飲食店未来学215:これから繁盛する飲食店の条件<2/4>
飲食店のコンサルとして30数年間この業界を見てきましたが、インバウンド需要があるお店を除き、本当に儲からなくなったと実感しています。その主な原因は、現業の飲食店の実装が「昭和時代の繁盛スタイル」のまま、このコスト高の世界で生きようとしていることです。
時代が大きく変わり、繁盛する新たな実装に置きかえる時期が数年前から来ています。気づきと決断を促すため、この記事を皆さまに贈ります。
ひとつ前の<1/4>の記事はこちら。
飲食店が繁盛店になるための条件の続きを書きます。
条件4:客席数は最小限度で良い

客席数を決める目安の条件は、
★自店の営業業態が昼業態店、夜業態店、両用のどの業態店か
粉もの営業店や客単価1,000円以下の業態はほぼ昼業態店です。客単価が3,000円を超える業態は和牛や海鮮を除き夜業態向きです。
昼業態店は客単価が低いため客席数を増やすか長時間営業が必要となります。夜業態店は客数の伸びよりも客単価アップを行う方向で成長するしかありませんから、営業効率の良い客席数にすべきです。
★平日ランチタイムに満席となる「適正客席規模」にする
かっての飲食店のように「1週間で一番大きい売上日に合わせた店舗規模、客席規模」はもう必要ありません。『平日は収支トントンでも週末で稼ぐ』という神話はもう通用しません。積極的に、月に20日以上ある平日の昼間を黒字化することが経営者の使命です。そのためには、基準の客席数、客席回転率、メニュー数、客単価、料理の提供時間、営業時間帯などをトータルで見直しすべきと思います。
ひとつの目安として、統計の数字から見ると、「既存店規模(昭和の店舗規模)×70%~80%の規模」が今の外食人口と需要の強さにマッチしています。
★お客さまの動きが手に取るようにわかる客席規模
お客様満足度や顧客体験価値の向上が求められる時代だからこそ、お客さまの動きが感じられる店舗規模と客席数の方が何かにつけて「対応しやすい」のです。
<参考>
★ワンオペ店規模(1人営業)
5席~12席程度。あっても2人掛けテーブル2卓程度。4人掛けテーブルがあると一度に調理が追いつかない。
★個人店規模(経営者+パート1名)
15席未満が良い。多くても18席以下。人件費をかけすぎると利益が出ない。
★40席以上~90席未満店
人時売上高(従業員1人1時間当たりの売上高)4,500円をキープできる人数までの雇用が無理がない。理想は人時売上高5,000円。
条件5:平日が黒字になるスケールにする
いわば慢性的な赤字構造は、古き体質の部分を切り捨てて、新たな構想の下でリメイクしなければ実現しません。無駄、無理、ムラの3Mの排除がこのケースでも必要と考えます。楽しく稼ぐために、無駄、無理、ムラが起こらないしくみに変えます。
★平日100%活用の店舗規模・客席規模
必要最小限度にする。店舗が必要以上に広くなると、従業員数、食材数、メニュー数が増え、坪数が増えて家賃も高くなります。週末の繁忙日は外で待っていただく形になります。
売上増を行う時は、客単価アップ、営業時間の延長、多店舗化で実現します。
★メニュー規模
平日の外食は日常遣いなので客単価はお客さまが利用できる価格の範囲です。自店の客席を満席(実質満席率は70%~80%)にするメニュー数があればよいのです。確かな需要がある個性的な料理メニューであればあるほど、メニューアイテム数は少なくても大丈夫です。
最近は仕込みや調理効率を考慮して、「基本の料理一つ」に「味変アレンジメニュー」で数倍に増やし、セットを分解して「追加メニューやトッピングメニュー」を増やすことで、30~50アイテムに膨らますメニューをもつお店が増えてきました。総じて、メニューの豊富さを感じさせ、客単価アップも実現しています。
★従業員規模
基本的には、料理の提供と片付け、お客さまとの対応や会話が仕事になります。オーダー受けや会計作業はAI機器が行う時代です。どのような仕組みまで作り込めば、「最低何人いれば良い」かを突き詰めます。
人数を絞り込み、人間しかできない作業を行っていただきますから、最低時給の150%で仕事のできる人を雇用してください。その方が売上が伸びます。
★客単価は20%アップのしくみにする
生き残る飲食店を突き詰めれば、「他店にない料理と価格」を実現している場合が多い。それを土台に、さらに客単価アップを行うため、お客さまが触手を伸ばすメニューを随時プレゼンするようにします。
●新メニューを毎月1つは出す
●売れないメニューは毎月削除する(新メニューは2.5か月間で判断する)
*削除メニュー数の50%~60%数を新メニューで再投入する。繰り返すことで、売れるメニューの濃度が高くなりメニュー数を濃縮できます。
オーダー分析と対策をこまめに行うことで、お客さまから「がんばるお店」と受け取っていただけます。
★営業時間の長さ
もうからない時間帯もお客さまの便宜のために開けておくことはもうやめましょう。50席のお店に5人のお客さまがいても、繁盛した景色でなく、コストの垂れ流しです。ピークタイムに稼いだ粗利を無駄に消費しています。
決めた営業時間内でどこまで高い売上が実現できるか、そのために料理開拓や調理作業開拓が必要となります。余った時間は、仕込みや休憩で使うべきです。『十分に儲かる時間だけ営業時間にする』ことが新ルールになります。あとの時間を複業時間や趣味に充てても良いわけです。
3/4に続く。
(了)
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