【書籍出版】数式からAIを解き明かす。AX/DX社内推進部門 統括が語る「執筆の裏側」と、入社の決め手となった“技術への本気度”
「入社の決め手は、面接時の役員との”丸投げではない解像度の高い対話”、すなわち”AX/DXへの本気度”でした」
そう語るのは、AX/DX社内推進部門 統括の小島 一浩です。人事システムや基幹システム刷新など、社内のDXを最前線で推進する彼が、このたびAIに関する書籍を出版しました。
なぜ今、あえて「数式」からAIを解き明かす本を書いたのか。そして、生成AIや量子コンピュータといった先端技術を、実際の現場でどう実装しようとしているのか。書籍出版の経緯から、ARIを選んだ理由、そして求める人物像までを深掘りしました。

「数式」と「Pythonコード」を往復しながらAIの本質を学ぶ、約370ページにわたる実践的専門書
プロフィール
小島 一浩(AX/DX社内推進部門 統括)
デジタルストラテジーユニット ユニット長
担当: 人事システム刷新の戦略的マスタープラン策定、基幹システム刷新、自律システム構築(主要社内システムすべての連携)、AX/DX社内推進
最近の関心: マルチAIエージェントによる人からAIへの仕事の移植、AIや量子コンピューティングの数学的基礎、量子コンピュータとAIエージェントの接続、Google Colabによる実践
「ないなら、自分で書く」 総合的なAI本を目指した370ページの挑戦
—— 書籍の出版、おめでとうございます。まずは執筆のきっかけを教えてください。
世の中にAIの「総合的な本」が見当たらなかったことが一番の理由です。「それならば、名刺代わりにもなるし自分で書いてしまおう」と書き始めました。当初は資格参考書のような軽い構想だったのですが、執筆のアシスタントとしてChatGPTと対話を重ねるうちに、自分自身の知的好奇心が刺激されていきまして(笑)。
扱う内容が広がり、解像度が高まるにつれて、「これまで培ってきた知識や経験を社会に役立てたい」という思いが強くなりました。そこから、AIの基礎を数式から解説する専門書へと大きく舵を切りました。結果的に約370ページの原稿を1か月で書き上げ、複数社から高評価をいただき、大手出版社からの出版に至りました。
—— 本書で最もこだわった点はどこでしょうか?
「AIを神秘化しないこと」です。AIの中身は、突き詰めれば行列計算です。理工学の本質は理論を実務に落とし込むことにあると考えているので、あえて数式を避けず、正面から扱いました。
ただし、難解にするつもりはありません。必要な部分は高校数学レベルまで分解して見通しを良くし、数式とPythonコードをセットにしました。Google Colabを使えば環境構築なしですぐに動かせるようにしています。「理論・コード・実験」を往復しながら、読者がAIを“自分のもの”として定着できる設計にこだわりました。
ChatGPTは「補助的作業」に強く、「仕上げ」は人間が担う
— 執筆プロセスでも生成AIを活用されたそうですね。
はい。アイデア出しや下書き、進捗のトラッキングには非常に有効でした。
微積分の概念を活用しました。――ひとつのAI作業は小さく=微分、これを積み上げる=積分。そんなイメージです。
この手法は逆に、本を読んでいて分からない部分に遭遇した場合にも応用できます。例えば、章タイトルと挿絵のキャプチャをChatGPTに読み込ませると、文脈に沿った解説がすぐ立ち上がります。「この抽象的な説明に合う絵の要素は?」と聞けば、必要なビジュアル要件の洗い出しにも使えます。
ぜひ皆さん、読んでいて分からない部分があれば、コードや挿絵でもなんでも、キャプチャを取ってChatGPTなどのツールを活用し、理解を深めながら進めていっていただきたいです。

