言う。<br><br><br>「八個入りで九百円やのに、二つで四百円？？」<br>「高いィ～」<br>と二人で笑う。<br><br><br>「わぁ、お高い赤福餅、食べたら口が腫れるかもしれんね」<br>わたしはついついそんなことを言う。<br>「でも嬉しいわ。何年振りなんかな、赤福～」<br>わたしはそう言うと、ぎゅうっと赤福餅が入った袋を抱きしめたのだった。<br>お洒落なフレンチも素敵だけれど、ちょっとお高い赤福餅を日本茶でいただくのもいいなぁと話しながら、私たちはいそいそと家路についたのだった。<br><br><br><br>帰宅してすぐに、お気に入りのお茶を淹れた。お高い赤福餅はやっぱり格別の味がした。<br></p><p name="9A303643-3992-4753-9B91-DB9E0741B5F9" id="9A303643-3992-4753-9B91-DB9E0741B5F9"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nf568307a52bc'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 29 Jan 2026 17:31:31 +0900</pubDate>
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      <title>鍋屋敷の住人～私が鍋と両想いになりたい理由～</title>
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      <description><![CDATA[<p name="8a2d075b-9364-43c4-ad9d-0b64b2c38f19" id="8a2d075b-9364-43c4-ad9d-0b64b2c38f19">悩んでいる。今、わたしは悩んでいる。<br>新しく鍋を買い足そうか、どうしようか。<br><br><br>ヘッダーの写真を見ていただくとわかるのだけれど、我が家には比較的鍋が多い。写真以外にもまだあるのだけれど、綺麗なものだけ写真を撮ってみた。ストウブ鍋四つ、ジオの鍋二つ、その他の三層鍋五つの、鍋屋敷なのだ。なのに、少なくともあと二つ買い足したくてたまらなくなっている。22センチのピコ・ココットのバジルグリーン色と、20センチのwa-nabeのシフォンローズ色が欲しくてたまらない。 <br><br><br>特にストウブ鍋というのは「大は小を兼ねない鍋」なので、その料理ごとに必要なサイズの鍋が欲しくなるのだ。うちは今は夫と二人暮らしなので普段はそんなに大きな物はあまり必要がないのだけれど、子供たちが帰ってくるとなると話が変わってきて大きなものが必要だったりするので、全サイズ揃えたくなってくる。<br><br><br>かと言って、ずっとこの鍋たちがフル稼働しているかといえばそうでもない。無水鍋でもあり、弱火でとっても美味しい料理が出来上がるけれど、具材が姿をとどめなくなってしまうような料理がわりと多いので、使わない時は使わない。<br><br><br>美味しく出来上がるものとしては、豚の角煮、イワシの黒酢煮、カレー、ポトフ、肉じゃが、ミネストローネだったりアクアパッツァだったりするけれど、ストウブ料理研究家の大橋由香さんでさえ、手抜きご飯と言いつつごった煮を推奨しているくらいだ。けれど、具材が姿をとどめなくなってしまうような料理にはわたし自身は正直気が向かない。<br><br><br>大橋由香さんのレシピはストウブの特徴をしっかりと掴んでいらしてとても美味しい料理が出来上がるから大好きなのだけれど、鶏と白菜の煮物とかいうのは「美味しいです」と言ってらしても作る気が出ない。鶏のモモ肉と切った白菜を鍋の蓋が閉まらないほど入れて塩をするだけで煮込むのだ。その過程を見ているだけで胸やけを起こしそうになったほどだった。（多分私の家族は喜ばないし）わたしは具材の姿が残って目に麗しい料理を作ることを楽しみたい派なのだ。<br><br><br>写真に写っているステンレスの鍋も、ジオ・プロダクトの七層鍋で愛用している。この鍋は錆びる心配もなくシーズニングもしなくていいし、使いやすくて好きだ。ストウブもジオも捨てがたい。ザ・鍋愛である。<br><br><br>新たに二つの鍋を迎え入れたいのだけれど、置く場所が段々と無くなってきているのも迷っている理由だ。鍋というのは、パッと使える距離に置けていないと活躍してくれなくなるからだ。多分、料理する人間と鍋は相思相愛でないといけないのだと思う。鍋に呼ばれて料理を作り、料理がしたくて鍋を手に取る。気持ちに少しでも距離が出来てしまうと、鍋は家の中の片隅に追いやられて埃をかぶっていじけて出てこなくなってしまう。<br><br><br>だから、台所にスペースを作って新しい鍋を迎えようと思う。使わないもの（は無いと思うのだけれど）を片付けよう。ピカピカの鍋が喜んで来てくれるように。<br></p><p name="2C2850C8-91B2-4468-AA4A-2C92E80D2121" id="2C2850C8-91B2-4468-AA4A-2C92E80D2121"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n50794aa671d2'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Sun, 25 Jan 2026 04:52:29 +0900</pubDate>
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      <title>一ミリのもぞもぞの衝撃</title>
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      <description><![CDATA[<p name="909c4259-2a4b-402e-a066-54702232698f" id="909c4259-2a4b-402e-a066-54702232698f">「あけましておめでとう」の気分も冷めやらぬ、少しゆとりが出来た日のこと。<br><br><br>暇つぶしに携帯でYouTubeを見ていたら、画面の上で小さな点のようなものがうごめいたように見えた。<br><br><br>目を凝らしてじっと食い入るように、その点を見つめる。一ミリほどのその点は、ただじっとしていたのだけれど、足のようなものをうごめかせていた。よく見る本の隙間ににいるような丸いダニではなかった。けれど、多分今まで見たことのない一ミリのそれは、普段は目視できないような布団や埃の中に生息するダニのようだった。<br><br><br>わたしの背中にぞわりと鳥肌が立つ。どこから携帯に上がってきたのだろう。気持ちの悪さに背中から首にかけてこそばゆくなっていって、肩に力が入ってきたのだった。<br><br><br>「げ～っ」<br><br><br>変な声が出た。