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たつこ揚げ

東北漫遊で見た金色の像を思い出し、それにまつわる傳説に秘められた意味を妄想しながら、魚の龍田揚げとそれに合うタレを料理した記録。


材料

豆鯵  10匹
片栗粉 適量
塩   少々
胡椒  少々

人参   1/3本
ピーマン 2個
玉葱   1/4個
唐辛子  1/2本
水    200㎖
醤油   大匙2
味醂   大匙2
酢    大匙1

秋田県仙北市にある田沢湖。透明度が高い湖で日本一の深さがあり、水深は423メートル。深いために冬でも凍らないという。
湖畔には金色の像。↓

2.3メートルの『たつこ像』
舟越保武による製作で昭和四十三年(1968)から湖を訪れる人々を見守っている。
金色なのは湖が強酸性なので、ブロンズ像が腐食しないように金箔を貼っているから。
像のモデルである『辰子』について傳説。


頭を内蔵を取った豆鯵を片栗粉に塗して油で揚げる。

昔、院内という集落に辰子という美しい娘がいた。
辰子は美しい自分の姿を氣に入り、いつまでもその美しさを保ちたいと大蔵の観音様に百日の願掛け。
満願の日にお告げ。
「北に湧いている泉の水を飲めば、願いは叶う」
蕨を摘みに行くと出掛けた辰子は、北の泉で水を飲む。
不思議なことに飲めば飲む程に喉が渇き、辰子は際限なく泉の水を飲み続ける。
その内に辰子の體には鱗、頭から角。ついには辰、つまり龍に姿を変えてしまった。
元の姿には戻れないことを悟った辰子はそのまま泉に身を沈めた。泉は龍の巨体を隠すために湖となり、辰子はその田沢湖の主になったという。


揚がったら油を切る。

いつまでも歸らない娘を案じた母親が探しに來たが、辰子が龍に変わってしまったことを知り、深く悲しみ、手にしていた松明を田沢湖に投げ捨てると、松明は魚に変わって泳ぎ出したという。それがかって、この湖に棲息していた國鱒に変じたという。

一方、八郎太郎という青年は辰子と同じく龍に姿を変えてしまった。そのために十和田湖に潜んで暮らしていたが、南祖坊という僧侶により追い払われ、北の八郎潟に住処を変えたが、辰子の存在を知り、求婚。
ただ、通い婚のようで冬の間だけ八郎太郎は田沢湖にやって來る。
主が不在の八郎潟は冬になると凍り付くが、夫婦が揃っている田沢湖は凍結しないという。愛し合っている熱が原因か?


細長く切った野菜を炒める。

昔話や傳説には意味やメッセージが込められていると私は考える。
この辰子の傳説も深読みして、隠されているメッセージを推測。
この話の核は永遠の美しさなどは存在しないということだろう。
それを求めた辰子は死ぬことになった。そして人ならざる者に生まれ変わった。というよりも死ぬことで現在の美しさを人々の記憶に永遠に留めることとなった。
逆説的に言えば、今がもっとも大事であり、美しい。だからこそ今を大事にしなさい。そんなメッセージを受け取った。


水や調味料を投入して煮る。沸騰したら水溶き片栗粉を少量入れてとろみを付ける。

万物は流転し、変わらない人や事物は存在しない。今が美しくても、いずれは衰えて消えゆく。
それは人間だけではない。
以前、田沢湖に棲息していた國鱒は絶滅。
水質が変わったためだという。
現在の田沢湖には酸性に強いウグイのみが棲息。
戰時體制下の昭和十五年(1940)に発電所建設と農業用水確保のために強酸性の温泉水を導入する水路が作られて、その水が流入したことが原因で水質が変化したことが原因。
平成元年(1989)に湖水の中和施設が完成したが、未だに水質改善には至っていない。


たつこ揚げ

龍田揚げに野菜のタレをたっぷりかけて完成。
しっかりと揚げた豆鯵は骨まで食べられる。
甘酢味のタレが豆鯵によく絡む。
野菜たっぷり食物繊維たっぷり。
ピーマンにも人参にもベータカロチン豊富。
骨ごと食べてカルシウムもタンパク質も摂取。

亡くなった人は神や佛として祀られることがある。
つまり龍神になった辰子は死んだということではないか。
水をたらふく飲んだというのは湖に身を投げて溺死したことの暗喩。
死んでしまえば、今の姿のみが人々の記憶に残る。つまり永遠の美が手に入る。
そんなことを妄想しながら、たつこ揚げをご馳走様でした。



と言いたい所ですが、更なる妄想が浮かんでしまった。
しかし、その妄想はかなり激ヤバ。
あまり大っぴらに公開すると、私の人格が疑われそうな内容。
ということで隠すために有料にします。讀まなくても、上記のみで話は完結しているので、ここで讀むのを止めて頂いて結構です。
別にこれで儲けようという氣もないし、自分の妄想記録のために記すことであり、おかしいオッサンの頭の中を覗いてみたいという物好きな方がいましたら、どうぞ御覧下さい。


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