画像を読み込ませて対話を重ねることで、
より直感的かつスピーディーに内容理解を深められます。
— 執筆を通じて、AIとの付き合い方で新たな発見はありましたか?
「ChatGPTは補助的作業に強いが、最後の磨きに弱い」という点です。
アイデア出しや下書きといった「0から1」や「1から10」の工程では人には敵わないスピードを出しますが、最終的な“磨き上げ”や責任を持つ判断は人間が担うべきだと実感しました。適材適所の補助ツールとして捉えるのが現実的だと思います。逆に案外「0から1」はできるものなんだなぁというところです。
「標準機能」に業務を合わせる。ARIでのDX推進
— 現在の役割と、取り組んでいるプロジェクトについて教えてください。
デジタルストラテジーユニット ユニット長として人事システム刷新の戦略的マスタープランの策定や、基幹システム刷新の計画策定、各種AX/DXを実現するシステムの実装を並行して推進しています。
DXの現場では、従来ホワイトカラーの仕事とされてきたもの、例えば、議事録作成や稟議、データ分析、各種文書作成など自動化の余地が大きい領域から、「Human-in-the-loop(人間がループの中に介在する)」設計で業務移管を進めています。特に重視しているのは、“標準機能前提の業務設計”です。
— 具体的にはどのような方針でしょうか?
欧米ではシステムの標準機能に業務フローを合わせるのが一般的ですが、日本は業務に合わせてシステムを作り込む(カスタマイズする)ことが多いのが現状です。私はグローバルスタンダードな方針、「まず標準で動かし、必要最小限だけ拡張する」方針を重視しています。
人が介在すべき要所を明確にし、それ以外は徹底的にシステム化。これにより導入スピードを高め、保守負担やカスタマイズのリスクを抑えつつ、確実に成果を積み上げられると考えています。
入社の決め手:丸投げではない“解像度の高い対話”と、AX/DXの本気度
— ARIに入社した理由は?
最初のきっかけは、ARIのWebサイトで「量子コンピュータ」への取り組みを見かけたことでした。また、“DX推進”という抽象的なスローガンに留まる企業が多いなか、ARIは勤怠管理や契約業務といった「具体的な課題」まで議論が届いていました。
面接でも、こちらの提案に対して「丸投げ」するのではなく、非常に解像度の高い対話ができました。何より、予算の縛りよりも「AX/DXへの本気度」が前面に出ていると感じ、「ここなら実装までやり切れる」と確信したのが入社の決め手です。
入社後の印象:速い議論と「失敗していい つくろう」という文化
— 実際に働いてみて、ARIのカルチャーをどう感じていますか?
ポジティブな驚きだったのは、技術資格保有者が多く、とにかく「議論が速い」ことです。役員層も含めてテクノロジーへの理解が深いため、本質的な話がすぐに通じます。風通しも非常に良いですね。
一方で、社内の業務プロセス、例えば議事録、稟議、各種入力業務などには、まだAIによる自動化の余白(伸びしろ)が大きく残されています。
— そこに対して、どのようにアプローチしているのでしょうか?
ARIには「失敗していい、つくろう」という自由度の高い文化が根づいています。
だからこそ、いきなり完璧を目指すのではなく、まずは小さな成功(First Win)を積み重ねていくことを意識しています。「便利になった」「楽になった」という実感を現場に広げ、新しい技術を使うことを当たり前にしていく。成長志向の高いメンバーが多いので、一度火がつけば浸透は速いと感じています。事実、超高速でAIに全自動移行した業務も出てきています。
「創造は基礎の上にしか成り立たない」
— 改めて、著書を通じて読者に一番伝えたいメッセージは何ですか?
AIを本質的に理解するには「理論・コード・実験の往復」が不可欠だということです。行列計算という数学的ベースを押さえ、Pythonコードとして実装し、実際に動かして試行錯誤する。グローバルには当たり前のことなのですが、「創造は基礎(ファンダメンタル)の上にしか成り立ちません」。この本が、その基礎固めの一助になれば嬉しいですね。
— 出版を経て、ご自身の視点に変化はありましたか?
量子コンピュータはもはや「待つ技術」ではなく、実機テスト段階にあると確信が強まりました。
今後は「量子コンピュータ × AIエージェント」などの領域で、暗号解読、最適輸送、シフト最適化、金融最適化など、従来の手法では難しかった領域へ解決策を持ち込む準備をより早く現実化することやAGI構築に繋がることも進めたいと考えていますが、社内では引き続き、AI自動化による仕組み化と、実機に触れるFirst Winの創出を継続していきます。

数学とコードを武器に、変化を楽しめる人と働きたい
—最後に、AIを学ぶ人、そしてARIへの応募を考えている方へメッセージをお願いします。
AIエンジニアや研究者として深い理解を築きたいなら、数学とコードを一体で扱い、手作業の試行錯誤を惜しまないでください。
生成AIは人間の知識や発想を掛け算する強力な道具ですが、最後の責任を持つのは人間です。「説明可能なAI(XAI)」が求められる今、AIのアウトプットを自分自身で理解し、納得したうえで扱える力が不可欠です。その基盤となるのが、数式とプログラムへの深い理解です。
— ARIにはどんな人が向いていると思いますか?
ARIは、技術への探究心と実行力を歓迎する会社です。具体的には、次のような方とぜひ一緒に働きたいですね。
先端技術(AWS/AIなど)に関心があり、成長志向がある人
自分の意見を持ちながらも、チームで動くことを大切にできる人
変化や挑戦をポジティブに楽しめる人
仲間を大切にする人
技術の本質を追求しながら、社会実装までやり切りたい。そんな熱意を持った方からのエントリーをお待ちしています。

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