けれども、そのダニであろう点から目を逸らすことができない。ダニなんて人間と共存しているようなものだから気にすることはないのかもしれないけれど、こんなところにまで出てきてしまうのは、もしかしたら大量繫殖しているのかもしれないのだし。<br><br><br>「どうしよう……」そう呟きながら、わたしは頭をフル回転させるのだった。そして、やっぱり考えはベッドの、ダニ高級ホテル並みの発育に快適なお布団環境に行き着く。<br><br><br>わたしは、しばらくの間使っていなかった布団乾燥機を納戸から稲妻のようないきおいで出してくると、毛布と布団カバーとシーツは洗濯機へ。いつもよりたくさんの洗剤を投入して回し、布団乾燥機をベッドに装着して熱風攻撃を開始した。<br><br><br>YouTubeでダニの駆除の検索をすると、布団乾燥機でしっかりと乾燥させてから掃除機で丁寧にダニの死骸や糞の粉を吸い取るといいらしいと出てきた。真夏なら黒い袋に布団を入れて車の中に２，３時間置いておけば高温で死滅するらしいけれど、今は真冬。乾燥機もいいそうなので、ガンガン四時間ほど乾燥させたのだった。<br><br><br>そして、布団用掃除機でていねいにゆっくりと掃除機をかける。じっくりと中腰で掃除機をかけつづけたので、正直腰が笑って死ぬかと思った。<br><br><br>毛布やシーツは幸いお天気も良かったので、その間に乾いてくれた。うちには洗濯乾燥機がなくて、こういう時にはとても困るのだけれど、この際仕方がない。そんなこんなで、その夜は何とか安心して眠れる環境を作れたと思う。<br><br><br>年の暮れから掃除を念入りにしていたのに、一ミリの点のおかげで更に猛烈ハードな一日になった。けれど、これからは定期的に念入りに、布団乾燥機を稼働させる日々が続きそうだ。<br><br><br>清潔な環境は心地よいけれど、それを常に維持するのはやっぱりハードだ。毎日一日中家を掃除し続けるなんてずぼら主婦の私にはハードルが高すぎて無理だ。けれど、一ミリのもぞもぞを見るよりはマシかもしれない。<br><br><br>「く～っ、笑う腰がつらい！」と腰を擦りながら、わたしは今年の目標を決めた。「ダニと戦う」だ。よし。頑張ってみよう。そうしよう。</p><p name="F493C960-2B06-43C0-A802-7B6F0206233B" id="F493C960-2B06-43C0-A802-7B6F0206233B"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n31e956112347'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 15 Jan 2026 04:28:52 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/chiko_8739/n/n31e956112347</link>
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      <title>頬からムカデ、ぱさぱさの文章、ときどき伊勢のフレンチ</title>
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      <description><![CDATA[<p name="092edf74-c711-4488-9189-5aa40b58288e" id="092edf74-c711-4488-9189-5aa40b58288e">もう十日を過ぎようとしているのに初夢の話は遅いかとは思ったのだけれど、今年に入って記憶に残る夢をなかなか見なくて、やっと七日に初夢を見れたので書いてみようと思う。<br> <br> <br>自分の顔を鏡を見てみると頬に黒い点が二つできていて、「あ、ニキビが出来たのかな」と両手の親指で黒い点を挟むようにして絞り出そうとしたら、うねうねと動くムカデが中に寄生していたらしくぞろぞろと三十センチほどある大きなのが出てきたのだ。<br> <br> <br>ふさふさと手足の長い赤銅色のムカデが私の目の下辺りでうごめいていた。あまりのショックにもう一つの黒い点は触れなかったのだけれど、もう一匹が顔に寄生していると思うとゾッとして飛び起きたのだった。<br> <br> <br>「これが初夢なんて」とがっかりしたのだったけれど、調べてみると、「強いストレスや嫌悪感」を象徴することもあれば、足が多いことから「商売繫盛や金運アップ」を象徴することもある、非常に極端なシンボルなのだそうな。<br> <br> <br>確かにお正月の忙しさは半端なかったから疲れていたのだろうけれど、せっかくなので、商売繫盛と金運アップが今年の象徴として見られたのだと思うことにした。<br> <br> <br>悩みが大きかったとして３０センチのムカデとなって現れたとしても、それがぞろぞろと出てきたということで、大きなデトックスが完了してスッキリするとも見れるので、今年一年かけて状況が好転すると見れるとも思える。<br> <br> <br>体からムカデが出る夢は「金運の好転」や「臨時収入」を暗示するケースが多いそうで、ちょっとワクワクできるし、頬から出たのは、対人関係がスムーズになったりすることで幸運が舞い込むという吉夢だそうだ。<br> <br> <br>まぁいい夢をみられたのだと思って、気持ち悪くもあるけれど、嬉しい夢だった。<br> <br> <br>＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊<br> <br> <br>文章を書くということは、集中してそういう世界にアンテナを張って、心の中に常に文章が渦巻いているような状態が理想だと思うのだけれど、いかんせん、主婦という雑然とした日常を過ごしていると料理のほうに気持ちが行ったり注意が逸れたりすると、書く文章がぱさぱさになってしまう。<br> <br> <br>しっとりとした文章を書きたいと思っているのにごちゃごちゃとした感じのものしか書けなくなっていて、特に去年の１１月の息子の手術以来気持ちが入りづらくて、やっと乗ってきたと思ったのも束の間、地に落ちている感が自分自身ですごく強い。もう少し落ち着いたら、また根を詰めて書いてみたいと思ったりしている。<br> <br> <br> <br>＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊<br> <br> <br> <br>月末に伊勢神宮に初詣でをする予定なのだけれど、いつも家に籠っていて出不精になりすぎている私は、電車に乗るのも少し億劫だ。<br> <br> <br>けれど、毎年泊まるホテルのフレンチが美味しくて、それにつられて出掛ける勢いがつく。そのお楽しみと伊勢のいい空気と景色を堪能するのも一年に一度のお清めとしてはいいかなと思ったりもする。<br> <br> <br>必ずセットで訪れるのが二見ヶ浦の夫婦岩で、毎年私たちの健康と夫婦円満を祈願している。今年もお天気に恵まれていい旅が出来たら嬉しい。<br> <br> <br>ムカデで始まった今年一年。<br>初夢が良い意味で当たりますように。</p><p name="52E87E45-76C8-4EC5-AD39-51210679DEA8" id="52E87E45-76C8-4EC5-AD39-51210679DEA8"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n0cd1b866d1cf'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 09 Jan 2026 17:32:54 +0900</pubDate>
