『幸せの青い猫型ロボット』 (上)【暗黒労働おとぎ話シリーズ】
むかし あるところに 小さな会社がありました。
その会社にはチルチル部長(あだ名:”髪の毛散る散る”部長が年月を経て略され、”チルチル”部長となった)と第二新卒で採用された満(ミチル)君と、他に社員が数名おりました。
クリスマス前のことです。
会社に怪しげなコンサル会社の美魔女がやってきました。
「この会社の経営状態は悪化の一途をたどっています。ですが、''幸せの青い猫型ロボット''がくれば、奇跡のV字回復をするでしょう。」
その"幸せの青い猫型ロボット"とは、
「◯◯◯も~ん、なんとかしてよー」と泣きつくと、不思議な方法でどんな問題も解決してくれるというのです。
チルチル部長は、入社したてのミチル君にろくな研修もしないうちに、美魔女のアドバイスどおりに、幸せの青い猫型ロボットを探すプロジェクトを開始することにしました。
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チルチル部長は旅の途中、
ミチル君を採用したときのことを思い出しました。
ミチル君は面接の時は、どの就活生よりも輝いて見えました。
放っておいても勝手に伸びてくれるだろうと思っていました。
しかし入社してみると
研修を受けさせたり、
仕事の指図をしたり、
手順や専門用語の説明をしないと
仕事が出来ない、
ごくごく普通の人間でした。
ミチル君に大きな期待をしていたチルチル部長はがっかりしてしまいました。
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最初に訪れたのは「思い出の国」。
そこには会社の景気が良かった「古き良き、あの頃」の景色と、懐かしい面々がいました。
同期で入った同僚達や、尊敬する上司。
上司はとっくの昔に定年退職していました。
同期の仲の良かった同僚達は会社の業績が傾いてきた頃、皆、さっさと転職してしまいました。
懐かしさのあまり思わず駆け寄るチルチル部長。
「もう会えないかと思ったのに」
だけれど、皆は無言で通り過ぎていってしまいました。
そして誰もいなくなりましたが、チルチル部長は近くの木の下に青っぽい色をした猫型ロボットがいることに気がつきました。
部長はすかさずロボットの腕を掴みました。
途端に大きな時計の音が響きました。
戻る時間が来たのです。
よくよく見てみると猫型ロボットは、中国にパクられたお粗末な代物でした。
チルチル部長はがっかりしました。
と、同時に目を覚ましました。
そこは通勤電車の中でした。
・・・なんと夢オチだったのです。
つづく
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