「穏やかに働く」という贅沢。40歳の経営者が見つけた物差し
先日、40歳の誕生日を迎えました。会社も来月で創業10年。スタートアップ2社の役員を経て31歳で起業したので、自分の年齢と会社の年数が並走しているのが何となく心地いいですね。
売上は右肩上がり、利益も安定。一見、順風満帆かもしれません。でも、経営者として時折考えることがあります。「このままでいいのか」「もっと大きくすべきじゃないのか」と。
「利益率重視」という選択
私が選んだのは、利益率を重視する経営でした。
かつてスタートアップの役員として経験した劇的な伸長と崩壊。その経験が、今の経営スタイルを形作っています。おかげで日々を穏やかに過ごせています。他方でこれが褒められたスタンスかと言われると、首を傾げざるを得ません。
売上額を追求している経営者からすれば、「利益率重視なんてできるけどやらないだけだよ」と言われるかもしれません。食えて当たり前、他人に誇れるものでもない。そう思われても仕方ないでしょう。
でも、そんな売上至上主義の経営者たちと肩を並べ、時にプロジェクトをご一緒できる喜びは何物にも代えがたいものです。私がコンサルティングを続ける理由の一つはここにあります。
「規模」への向き合い方
「なぜ会社を大きくしないんですか?」
今でもよく聞かれる質問です。ありがたい期待ですが、私なりの答えがあります。
起業とは、荒野に旗を立ててリソースを集めること。そこにどんな旗を掲げるかは起業家次第です。私は「海賊王になる」とは言えない。集めた期待を失望に変えるリスクを取ってまで、成し遂げたいことが見当たらないからです。
ただし、これは0か100かの話ではなく、あくまで規模の話。社会を変えるダイナミズムは、私の場合、コンサルティングという形で得られています。その旗の持ち主が私である必要もない。金銭的に困ることもない。結果として、世間的な経営者像からは少し外れて見えるのかもしれません。
次の10年で成し遂げたいこと
経営者として一番痛感しているのは、起業初期の難しさです。
手元の1,000万円を1億円に変える難易度と比べれば、100万円を1,000万円に変えるハードルの方が遥かに高い。一度成功を収めれば信用を換金できますが、それも結果論でしかありません。
原資のある会社ほど試行回数を確保でき、成功確率が上がる。本当に困っているのはリソースの限られた企業や個人。でも、この層を直接支援する余裕もない。
このフラストレーション、あるいはうっすらとした罪悪感。これが30代では払拭できなかった心残りです。
だからこそ、向こう10年は、個人からの相談を聞く時間も取りたい。仕事というよりは私個人の使い方として。
確かに、雇用創出や納税額の増加も立派な社会貢献です。でも、それは使われ方をコントロールできない。私自身が得たものは何より機会でした。その機会を、次の世代にも届けていきたい。
経営者として見られる今日の立場も、決して最初からあったわけではありません。だからこそ、誰もが自分なりの夢を見て、心穏やかに日々を過ごせる。そんな小さな一歩に、私なりの形で関われたらと思います。
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