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      <title>鯛を求めて三千里。百貨店を奔走した私の年末年始</title>
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      <description><![CDATA[<p name="31d2f2e6-5fea-4265-bb47-bf90dd5b56b4" id="31d2f2e6-5fea-4265-bb47-bf90dd5b56b4">昨年の末に、新年を祝う鯛を求めて百貨店を阪急、阪神、大丸の三軒を行脚した。今年は水揚げ量が少ないからないのだと断られたり、生の鯛は売っていませんと断られたり。大丸まで行ってようやく「今明石からの鯛を待ってるから」と生の立派な鯛を譲ってもらった。<br> <br> <br>お正月の祝い鯛がないと年始から締まりがないのでどうしようか焦ったけれど、なんとか手に入れることが出来て良かった。いつもの大きさより大きかったので、親戚が集まった時用と家族用の二尾の鯛はとても重くて持って帰るのに手が痺れそうだった。<br> <br> <br>無事に手に入ったからといって、上手く美味しく焼けるとは限らない。二百度で一時間。焼き上がりの香りは、魚の血抜きが上手くいっているかどうかで決まる。血抜きが上手くいっていないのであろう鯛のほうは焼いていても生臭いにおいが二階まで充満してなかなか消えてくれない。血抜きが上手くいったであろう鯛はそういうことがなく香ばしい香りが家を包む。今年は家族用の鯛が少しご機嫌斜めだったようだ。<br> <br> <br>焼いた身の食感もそうだけれど、もちっとした時もぱさっと上がるときもある。生き物だから仕方ないのだけれど、今年は少しパサついていた。魚屋さんのお兄さんが「この鯛は脂がのっててめちゃくちゃいいよ！」と言ってくれていたけれど二尾ともだったので少し残念だった。けれど、年始を無事に祝えたので良しとしよう。<br> <br> <br>段々と魚全体の水揚げが減ってきているので、来年新しい年を祝うときに鯛が手に入るのかどうか怪しいものになってきている。私の役割は、鯛を調達して焼いてお祝い膳にすることなのだけれど、これからどうしようかなあと悩ましい。<br> <br> <br>近くの魚屋さんに無いから百貨店まで買いに行くのだけれど、これからは豊中市の庄内にある魚屋さんのほうが確実かもしれないなぁと思ったり。鯛を求めて三千里、みたいな話になってきているのがなんだか可笑しい。<br> <br> <br>今年は午年。飛躍の年。すべて上手くいく年。<br>みんなの、そして私自身の健康と幸せを祈る年始である。<br> <br> <br>新年明けましておめでとうございます。<br>皆さんの一年も飛躍の年でありますように。<br>今年一年、どうぞよろしくお願いいたします。<br> </p><figure data-align="center" name="81951534-B383-4E60-9A89-E137F9913F0C" id="81951534-B383-4E60-9A89-E137F9913F0C"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/241828376/picture_pc_d78b83c804aeaea575d2006c6c487b0a.png" width="620" height="347" id="image-81951534-B383-4E60-9A89-E137F9913F0C"><figcaption></figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n56f365221bb3'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 06 Jan 2026 17:35:07 +0900</pubDate>
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      <title>我が家の忘年会</title>
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      <description><![CDATA[<p name="9a2dbd78-5c5c-4450-9769-1f8dd968d625" id="9a2dbd78-5c5c-4450-9769-1f8dd968d625">先日20日に家族で集まって忘年会のようなことをした。<br>みんなが大酒飲みなので、お酒に合うような物をひたすら作って準備を進めた。<br>夫が用意してくれた長次郎のお寿司を合わせて全部で6品したのだけれど、年々体力的にきつくはなってきている。けれど、みんなが喜んでくれるので、今回も頑張って作ったので、写真を載せてみようと思う。<br> <br> <br>先ずは人気だったなんちゃってクリスマスのパイ包み。<br>初めて作ったので、新鮮だったのか評判が良かったやつです。<br>庭のヒイラギを添えてみました。<br> </p><figure data-align="center" name="A0D06F06-0871-4C88-98E8-89050A824AFB" id="A0D06F06-0871-4C88-98E8-89050A824AFB"><img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/238529321/picture_pc_55e43811c552d6ead434db72b48c7fbc.jpg" width="620" height="826" id="image-A0D06F06-0871-4C88-98E8-89050A824AFB"><figcaption></figcaption></figure><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n05ef5550c4d2'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 24 Dec 2025 14:45:35 +0900</pubDate>
