婚約拒否王子の恋心
歳の離れた兄上が婚約破棄をした。それ以来、王子である我に婚約者を決めろと父上と母上は命じた。
学園で見つけろというのだ。
身分は問わない。婚約破棄をするぐらいなら気に入った伴侶を見つけろと言う事だ。
だが、思わぬ効果が生じた。
我国では世襲貴族1003家あるが、競争が激化した。
我は学園に入る頃には、3人の令嬢が勝ち残った・・・・
これは何を意味するのか?
「殿下!大変です!生徒会室に、不審な男がメイドを人質に立てこもりました!」
「何?大変だ。行くぞ」
「既に、御三家はそろっています」
3人の令嬢は御三家と言われている。
そんなことはどうでも良い。生徒会室がある学舎が向かった。
「殿下、どうやら男の一方的な恋心のようです。男が恋するメイドを人質に立てこもっています。小刀をもっております」
「そうか・・」
既に御三家、3人の令嬢がいた。
一番身分の高い。マーガレット・ドルキアは公爵家令嬢だ。
「オ~ホホホホホ~!これを解決出来たら殿下の婚約者になれるで良いわね」
次に、男爵令嬢、リディア。
「決まっているじゃーないですか?あたしが解決してみせるじゃーないですか?」
最後は、王国南部出身の伯爵令嬢サーリア。
「なんや、立てこもって、ごっついな~」
問題がある。皆、優秀だが何本か頭のネジが飛んでいる連中ばかりだ。
マーガレットは縦ロールをなびかせ拡声魔法で学舎に呼びかける。
【犯人は速やかにメイドを解放して出てきなさい!でないと学舎に火をつけますわ!】
片手でファイヤーーボールを浮かせながらとんでもないことを言う。こいつは平和の時は賢妃、乱世では悪女タイプだ。
「マーガレット嬢、それじゃ人質も亡くなるぞ・・」
「殿下、テロリストと交渉しないですわ」
「とにかく、やめないか?!」
次はリディア、こいつは・・・
「ちょっと、コーニャ-、策を言うんじゃない?」
「はい、リディア様、空城の計です!皆、学園からいなくなれば交渉する余地がなくなります」
「さすが、我が軍師じゃーない?皆、出て行くじゃーないですか?」
「「姉御、我ら義姉妹もお忘れなく!」」
こいつは狂ったカリスマ、人望があるが、碌な人材が集まらない。
しかも、リディアは人を見捨てるが人望がある不思議さんだ。
最後のサーリアは・・・
「犯人さーん。ごっつう、お金あげるさかい。出てきてや~」
「最悪、死刑になるのに金が必要かね・・」
何でも金で解決する。豊かな南方都市群の代表者だ。
国家の統制を嫌う派閥だから要注意だ。
別名、南方の大きな猫だ。
1003家で明確な基準もなく競争させれば、こんな変な奴らしか残らない・・・
我はほどほどが良いぞ。
しかし、犯人から要求がないな。
「本当に、犯人はいるのか?」
「殿下、顔を出しました。立てこもり犯です」
すると出てきた。窓から顔を出した。
あれは・・どこかで見た顔だ。
「ウワワ~ン、リリー、俺と結婚してくれなきゃ、飛び降りるぞ!」
「あ・・・」
兄上と言いそうになった。何でメイドに・・・と思ったが、兄上の離宮の元メイドではないか?
見た事はある。
そうか。
「さっきからうるさい。俺は・・・『ちょっと、待て、話を聞くからそこで待っていろ!』
我は兄上の言葉に被せて発言し。元王太子である事を隠した。
そうだ。学園には王族しかしらない隠し通路があったのだ。
二階に昇る。何やら、修羅場になっていた。
「ヒィ、デービット様、お気持ちを受けることは出来ませんわ」
「俺と一緒になってくれ!」
ああ、うるさい。
「おい、弟よ。俺は・・・」
うっせーと蹴飛ばした。兄上を。よく飛ぶな。
「ヒィ、何で、俺ばっかり・・」
「うるせえ、兄上のせいで我が頭のイカれた令嬢と結婚しなければならないのだぞ。
マーガレットは鳴かぬなら地獄の業火で焼け不死鳥!だぞ。
男爵令嬢は鳴かぬなら人に頼もう不死鳥よ
伯爵令嬢は金で鳴かそう不死鳥よ。だぞ!」
兄上に財布ごと渡して帰ってもらった。隠し通路だ。
兄上は厳重の監視の下、管理されている。市井に出たら反乱の旗頭にされるかもしれない。
でも、時々抜け出すらしい。その情熱を別の事に使って欲しい。
「メイド殿、我の後ろについて来てくれ」
「はい・・・」
メイドを保護した。
聞くと今年で18歳・・・王宮で兄上のお世話係をしていたが、学園付に移動になったそうだ。
恋い焦がれていた兄上は追いかけて来た・・・
これで事件は解決だ。
メイドを送ろうと一階に降りたら・・・
あの三令嬢は・・・会議をしていた。
「王妃三分の計!皆で殿下をわけあうじゃーないですか?」
「まあ、もちろん、私が正妃でしてよ」
「10:3:1の勢力分布になりましてよ」
「私は3か、ごっついな。あ、殿下だわ。そういうことに決まりましたから、ごっつうよろしくおねがいしますわ」
【よろしくではねえ!】
「「「キャー!キャー!キャー!」」」
「うむ。殿下がそう思うのも無理なきこと、しかし・・」
「くだらねえ策ばかり言ってんじゃねえよ。似非軍師コーニャ」
思わず叫んでしまった。
婚約者を決めなかった父上、母上への当てつけにメイドでも連れて来てやるぞ。
と思ったらメイドが目をうつむいて我の後ろを付いてきていた。
まあ、これも悪くない。いや、普通こそ奇跡なのだ。本気で恋でもしてみようか?と思った我がいた。




