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【富山県滑川市】個別アプリ不要。各種ポイント事業をLINEに集約した「なめりかわ共創ポイント」で応募者約2倍に

地域の活動や市民の行動変容を促す手段として、自治体によるポイント事業が挙げられます。

健康づくりや環境への取り組み、地域イベントへの参加など、住民の行動を後押しする仕組みとして効果がある一方で、ポイント計算・確認が煩雑だったり、ポイント種類ごとにアプリが乱立したりといった課題も少なくありません。

この課題に対して、富山県滑川市は日常的に使われているLINEに集約するというアプローチを選択。「健康」「地域貢献」「市政参加」の3領域のポイント事業を一つにまとめた「なめりかわ共創ポイント」を開始しました。

加登録からポイント獲得・応募まで、スマートフォン上で完結する仕組みを整えた結果、紙の台帳で行っていた健康ポイント事業と比較して、応募者数が約2倍に増加しました。

住民・事業者・行政が一体となったまちづくりの推進を目指して、今回はそんな「なめりかわ共創ポイント」をご紹介します。

滑川市のLINE公式アカウント

1. 自治体概要

人口:32,333人(2026年1月1日時点)(滑川市HPより)
友だち登録者数:8,276人(2026年1月23日時点)
主な機能:各種証明書の申請、共創ポイント、児童館チェックイン、道路損傷通報、避難所検索など
LINE ID:@namerikawa-city

2. 取り組み

滑川市では、これまで紙の台帳を用いた健康ポイント事業を実施してきました。健康づくりの取り組みに応じてポイントを貯め、景品と交換する仕組みでしたが、ポイント対象施設への紙の持参や応募時の郵送に手間がかかる等の理由から、参加者(景品応募者)は7年間の平均で210人程度(人口の1%未満)に留まる状況でした。

こうした背景から、2023年度からは日常的に利用されているLINEを活用し、スマートフォン上でポイントの獲得・確認・応募ができる仕組みを導入。これにより、若年層の参加促進と高齢者のデジタル活用促進の両立を図りました。

さらに2025年度からは、健康分野にとどまらず、地域貢献活動や公共施設の利用、市主催行事への参加など、幅広い活動を対象とする「なめりかわ共創ポイント」を開始しました。地域での支え合いや関係人口の増大、市民・事業者・行政との共創による持続可能なまちづくりを推進することを目指しています。

当初は専用アプリの導入も検討していましたが、費用が高額だったことやアプリの乱立を考慮し、既に多くの住民に浸透しているLINE上に機能を実装することを決定。参加登録からポイント獲得、確認、景品応募まで、すべての機能をLINE上に集約することで、誰もが手軽に参加できる仕組みを構築しました。

利用の流れ

  1. 滑川市のLINE公式アカウントから参加登録

  2. LINE上での取組報告や対象施設・イベントでのQRコード読み取りにより、ポイントを獲得

  3. ポイントが貯まったら賞品に応募

なめりかわ共創ポイントチラシ

3. 特徴

3-1.複数のポイントをLINEで一元管理

健康、地域貢献、市政参加の3種類のポイントをLINE上で一元管理しています。参加登録は一度で完了し、ポイント獲得方法も共通化することで、参加者が複数の取り組みに気軽に参加できるようになっています。

  • 健康ポイント部門:ウォーキングや健診受診など、健康づくりの取り組みでポイントを獲得

  • 地域貢献ポイント部門:ボランティア活動や地域施設の利用など、地域への関わりでポイントを獲得

  • 市政参加ポイント部門:公共施設の利用や各種証明書のLINE申請など、市の取り組みへの参加でポイントを獲得

登録は一度で複数のポイント事業に参加可能。
ポイントの種類数に制限はありません。
管理画面のサンプル。参加者ごとのポイント数や景品応募回数が確認できます。

3-2.豊富なポイント獲得メニュー

QRコードの読み取りやURLアクセス、LINE上での取組報告など、さまざまな方法でポイントを獲得できます。

ポイント獲得メニューは実に100種類以上。イベント参加や図書館などの公共施設利用、ボランティア活動、デマンドバスの利用、LINEからの住民票請求など、幅広い取り組みを対象とし、日常生活の中で楽しく続けられる仕組みを実現しています。

ポイント取得方法の説明(滑川市作成)