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      <title>鹿と紅葉とお墓参り～年末年始のお休み？の予定と～</title>
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      <description><![CDATA[<p name="7a0b2d70-687c-4212-bea9-b085c8421699" id="7a0b2d70-687c-4212-bea9-b085c8421699">私の実家のお墓参りがてら鹿と紅葉を楽しもうと、先月の28日、29日に奈良へ一泊旅行をしてきた。<br><br><br>奈良の紅葉は美しかったし、鹿たちも人懐っこくて愛らしくて、ひさしぶりにほっこりと公園を歩いた。奈良駅から大仏殿をぐるりと歩いて、大仏殿の側にある柿の葉寿司のお店でお昼を食べて、猿沢の池のほうへと下りて商店街を歩いて奈良駅まで一周した。<br><br><br>鹿とお辞儀をしあいながら鹿せんべいを渡そうとしている外国人観光客の人たちが楽しそうだったし、猿沢の池の近くのお饅頭屋さんにはガイドブックに「この店の草餅が美味しい！」とでも書いてあるのか、外国人がずらりと並んでいて面白かった。<br><br><br>いい年齢のおじさんの外国人観光客が鹿の角の被り物を被って楽しそうにしているのも、見ていてこちら側が楽しかった。<br><br><br>けれど、私は一日に一万歩以上歩くと、次の朝には必ずホテルの部屋で嘔吐する。分かっているけれど、夫の歩くリズムに合わせて歩くと大抵一万歩を超える。だから常に次の日の朝は、朝食をそろりそろりと食べて、喉の奥からせり上がってくる怪しい気配と戦うのだ。そして、ほぼ確実に部屋に戻ってから嘔吐する。<br><br><br>今回も相変わらずで、やっぱり喉の奥からせり上がる怪しく危険な気配を飲み下しつつの朝食だった。けれど部屋に戻ってみたら珍しく嘔吐までせずに済んだのは、奈良の空気が優しかったからかもしれない。<br><br><br>車で奈良から霊園に移動して、お墓参りをする。<br>行ってみると、母が先に来ていたのか綺麗に掃除がされてあったので、私たちは軽く掃除をすると、花を活けて墓石にお水を掛けて、亡き父に「息子のことをよろしくね。守ってね」とお願いしてお墓参りを終えた。<br><br><br>のどかな日は一瞬で終わってしまったけれど、そんなことは関係なく毎日は続いていく。今日も、明日も明後日も。<br><br><br>年末が近づくにつれて忙しくなってきた。日頃の用事が凝縮されたみたいな感じになってきている。<br><br><br><br>来年のお正月はみんなが三が日に集まらないので、おせち料理は二十年ぶりに作るのはお休みして阪急百貨店のおせちを注文した。後は、オードブルを作ったり、お雑煮を作ったり。<br><br><br>集まる日がバラバラなのはやりにくいのだけれど、みんな自分の生活があるから仕方ないか、と思う。今年は12月20日から、来年は1月末辺りまでバタバタとしていそうだ。<br><br><br>ここまで読んでくださった方がいればいいのですが、もしかしたら一月末くらいまでnote<br>の活動はお休みするかもしれません。また、忙しさが落ち着いたら復活しようと思っています。<br><br><br>ここまでお読みくださりありがとうございました。<br></p><p name="98CFE1EB-4F19-44C5-8357-445508045191" id="98CFE1EB-4F19-44C5-8357-445508045191"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/ne6a74117ab4c'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 10 Dec 2025 02:50:56 +0900</pubDate>
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      <title>ローズ色の手袋</title>
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      <description><![CDATA[<p name="3aaef7c7-b2a1-42cd-bc5d-88781092537b" id="3aaef7c7-b2a1-42cd-bc5d-88781092537b">小学4年生の誕生日に母からプレゼントをもらった。それはローズ色で手の甲のところに編み模様が入っている、正直あまりかわいいとは言えない手袋だった。好きになれなかったけれど、その年の冬は特に寒く、自然と手を通す日は多かった。<br> <br> <br>ある日の放課後、学校で手袋がないことに気づいた。さっきまで使っていたはずなのに、どこを探しても見当たらない。困ったな。失くしたら怒られる。そんな焦りからあちこちを探したけれど結局見当たらず、あきらめてとぼとぼと家路に着いた。<br> <br> <br>家の裏の空き地に差し掛かったとき、奥のほうに見覚えのあるローズ色の小さな塊が見えた。恐るおそる近寄ってみるとあのローズ色の手袋が片方落ちていた。<br> <br> <br>「あ、あった！」<br> <br> <br>つまんで見てみたものの、片方だけだ。周りを見回したら少し離れたところにもローズ色が落ちていて、それも恐るおそる摘まみ上げてみた。<br> <br> <br>自分のものかどうか分からないし、濡れていてひどく気持ちが悪かったのだけれど、二つを揃えてみた。<br> <br> <br>すると、理解できないことが起きた。<br> <br> <br>なぜだか右手用の手袋が二つだったのだ。<br> <br> <br>わたしは混乱していた。確かに学校へ持って行ったと思った手袋が家の裏の空き地に落ちていて、しかも右手用が二つもある。誰かの忘れものなのだろうか。それとも本当にわたしの手袋なのだろうか。なんだかゾッとした気分で、右手用が二つの手袋を持ってしばらくの間どうしたらいいのか分からず立ち尽くしていた。どう見ても編み模様までそっくりだ。<br> <br> <br>とにかく家に持って帰ることにした。<br> <br> <br>「ただいま」<br>家に入ったけれど、玄関の鍵はは開いているのに家には誰もいない。「おかあさん？」と声をかけても返事はない。仕方ないなぁと思いながら自分の部屋に入ってみると、勉強机の上にローズ色の手袋の片方があった。<br> <br> <br>さっきの空き地で拾った二つの手袋は、まだ手に持っているのに。<br> <br> <br>そっと机の上の手袋を摘まみ上げて拾った手袋に合わせてみた。