本を読んでも変わらない人、本を読んで世界を変える人—イーロン・マスクとゴールドラット博士が教えてくれたこと
イーロン・マスクは、本を読まない。いや、正確には、こう言うべきかもしれない。イーロン・マスクは、本を「使う」人間だ。(彼は物凄く多くの、しかも異なる分野の本を読むらしい)
テスラの工場が生産地獄に陥っていたとき、
彼のチームが手にしたのはコンサルタントの提案書ではなかった。
一冊の本だった。
そして、月曜日の朝、その本に書かれていたことを工場の床でやってみた。
私はその本の著者を、イスラエルまで訪ねたことがある。
あなたは今、どれくらい本を読んでいますか?
「読んでいる」という人は多い。
ビジネス書、経営書、マーケティングの本。
良い本に出会うたびに線を引いて、感想をメモして、「これは使えそうだ」と思う。でも正直に聞かせてください。
その本を読んだ翌月曜日に、あなたは何をしましたか?
ほとんどの場合、何も変わっていない。
それは意志が弱いからでも、怠慢だからでもない。
「読む」という行為が、どこかで完結してしまっているからだ。
この記事では、世界的な経営理論がなぜ「知られているのに使われないのか」、そして、どうすれば自社の経営や海外展開に実際に活かせるのかを、私自身の体験を交えてお伝えします。
1984年、エリヤフ・ゴールドラット博士は「ザ・ゴール」という経営小説を出版した。製造業の制約理論(TOC:Theory of Constraints)を物語の形で伝えたこの本は、世界中の製造業者に読まれた。
制約理論の核心はシンプルだ。
どんな工場にも、全体の生産量を決めている「たった一つの制約」がある。その制約を見つけて、まずそこだけを改善せよ。それ以外の改善は、すべて後回しだ。
制約の見つけ方も、驚くほど単純だった。
工場の床を歩いて、部品が積み上がっている場所を探す。
その「山」の手前にある工程。
そこが制約だ。
この理論を知っている製造業者は世界中にいた。
テスラも、私の会社も。
しかし——。
私が地方の小さなメーカーで海外事業を立ち上げた頃のことだ。
会社は国内では業界2位のシェアを持ちながらも、値引き競争と人材不足に苦しんでいた。海外に活路を見出そうとしていた私は、
ある縁からゴールドラット博士と直接つながるチャンスを得た。
イスラエルへ飛んだ。
世界的な制約理論 (Theory Of Constraint/TOC)の権威、
ゴールドラット氏のオフィスはテレ・アビブから車で1時間ほどの集落にあり、驚くほど小さな家だった。
数日間、博士、その弟子たちと向き合った。
制約理論の本質も学んだが、実行しろと言われた最初に言われた行動は、
驚くほど単純なものだった。
「お前の工場を歩いて観察しろ」という、
ただそれだけだった。
帰国した翌日、私は工場の床を歩いた。
部品が積み上がっている場所があった。
その手前の工程を見ると、明らかに他より遅い。
その一点を改善した。
結果は静かに、しかし確実に現れた。
何年も後にテスラが生産地獄に陥ったとき、
彼らが手に取ったのも「ザ・ゴール」だった。
そしてテスラの担当者も工場を歩いて観察した。
同じ方法で、制約を見つけ、劇的に生産性を改善した。
同じ本。同じ方法。
結果は、テスラの場合、もっと劇的だった。(規模が異なったから)
ただ一つ違ったのは、
実際に「やった」かどうかだった。
世界中の製造業者がこの本を読んでいた。
しかし、翌朝工場を歩いて観察した人は何人いただろう。
イーロン・マスクは、その少数側にいた人間だ。
知識と結果の差は、知能の差ではない。
本を閉じた後に動けるか、どうかの差だ。
これは、海外展開にもそのまま当てはまる話だと、私は痛感している。
私が20年かけて地方の小さなメーカーを70カ国以上への輸出企業に育てた過程も、知識を得ることより先に、動くことの連続だった。
CEマークを知らずにヨーロッパへ470万円の設備を送ってしまい、税関で止められたことがある。コロナで月の売上がゼロになり、ライブ配信をスマートフォン一台で始めて、3ヶ月続けて視聴者は10人以下だったこともある。
誰も最初から正解を知っていたわけではない。
結果を出す3つの行動指針
では、どうすれば「知識を行動に変える」ことができるのか。
私が22年の実践から導き出した考え方を、シンプルにお伝えする。
① まず「一番小さな行動」だけを決める
制約理論を知ったテスラのチームが最初にしたことは、コンサルタントを呼ぶことでも、新システムを導入することでもなかった。工場を歩くことだった。
海外進出でも同じだ。まず英語のウェブサイトを作ろう、展示会に出よう……ではなく、「誰が、なぜ自社の商品を買うのか」を一文で書く。これだけでいい。
② 「知っている」を「今週やった」に変える問いを持つ
毎週一つでいい。「今週、この知識を使って何をしたか?」と自分に問う。答えられなければ、知識はまだ知識のままだ。
③ 失敗を「高い授業料」ではなく「設計図」と捉える
私がCEマーク未取得のまま設備を送ったあの失敗は、その後の欧州展開の設計図になった。ゴールドラット博士も言っていた。問題が起きた場所に、次の答えがある、と。
走りながら学ぶ。学びながら修正する。
これだけが、地方の小さなメーカーが世界と戦える唯一の武器だった。
ゴールドラット博士が「ザ・ゴール」を
小説として書いたのには理由がある。
「人間は、理論では動かない。物語で動く」
と、彼は信じていたからだ。
イーロン・マスクはその物語を読んで、翌朝工場の床を歩いた。
私はその著者に会いに、イスラエルへ飛んだ。
そして今、私は自分の物語を本として書いた。
地方の小さなメーカーが、なぜ世界70カ国に売れたのか
その実話を。
次に動くのは、あなたかもしれない。
本を読むことと、本を使うことの間には、
行動という名の橋がある。
その橋を渡るのは、才能でも資金でもない。
「知ったその日に、一歩だけ動く」という意思だけだ。
地方の小さなメーカーが世界に出ていった22年の実話を、私は一冊の本に書き下ろしました。制約理論も、CEマークの失敗も、コロナ禍での5人ライブ配信も、すべて実際に起きたことです。
もしあなたが、自社の商品を海外で売ることに可能性を感じているなら、ぜひ読んでみてください。
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コメント頂ければ、幸いです。
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