3-3.景品応募の回数制限も可能

景品応募もLINE上で完結でき、必要ポイント数や応募回数の制御も可能です。なめりかわ共創ポイントの場合は、一口30ポイント・1人3回までを上限とし、条件を満たしていない場合は応募に進めないように制御しています。

3-4.ダッシュボードで参加状況を可視化

紙の台帳では、応募まで進んだ人しか把握できませんでしたが、電子化することにより行動の初期段階からリアルタイムで集計できるようになりました。

参加登録者数・ポイント獲得メニューごとの件数など、様々な切り口の集計レポートを作成し、一つのダッシュボードに集約することで、現在の状況を一目で確認することができます。

なめりかわ共創ポイントのダッシュボード

3-5.ランキング表示で楽しく「競争」

リアルタイムで集計可能という特徴を活かして、参加者自身が自分の順位を確認できるランキング機能も実装しました。

『みんなで「競争」しながら持続可能なまちを「共創」する』という「なめりかわ共創ポイント」のコンセプトを体現する仕組みで、参加継続のモチベーション向上を目指しています。

4. 結果

第一期事業期間である2025年7月1日〜12月31日(応募は1月16日まで)の6か月間で、以下の結果となりました。

  • 参加登録者:1,449人

  • ポイント獲得行動:42,741回

  • 獲得ポイント:61,458ポイント

  • 景品応募者総数:409人

紙の健康ポイント事業時代は、7年間の平均応募者数が約210人だったため、応募者数は約2倍に増加しました。

また、紙の台帳では把握できなかった「応募まで至らなかった参加者」も把握できるようになり、ポイント事業がどれだけの住民の行動変容に繋がったかを、より正確に捉えられるようになりました。

さらに、紙の健康ポイント時代は参加者(景品応募者)の多くが60歳以上で、60歳未満の割合は約16%にとどまっていましたが、共創ポイント(うち健康ポイント参加者)に移行してからは、60歳未満の割合が約68%まで増加。中でも30代の参加割合が約22%と最も多くなり、紙の健康ポイント時代の課題であった若年層の参加促進にもつながっています。

5. 滑川市様コメント


左からDX推進課・奥村さん、麻柄さん

滑川市では総合計画の基本理念として「市民起点、市民共創」を掲げています。この理念に基づき、市民の行政参画を進めるためや、地域活動・ボランティア活動の担い手不足への対応、高齢者がスマホに慣れ親しむきっかけづくりとして、本事業が始まりました。

様々な取り組みが共創ポイント対象となっており、アンケートもポイント対象に含めたことで多くの意見が寄せられています。参加者の3/4以上が「取り組みの促進・きっかけになった」と回答しているほか、「今まで行ったことのない施設や店舗へ足を運ぶようになった」「市HPを積極的に閲覧するようになった」といった声もあり、参加者増加だけでなく、本来の事業目的にも結び付いていると感じています。

さらに、事業内容や機能改善についての意見を受け、1月から始まった第2期の事業ではポイント数の調整やリマインド機能追加を行いました。
また、職員から新たな取り組みをポイント対象にしたいという相談も増えています。

今後はさらに、市民・事業者・職員を巻き込みながら、共創のまちづくりを進めていきます。

6. さいごに

広報紙の閲覧、SNSの友だち追加・フォロー、証明書のLINE申請、調査員業務への従事、鉄道駅の利用、花火大会への個人協賛、献血参加など、面白いポイント獲得メニューが多い「なめりかわ共創ポイント」。ポイント対象事業も随時募集されており、街全体で取り組む素敵なプロジェクトになっています。

そんな事業を作り上げたDX推進課の麻柄さん・奥村さんは、高齢者・障害者向けの福祉利用券をデジタルポイント化した「ふくポ」も構築されています。自治体間の交流会でも事例共有していただき、ポイント事業を牽引する先進自治体として、私たちも多くの学びをいただいています。

皆さまの自治体でも、ポイント事業に関する課題はありませんか?
デジタル化することで、参加のハードルが下がるだけでなく、ポイント計算も自動化できて、参加者にとっても職員にとっても負担の少ない仕組みを作ることができます。複数のポイント事業を一つにまとめれば、相乗効果も期待できます。

ご興味がありましたら、ぜひ担当のパートナーサクセスマネージャーまでご相談ください。滑川市のように住民と「共創」できる事業を、一緒に作っていきましょう。

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