それは、空き地で見つからなかった反対側の手袋、つまり左手用だった。<br> <br> <br>「なにこれ、気持ち悪い」<br> <br> <br>そう呟きながらも、とりあえずはこれで一組の手袋が揃った。編み模様も同じだ。これで怒られることもない。そう思ったわたしは、意味の分からない右手用の一つの手袋を、あまり使わない引き出しの奥に突っ込んだ。そして、左右の揃った手袋を洗濯機に投げ込んだ。<br> <br> <br>結局その手袋は、あの時の奇妙な違和感と気持ち悪さが消え去ってくれなくて、それ以来使わなくなってしまった。そして、そのままわたしの記憶から抜け落ちている。</p><p name="84817444-A1E9-4521-B4BF-C0F054A3DE29" id="84817444-A1E9-4521-B4BF-C0F054A3DE29"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/ncdc470e8c26a'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 26 Nov 2025 18:26:29 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/chiko_8739/n/ncdc470e8c26a</link>
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      <title>天使の足音</title>
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      <description><![CDATA[<p name="cc9aabc4-fd57-481f-8d69-395580a1af04" id="cc9aabc4-fd57-481f-8d69-395580a1af04">天使の足音を夢の中で聞いた気がする。それは、秒針が時を数える音のようだった。時を刻む音が天使の足音に聞こえたのか、どちらが本当なのかはわたしにもよくわからない。<br>まどろみの中で、時計の秒針の音がそんなふうに聞こえたのかもしれない。<br> <br> <br>ここのところ、息子のことで心をすり減らしていた。あまりにも考えすぎて、わたしが彼のことを本当に愛しているのかが分からなくなるほど。椅子に腰掛けて考える。わたしは彼の死を望んだことが一度もないのか、とか、心配をするということは愛している証拠になるのか、とか。<br> <br> <br>電話でも、いつも通りににこやかな声を出して少しだけ話をする。ほんの短い言葉だけで。彼の心をかき乱さないように注意深く言葉を選んで。まるで腫れ物に触るかのように。それが本当に愛しているという証拠になるのか、と自分自身を疑っている。<br> <br> <br>大きな手術を受けた後の彼を、心の中で冷たい目線で見つめている自分に気づく。彼が自分の思う通りにしか動かないのは分かっていても、それでも実家に帰ってしばらく療養するということもなく自分の家に帰ってしまうことへの怒りのようなもの。<br> <br> <br>けれど、全てがそうだとは言えなくて、彼が家に帰ってすぐに仕事復帰することで負担が少なくて済んだと胸をなでおろしている自分がいる。これで本当に愛していると言えるのか。自問自答しながら眠りについたら、天使が慰めてくれたような気がしたのだった。<br> <br> <br>玄関の汚れを掃き出しながら、玄関がこんなにも汚れているままだったから彼が病に侵されたのではないのか、と自分を責めながら家のあちこちを拭いて磨き上げる。なのに。彼が帰ってこなかったことで助かったと思うわたしの心の醜さは拭い落とせない。<br> <br> <br>わたしは彼が側にいるだけで、呼吸が浅くなる。気遣いすぎてくたくたになるのだ。<br> <br> <br>天使の足音は、何を示しているのか。わたしが彼を愛することができ切れていなくても許されるという意味なのだろうか。自分で仕方がないと言い訳するための幻聴なのか……。</p><p name="7B7D14AE-E1F0-42D1-A575-2536BEF46482" id="7B7D14AE-E1F0-42D1-A575-2536BEF46482"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/na6b6765eeed7'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 20 Nov 2025 16:57:19 +0900</pubDate>
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      <title>息子の病、母の祈り/難病「重症筋無力症」と胸腺腫の手術を終えて</title>
      <media:thumbnail>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/229097750/rectangle_large_type_2_5fb25edd0852ffe7d31290b53b50ecaa.png?width=800</media:thumbnail>
      <description><![CDATA[<p name="ef75967d-7c7f-4efb-acc8-11cdf21c7d36" id="ef75967d-7c7f-4efb-acc8-11cdf21c7d36">昨日、息子の手術が無事に済んだ。本当に無事に済んで良かったと思う。<br> <br> <br>重症筋無力症と胸腺腫が併発していた。<br> <br> <br>重症筋無力症とは自己免疫疾患で、十万人に一人の罹患率の厚労省指定難病だ。胸腺腫とは胸の奥にある胸腺という臓器に腫瘍ができることで、レントゲンで見た感じでもかなり大きかった。今回の手術は胸腺の切除だった。<br> <br> <br>小さい頃から病気ひとつしない子だったので丈夫に成長したのだと思っていたら、思わぬトラップが仕掛けてあったような気分だ。なにも十万人に一人の病気になんてならなくてもよさそうなものなのに……。<br> <br> <br>代わってやれるものなら代わりたいくらいなのに。あの子にこれ以上の災難はもういらない、と思う。<br> <br> <br>こうして息子の病状を書いているのだけれど、これはこうやって軽口のように言っていれば「そんなに心配しなくても良かったね」と笑って済ませられたらいいなと祈るような気持ちで書いているので許していただきたい。<br> <br> <br>クリーゼといわれる症状が出ると、呼吸ができなくなる。彼は一人暮らしをしているから、その症状が出たら命はない。<br> <br> <br>だから、昨日はまんじりともせず夜を明かした。<br> <br> <br>今日もうたた寝でもできればいいと思ったけれど、神経が張り詰めているのか眠気も襲ってこない。