【Revitユーザー必見】Revitのパラメータを理解して、賢く使いこなすコツ
ANDPAD ZERO、BIM Groupの埜林(のばやし)です。
今回はRevitユーザーに向けて、少しニッチな記事をお届けしたいと思います。そのテーマは「パラメータ」です。
Revitでは、プロジェクトを構成する要素のまとまりによって、カテゴリ、ファミリ、タイプといった名称が振られています。
そして、それらの要素、例えば「柱」「壁」「ドア」といったものを配置するとき、その裏側では膨大なデータが紐づけられています。

寸法や位置はもちろん、材質、防火性能、そしてメーカー品番といった属性情報。これら要素に紐づけられた全ての情報のことをパラメータと呼びます。
パラメータを深く理解し、意図通りに使いこなすことは、単にRevitの操作をマスターするだけでなく、社内のデータ統一や外部システムとの連携といった建設DXの可能性を大きく広げます。
「パラメータという言葉は聞いたことがあるが、種類が多くてよくわからない...」そんなBIM初心者の方から、「社内でBIMモデルを横断的に管理したい」という上級者の方まで、この記事がパラメータの理解を深める一助になれば幸いです。
Revitにおけるパラメータの種類
今回は、BIMモデルを扱うにあたってよく使われるRevitにおけるパラメータを5つ取り上げます。これらを「適用範囲」と「適用単位」によって分類しました。この分類を正確に理解することが、パラメータを使いこなすための第一歩です。
【適用範囲による分類】
パラメータが「どの範囲」の要素に適用されるかによる分類です。
①ファミリパラメータ
②プロジェクトパラメータ
③共有パラメータ
【値を変更した際の適用単位による分類】
上記3つのパラメータの値変更した際の適用単位による分類です。
❶タイプパラメータ
❷インスタンスパラメータ
これからそれぞれのパラメータについて説明していきます。
適用範囲による分類
ここから紹介する3つのパラメータは、「どの範囲」の要素に適用されるかによって、使い分けが必要になります。ファミリパラメータ、プロジェクトパラメータ、共有パラメータについてそれぞれの特徴を説明します。

①ファミリパラメータ
ファミリパラメータとは、ファミリ単体の形状や情報にかかわるパラメータです。
1つのファミリで複数の仕様を持つことを可能にします。
活用例:
ドアファミリの開口幅やマテリアル設定など、ファミリ個々のコントロールを目的とします。
注意点:
情報がファミリ内で閉じてしまうため、集計表(複数のファミリの横断的な集計)やタグ(図面上でのパラメータの表示)での利用はできません。データの外部連携や図面への情報表示には適しないことに注意が必要です。

②プロジェクトパラメータ
プロジェクトパラメータとは、プロジェクトで指定したカテゴリの全要素に対して反映されるパラメータです。さきほどのファミリパラメータはファミリ毎に適用されていましたが、プロジェクトファミリは、ファミリを横断してプロジェクトファイル内で定義されます。
活用例:
ドアや窓の防火性能や施錠方式など、形状には関係ないが建具表に表示したい情報に用いられます。また、プロジェクト固有の情報(責任者名、プロジェクト名など)にも使われます。
注意点:
タグでの利用ができないため、図面上の個別の要素に情報を表示させる目的では使えません。

③共有パラメータ
共有パラメータは、この3つの中で最も汎用性が高いパラメータです。
最大のメリットはプロジェクト内だけでも、プロジェクト横断でも、使用できるということです。
その理由ともなっているのが、共有パラメータの保管のされ方にあります。ファミリパラメータとプロジェクトパラメータがプロジェクト内部に保管されていることに対して、共有パラメータ―は、「固有のID(GUID:Globally Unique ID)を持った外部ファイル」として保管されています。そのため、どんなプロジェクトにも外部から取り込んで固有のパラメータとして使用することができます。
また、もう一つのメリットは、集計表・タグでの利用も可能である点です。むしろ、集計表でもタグでも利用したい場合は、「ファミリパラメータ」「プロジェクトパラメータ」を「共有パラメータ」に置き換える必要が生じる点にも注意しましょう。
活用例:
データ管理目的:複数のプロジェクトやファミリを横断して一貫性のあるデータ利用が可能になるため、社内共通の建材情報や品番情報などを定義するなど、社内データ統一のために用いられます。ファミリパラメータやプロジェクトパラメータを共有パラメータに置き換えることでこうした利用も可能になります。
集計目的:タグや集計表での利用が可能であるため、建具番号、メーカー品番、納まり情報など、図面上に表示が必要な情報を要素に紐づけるために利用されます。ファミリパラメータやプロジェクトパラメータを共有パラメータに置き換えることでこうした利用も可能になります。
留意点:
非常に便利である反面、各利用者が勝手に作成してしまうと、GUIDが異なる「同名異物」が生まれてしまい、データの整合性が損なわれ、利用者も混乱する原因となります。そのため、共有パラメータの作成・管理は、社内全体で統一・管理する必要があります。
表で確認してみる
これら3つの特徴を以下の表で確認しておきましょう。
特に、「共有パラメータ」の戦略的な活用については、社内やチーム内でしっかりと議論してみてはいかがでしょうか。複数のプロジェクトを横断し、タグや集計表で利用するための共有パラメータの統一的な管理を進めることは、社内のBIMデータの「共通言語」の整備に他なりません。

編集・変更の適用単位による分類
さて、上記3つのパラメータをさらに使いこなすためには、これらのパラメータの値を変更した際の適用単位をしっかりと意識する必要があります。

❶タイプパラメータ
タイプパラメータは、そのファミリの型番(タイプ)に属する全ての要素に共通する値です。
値を変更・編集した場合、「タイプ単位」で変更が適用されるため、そのタイプを使用している「全ての要素」に影響します。
活用例:
建具の標準的な幅や高さ、照明器具の品番など、「同じ製品」であれば値が同じになる情報に設定します。
メリット:
設計変更などで一括して仕様を変えたい場合に、タイプを一括で編集することで対応できます。
❷インスタンスパラメータ
インスタンスパラメータは、プロジェクトに配置された個々の要素(インスタンス)に対して設定できる値です。
値を変更・編集した場合、「要素単位」で変更が適用されるため、同じタイプであっても他の要素には影響しません。
活用例:
建具の下枠の高さ、個別の建具番号、梁や柱のレベルなど、「同じ製品」でも設置位置や用途によって値が変わる情報に設定します。
メリット:
現場ごとの調整や、要素の配置状況に応じた細かな情報を、他の要素に影響を与えることなく管理できます。
表で確認してみる
これら二つの特徴を以下の表で確認しておきましょう。
どの情報を一括で管理したいか(タイプ) 、個別に設定したいか(インスタンス) に応じて、適切に使い分けることが、モデルの柔軟性を高めます。個人個人が「タイプ」と「インスタンス」を賢く使い分けることに繋がれば幸いです。

おわりに
パラメータは「BIMのI(情報)」そのものであり、BIMの核となる情報を今一度見直すきっかけとなりますと幸いです。

これらのパラメータを意図通りに使いこなすことは、個人のRevitスキル向上だけでなく、チーム全体のデータ品質と生産性向上に直結します 。
社内・チーム内での運用にお困りの方はぜひANDPAD ZEROにお問合せください。
それでは今回はこの辺で、最後までお読みいただきありがとうございました。
