タイヤ価格、2026年も続騰の様相――原材料高と供給不足が常態化

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プロトリオス WebPM部
タイヤ価格、2026年も続騰の様相――原材料高と供給不足が常態化

2026年度(令和8年度)の幕開けを前に、タイヤメーカー各社による価格改定の波が止まらない。明日4月1日からは欧州大手ピレリが値上げに踏み切るほか、今夏にはスタッドレスタイヤの価格改定も控えている。原材料高、物流費の上昇に加え、天然ゴムの供給不足という構造的な課題が、整備現場の仕入れ価格を押し上げ続けている。

2026年、段階的な値上げが進行

2026年の動向を概観すると、特に海外ブランドの動きが先行している。ピレリジャパンは明日4月1日より、国内市販用タイヤを平均5%値上げする。また、コンチネンタルタイヤ・ジャパンも3月の夏タイヤに続き、7月には冬タイヤの価格改定を予定している。
国内メーカー各社は2025年に5〜8%の大幅な価格改定を実施したが、2026年もその高水準を維持、あるいは物流コストの積み増し分を転嫁せざるを得ない状況にある。整備事業者にとっては、かつての「17インチ=中価格帯」という常識が崩れ、ハイパフォーマンスモデルでは4本で15万円を超えるケースも珍しくなくなっている。

原油高と「天然ゴム危機」の二重苦


価格高騰の背景には、タイヤの原材料の約5割を占める石油由来製品(合成ゴム、カーボンブラック等)のコスト増がある。地政学的リスクに伴う原油価格の高止まりは、製品価格のみならず輸送コストにも直撃している。
さらに深刻なのが、天然ゴムの需給バランスの崩壊だ。主要生産国である東南アジアにおいて、ゴムの木の老齢化や病害、さらには農家がより収益性の高いパーム油栽培へ転換する動きが加速している。この供給不足は一過性のものではなく、2020年代後半を通じてタイヤ価格を下支えする「構造的な上昇要因」となると見られている。

整備現場に求められる対応


価格高騰が常態化する中、整備事業者は顧客への説明能力が問われている。
「値上げのタイミング(夏タイヤは2〜4月、冬タイヤは7〜9月)」を正確に把握し、顧客に対し早期予約のメリットを提示することが、顧客満足度の維持に直結する。
また、昨今のトレンドである「EV専用タイヤ」や「サステナブル素材」を用いた高付加価値タイヤは、単価こそ高いものの、耐摩耗性や性能維持の面で顧客に長期的なメリットをもたらす。単なる「値上げ」の通知に留まらず、適切な製品選定と、紫外線対策(ボディカバーの推奨等)による「タイヤの延命策」まで含めたコンサルティング型の提案が、今の整備現場には求められている。