切羽詰まった感じなのに、お腹は減る。手当たり次第に口に入れるみたいにして、眠れなかった胸の悪さと戦っている感じだ。<br> <br> <br> <br>家族の人数分だけ喜びや楽しみがあって、それと同じ分だけ心配や悲しみがある。そして、禍福は糾える縄の如しなのだ。常になにかしらの感情を抱えて生きている。<br> <br> <br>喜んだと思えば、悲しみで泣いていたりするので、毎日忙しいことである。一人でも二人でも、五人でも七人でも同じで、数が多いほど感情は忙しくなるのだと思う。涙が乾かないうちに声を立てて笑ったりするのだ。<br> <br> <br>だから、彼が何事もなく、投薬治療で症状がひどくならないことを祈ろう。そして、明日はやっぱりこの子を産んでよかったと思えるように生きよう。<br> <br> <br>昨日は不謹慎なのだけれど、看護師の方の誰かが息子の彼女や妻にはなってくれないだろうかと真剣に考えてしまった。看護師の方が輝いて見えたのだ。<br> <br> <br>一生一人で生きたいという彼も、素敵な女性が現れたら気持ちが変わるかもしれない。「しっかり者の看護師さんが伴侶になってくれたら本当にいいのに」と身勝手な妄想を抱いて、帰路についた。<br> <br> <br>それよりも何よりも、彼の症状が軽くて済みますようにと祈るほかない一日になった。<br> <br> <br>母の邪な願いとはうらはらに、彼は良く寝たから頭がすっきりしていると嬉しそうにメッセージをよこしたのだった。<br> </p><p name="6AC4D669-CF1C-4F7B-A3D0-BA30DBCD1151" id="6AC4D669-CF1C-4F7B-A3D0-BA30DBCD1151"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nfd3aaac85f38'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 13 Nov 2025 17:52:15 +0900</pubDate>
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      <title>江國香織「号泣する準備はできていた」感想文</title>
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      <description><![CDATA[<p name="5bc2fbd9-cb89-49de-b085-3b66b86d184f" id="5bc2fbd9-cb89-49de-b085-3b66b86d184f"><br>まだ四十代だったと思う。「江國香織は当たり外れが大きいけど、これは自信持って勧められるから」と言われて読み始めた短篇集。<br>あの頃は息子の不登校に疲れ切っていて頭の中が常にシェイクされていた状態だったらしく、生命維持装置が発動したのか、４，５回読んだけれど全く頭の中に残らなかった、と思っていた。<br> <br> <br>けれど読み直してみると、「前進、もしくは前進のように思われるもの」も、「じゃこじゃこのビスケット」も、表題の「号泣する準備はできていた」も、ちゃんと頭の中に残っていて、読みだせば、光の欠片が静かに集まり出して、「ああ、こんなお話だった」と美しい姿を現すのだった。<br> <br> <br>私が感じ取る江國香織の文章は、スッと背筋が伸びていて、そこはかとなく漂う上品さや、えぐ味のない表現、けれど気取らず尖っていない垢抜けたもののように思う。<br>あの頃は取っつきにくい感じがした記憶があったけれど、全くそんなことはなかった。例えて言うなら、ちょっとした育ちのいいお嬢さんの姿を眺めていて、あんな所作が美しいとか垢抜けて見えるとか、だから私も真似をして近づけるのではないかと淡い期待をするような、そう。育ちのいいお嬢さんが書き上げたもの、という感じがする。<br> <br> <br>「前進、もしくは前進のように思われるもの」の、多分切り抜けられることとは、あの時の暮らしだったのか。「じゃこじゃこのビスケット」の、ビスケットの味は、あの時期の砂を嚙むような日々と混ざりあっていたのか。表題作の「号泣する準備はできていた」も、私にとっては心臓の一部分はつらさの余りにねじ切れて死んでしまっていたのだろう。読んでも胸には堪えず号泣することさえできなかったのだろう。<br> <br> <br>そんな、私にとっては余りにも重すぎる日々の記憶と混じり合っている本だったけれど、今回は大きく長いトンネルを抜けて、すっきりと澄んだ空気を吸い込むような気分で読み終えることが出来た。<br> <br> <br>私は、人生は短編小説のごちゃ混ぜバージョンだと思っている。ひとつの話の中に、いくつもの共通点や気づきがある。だから、きっと大丈夫、切り抜けることはできるんだ……。そんなことを思わせてくれた短篇集だったと思うのだ。</p><p name="15CDD5E5-B3D1-41B2-9A5D-DD7D4F5B6922" id="15CDD5E5-B3D1-41B2-9A5D-DD7D4F5B6922"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/n9828b7109f86'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Sun, 09 Nov 2025 04:07:02 +0900</pubDate>
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      <title>夢で買ったブルーのスカート</title>
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      <description><![CDATA[<p name="d95ffbff-a3bc-41e8-b007-903d04876a89" id="d95ffbff-a3bc-41e8-b007-903d04876a89"><br></p><p name="25BB6C34-A111-48E6-9B2B-C3BFA509A5AF" id="25BB6C34-A111-48E6-9B2B-C3BFA509A5AF">薄暗い街にそのビルはある。<br>よく通っているはずなのに、行くたびにビルが三階建てだったり地下に潜るようなビルだったりする。<br>そして私は店員とも顔なじみで、「こんにちは」と店に入っていくと、「今日はいいの入ってるよ」とか「こないだ言ってたやつ、取り置きしておいたから」とかそんな会話を交わすのだ。<br><br><br>雑貨やショールやバッグ。一角にはたくさんの服がハンガーにかけてあって、雑然とした雰囲気の店。棚にはちょっと高めの銀細工の、アメジストをはめ込んであるブローチが置いてある。