断罪される過去、競わされる才能、怖すぎる愛──11月Audibleベスト3を振り返る
こんにちは、とりはらです。
2025年11月のAudibleまとめです。(※時系列的には少し前の記録)

今月は全部で18冊。
相変わらず小説が多めで、あとは健康系が少し。
友人に勧められて、細谷功さんのいわゆる「意識高い系」に分類されそうな本も聞いてみました。先入観ほど気負う感じはなく、読みやすく、実生活に落とし込んで考えやすい本でした。
全18冊
ベスト3と言いつつ、どれも面白かったな~という印象です
「探偵」ってタイトルについてると聞きたくなってしまう
ミステリ要素があると物語の推進力が上がりますね!
今月の18冊
「トータルリコール」フィリップKディック SFに手を出してみた。短編なのでなんとか理解。
「パラソルでパラシュート」一穂ミチ 面白い!芸人とふんわり女子の微妙な恋愛もの。恋愛に傾きすぎてないから聴きやすい。
「二人キリ」村山由佳 後述
「YABUNONAKA」金原ひとみ 後述
「24今日一日に集中する力」堀田秀吾 よくある話ですがこういうのたまに読みたくなります。
「血管の老化は足で止められた」池谷敏郎 冷え性なので…
「五つの季節に探偵は」逸木裕 探偵もの短編集。主人公の成長物なとこがいい。
「若者をやめて大人を始める。「成熟困難時代をどう生きるか」熊代亨
若者に「とりはらさんて大人だな~」って思われたくて
「暁星」湊かなえ 阿部元首相銃撃事件をモチーフにした宗教2世もの。面白くないわけがない
「憂鬱探偵」田丸雅智 キャラクターもの、暇なときに聴くといい具合の短編集
「東京バンドワゴン」小路幸也 私、大家族って嫌いなんですけどこれは好き
「シーラブズユー東京バンドワゴン」小路幸也
「具体と抽象」細谷功 意識高い系
「町長選挙」奥田英朗 伊良部先生シリーズ4作目。ちょっとパワーダウンしたかな
「無理の構造 この世の理不尽を可視化する」細谷功 意識高い系、でも面白いので聞いて
「本と鍵の季節」米澤穂信 男子高校生2人の日常探偵ものでは第一位!
「かもめんたるう大のお笑いクロニクル」う大 後述
「生殖記」浅井リョウ 後述
今月のベスト3
🥇第1位
YABUNONAKA 金原ひとみ
編集者、作家、その周辺にいる人たち。
一人称の語り手が次々と切り替わりながら、一つの出来事に収束していく構成です。
主人公は小説家の女性・長岡友莉奈(43歳)。
そこに、小説家志望の女子大生だった女性・橋山ミヅが相談を持ちかけてきます。
「昔、編集者の木戸雄介から性的搾取を受けた」
その告白を起点に、
過去に「よくある話」として処理されてきた出来事が、
現在の価値観で掘り返され、言語化され、断罪されていく。
「昔は見逃されていたことが、今はダメだと判断される」
そのゲームチェンジを、感情に寄せすぎず描いている点が面白くて怖いんですね。
私も今では「ダメだろ」って反射的に思うようになってます。ちょっと前まで「作家業にも枕ってあるよね」とか言ってたのに。
もう体の構造が変わってしまった感じ。
女性作家の視点ではあるけれど、
誰かを一方的に裁くための物語にはなっていなくて、
その距離感が、読み(聴き)やすさにつながっています。
また、
「文学というものを信じてきた人たちの話」
でもあり、そこは作家が書いた小説だな、と感じました。
文章で読むと分量的に構えそうですが、
Audibleだとエンタメとして一気に聴けます。
🥈第2位
かもめんたる・う大のお笑いクロニクル 岩崎う大
正直に言うと、
私は「かもめんたる」のう大さんをほとんど知りませんでした。
最近のお笑い年末年始のネタ番組以外見てなくて、新しい芸人さんは未知の存在。
ただ、NHKでやっていた「オンエアバトル」を第1回から見ていて、
毎回、勝手に審査員気分でメモを取っていた時期がありまして。
誰が良かった、誰が刺さらなかった、みたいなことを
友人とやり取りしていたのを思い出しました。
あの頃の私の推しはハリガネロックとタイムマシーン3号でした!
この本は、
お笑い芸人たちの空気感がかなり生々しいのです。
あいつには負けたくない
自分はどこで評価されるのか
ネタをどう作るか
ステージに飛び出してく時のアドレナリンとか、
アスリートみたいな熱量があってカッコいいのです。
特にう大さんのネタの作り方や、
最終的に演劇のほうへ進んでいく流れは、
「作家気質の人なんだな」という印象が強く残ります。
お笑いの世界をまたのぞいてみたくなりました。
🥉第3位
2人キリ 村山由佳
いわゆる「女性の怖い話」です。
阿部定事件をモチーフに、
「なぜ、あの事件は起きたのか」を
かなり分厚いフィクションを重ねて描いています。
主人公は、
阿部定に殺された石田吉蔵の息子、吉弥という名の
脚本家です。
彼は阿部定を取材し、
彼女の生い立ちから事件、その後の人生を聞いていく。
名前を変え、
男たちの愛人になりながら生きてきた彼女。
「この出来事があったから、こうなった」
という分かりやすい因果関係は提示されません。
でも、
現実の人生って、たいていそんなものだと思うんですよね。
原因と結果が整理されきらないまま、
人は出来上がっていく。
その描き方が、
変に創作的すぎず、人物像がリアルです。
愛欲、エロス、恋愛、愛憎。
ロマンチックではないし、かなりドロッとしています。
「怖いもの見たさ」で、
気づいたら最後まで聴いていました。
長い作品ですが、
登場人物が少なく、会話で進むのでAudible向きです。
番外編
生殖記|朝井リョウ
一人称は「小生」。
語り手は、人間ではなくタツヤという男性の生殖器です。
ジェンダーの話ではあるのですが、
誰かを断罪したり恋愛モノになる方向には進みません。
刺激的な設定のわりに、
展開はかなり低刺激で、穏やかな読後感があります。
金原ひとみの「YABUNONAKA」に比べると可愛い話に思えますw
「軽めのものを聴きたいけど、絶対面白いものを聴きたい」時にちょうどいい一冊です。
まとめ
11月は18冊、よく聴きました。
長い作品が多かったので内容的にも、なかなか濃い11月だったと思います。
今回挙げた作品は、長くて感情よりで、
Audibleとの相性がかなり良いです。
特に
YABUNONAKA
2人キリ
この2作は、
紙で読むとかなりの分厚さがあるのに
音声だとエンタメとして一気に没入できます。
今、Audibleはキャンペーンもやっているようなので、
気になる方は試してみてね
オーディブル人口が増えて、このサービスが永遠に続くように祈ってます。