<br><br><br><br>「今日の手持ちだとブローチは買えないな」とか思いつつ、店の奥にあるハンガーラックのところでスカートを見ていたら、一枚の鮮やかなブルーのギャザーフレアーのスカートが目に留まった。<br>手に取ってみるとさらさらとした生地で、ウエストはゴム仕様になっている。<br>履いてみたら体にぴったりとフィットして、くるりと回るとふんわりとスカートが広がった。<br><br><br><br>そのスカートを買って店を出たら空港のゲートの中にいて、長い通路を焦って走って行くところで目が覚めた。<br><br><br><br>薄暗い部屋。斜めに歪んだ枕。しばらくぼんやりと天井を眺めて、今見た夢を反芻する。<br>またあの店に行ったんだ。これで何回通ったのかな。あの、ブルーのスカート、ネモフィラの花をもっと濃くしたような色で綺麗だった。指先に残る生地のさらりとした触り心地。<br><br><br><br>すごく気に入って買ったのだけれど、いくらだったかな、そもそも日本円だったのか今の通貨だったのかも思い出せない。いつも買う服よりはちょっと高めの値段だったように思う。<br><br><br><br>枕もとのスマホを手に取って時間を見ると、２時５０分だった。<br>「中途半端な時間に目が覚めて嫌だな」と、思いながらGoogleの検索欄に「服、買う、夢占い」と打ち込む。<br><br><br>表示された結果をスクロールしていく。そこには、「気に入った服を買う。吉夢。運気の上昇や幸運の訪れを告げるサインであることが多い。新しい挑戦が成功したり、良い出会いがあったりする可能性があります。」と書いてあった。<br><br><br>「ふーん、いいじゃん」半ばぼんやりとしたまま思う。<br><br><br><br>そのままもう一度眠ろうとしたけれど眠ることに失敗して、諦めて起き上がる。足音を忍ばせて一階に降りて、コップに半分の冷たいお茶を飲んだ。</p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nf3aa3d2e4ee4'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Sun, 02 Nov 2025 16:23:47 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/chiko_8739/n/nf3aa3d2e4ee4</link>
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      <title>雨音がやさしくなる夜</title>
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      <description><![CDATA[<p name="53d9e13c-2fe4-499e-ad49-b50fa86af410" id="53d9e13c-2fe4-499e-ad49-b50fa86af410">冬が近づくと、夕方5時頃にはもう真っ暗だ。<br>地球がゆっくりと向きを変える、その軋みを肌で聞いているような気がする。<br> <br> <br>窓の外をぼんやりと眺めていたら、雨がバラバラと叩きつけるように降り始めた。<br>ベランダのサッシには、雫が一列に並んで光の行列を作る。<br>ひとつ落ちるたびにまた新しい雫が生まれて並ぶ。<br>その生まれ変わりをぼうっと眺めていたら、一階から私を呼ぶ声が聞こえた。<br> <br> <br>現実の声が、雨のロンドに浸る私を引き戻す。<br>私は慌てて階段を降りる。<br> <br> <br>夫は階段の下で待ち構えていて、私に訊く。<br>「今日のメイン、なに？」<br>「焼売。新しい蒸籠、使いたいから」<br>「お～、いいね」<br>いつもの返事とは違って、少し弾んだ声が返ってきた。<br> <br> <br>私は、キッチンに立ってエプロンをつける。<br>雨はまだ激しく窓を叩き続けている。<br> <br> <br>豚ミンチ、玉葱、干し椎茸、タケノコ、小海老、青ねぎ。<br>５ミリの大きさに刻まれていく材料たち。<br>雨のリズムに混じるトントンという包丁の音。<br> <br> <br>冷たい材料たちを手の中でひとつにしていく。<br>ごま油は多めのほうがしっとりするから、一周半。<br>下味はしっかりめにつけると美味しくなるから少し多めに。<br>そんなことを考えながら、もみ込んでいく。<br>粘りが出るまでもみ込むと、ミンチの脂が手にまとわりついてくる。<br> <br> <br>「うえ～」と独り言をこぼしながら手を洗う水が、雨と同じ温度をしていた。<br> <br> <br>さぁ、新しい蒸籠の出番だ。<br>竹の香りがふわりと立ちのぼる。<br>蒸籠というのは、自分一人では完結しない器具だ。<br>蒸し器の中に収まって、火の上で湯気の世界を作る。<br>焼売の皮に包まれて、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた肉汁の香りが蒸気と一緒にキッチンを包む。<br>蒸し器の蓋は、蒸気の勢いでカタカタと鳴り、白い湯気を勢いよく吐き出している。<br> <br> <br>ふと耳を澄ませてみると、さっきまで叩きつけていた雨が、今はどこか遠くで呼吸している。<br>タイマーは12分。<br>長いようで短い時間だ。<br>夫のお風呂から上がる時間に合わせて蒸す焼売は、今日の特別な時間を作り出してくれるのだ。<br> <br> <br>お風呂から上がった夫が、石鹼の香りをまとって入ってきた。<br>扉の向こうの湯気と、蒸籠からの湯気が混ざり合う。<br>湿度が高い夜だけれど、全部幸せの匂いがする。<br> <br> <br>カタカタという蒸し器の音とタイマーが鳴る音が響きあう。<br>出来ましたよの合図とともに蓋を開けると、雫と一緒に光がこぼれた。<br>湯気に包まれた焼売たちは、小さな家族みたいに寄り添っている。<br> <br> <br>「うまいな、今日の」<br>その一言が、雨上がりの空気みたいに胸に染み込む。<br> <br> <br>外の雨音が、さあさあ、という穏やかな響きに変わっていた――。<br> </p><p name="1CA49866-9426-4B86-967B-997205B2F534" id="1CA49866-9426-4B86-967B-997205B2F534"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nbea7252826ff'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 29 Oct 2025 13:13:03 +0900</pubDate>
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      <title>言葉が戻ってきた日～体調の回復より少し遅れて～</title>
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      <description><![CDATA[<p name="245f764f-8456-48c5-98ba-6c1a3dbb0ae4" id="245f764f-8456-48c5-98ba-6c1a3dbb0ae4"><br>22日にインフルエンザの予防接種をしてから、恐ろしく体調が悪かった。<br>こんなひどいのは初めてなので面食らった。<br>元々身体が軟弱でそろりそろりと生きているので、体調を崩すことがまずない私を労わってもらう余裕もないし。<br>大げさじゃなく布団と一緒に朽ちるかと思った。<br> <br> <br>食事もいつも通り作らなきゃならない。<br>けれど、買い物なんて行く気力も出ないので、冷蔵庫の中をかき回して何とか凌いで今日になる。<br>すっからかんの冷蔵庫に、やっと仕入れてきた物を補充できた感じだ。<br> <br> <br>キッチンも、食洗器は回していても掃除なんてできないから放置していたら悲惨なことになっていた。<br>今日何とか掃除して、ホッと一息ついている。<br> <br> <br>だいたい、体調を崩すと思考がネガティブになっていくので、<br>私が一生懸命に考えた言葉たちが暗ーい沼の底に沈んでいっていたみたいだった。<br>元気になってきたら、こうやってちゃっかり書き始めるのだから、健康って大事だなぁと思うのだ。<br> <br> <br>一昨日なんとか夫と買い物に出かけたけれど、近所のバーミヤンでチャーハンを食べているときに卒倒するかと不安になるほどだったので、ワクチン接種も考え物だ。<br>これから毎年こんなひどい目に合うのは、御免こうむりたい。<br>それでも、究極までいかないから、ワクチンって必要なんだろうけど。<br> <br> <br>やっとこさ元気が戻ってきた。<br>今日の三時以降のお話だ。<br>洗濯して、買い物行って、洗い物と掃除をして、今こうして書いている。<br>書けるようになるって、身体の回復より少し遅れてやってくるのだ。<br> <br> <br>そのすれ違いを、今日は嬉しく思う。<br>また言葉たちが息をしている。<br>やっぱり私は、書くことで生き返る。</p><p name="5F824529-31C3-4F5F-B68B-41B7A3AED8A9" id="5F824529-31C3-4F5F-B68B-41B7A3AED8A9"><br></p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nacee7a7c892f'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Mon, 27 Oct 2025 17:43:18 +0900</pubDate>
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      <title>カードのこちらと向こう側</title>
      <media:thumbnail>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/224261793/rectangle_large_type_2_b7fe5af33b8cf475568c26109f6aafc7.jpg?width=800</media:thumbnail>
      <description><![CDATA[<p name="d53575ae-a5df-4a4f-8655-24b1dbeb4c51" id="d53575ae-a5df-4a4f-8655-24b1dbeb4c51"><br></p><p name="E0EC9775-3182-41A1-8FD4-D67716A6B09E" id="E0EC9775-3182-41A1-8FD4-D67716A6B09E">価値観が変わると、見方も変わる――そんな話。<br><br><br>昔の私は、夢見がちだったのか、ただの現実逃避だったのか、占いが好きだった。<br>特に卜占（ぼくせん）というジャンル、タロット占いに惹かれていた。<br>中学生のころ、雑誌の付録のカードで友人を占っては「当たる！」と喜ばれていた。<br>あれは本当に当たっていたのかもしれない。<br><br><br>カードに慣れてくると、並び方から物語を読み取れるようになる。<br>言葉が自然に流れ出してくるあの感覚が楽しかった。<br>友達作りの小道具にもなっていたし、社会人になってからも隙間時間に占っていた。<br><br><br>思えば、占い歴はずいぶんと長い。<br><br><br>ところが。<br>最近、YouTubeの占い動画を見ていたら、その淀みなくカードを読む様子が急に胡散臭く感じたのだ。<br>どう言えばいいのだろう。<br>詐欺師が高級羽毛布団を勧める言葉のように聞こえ出したのだ。<br><br><br>なんてことだ！と思った。<br>世の中の一部の占い好きを除いては、こんなふうに聞こえているのだというのを初めて知った気がする。<br>一歩、二歩と心の距離が出来ると真実が見えてくるとは――。<br><br><br>年齢を重ねてくると、現実に直面することが増えてくる。<br>盲信的に夢を追うお年頃ではなくなったということなのか。<br>夢の中を彷徨う迷路を突然抜け出したような気分だった。<br>まことしやかに語られる物語は、私にとってもう必要がなくなったのかもしれない。<br><br><br><br>それでも、私はたまにカードを出してきてシャッフルをする。<br>並べたカードの絵柄を見ながら物語を読み解く自分が今もいる。<br>けれど、以前のように本気で信じるのではなく、自分の心の奥底にある本音を引き出そうとしている。<br>カードとの付き合い方が変わったのだと思う。<br>あの頃の夢見がちな私も、現実を生きる私も、どちらもちゃんと私だ。<br><br><br>迷路の出口で私は長かった道のりを振り返る。<br>あの頃の私に、今の私がそっと声をかける。<br>「よく頑張ったね」と。</p><br/><a href='https://note.com/chiko_8739/n/nec0f7d4d503b'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/207923264/profile_9bd9ad29dffcc4665e7f273b526c8692.jpeg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>ちこ</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 23 Oct 2025 17:35:06 +0900</pubDate>
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