はじめに
私は特に美術に関係のある仕事でも経歴でもない、ただの美術館好きです。あらかじめご了承ください。
さて、美術館興味ないな~という人のために、まじめな話から始めると、
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』
なんて本もある時代なので、今は感性を磨くことが重要になってきてるんですよね。
論理の部分はAIで代替できますが、直感・感性はAIに頼れない部分。
アートを鑑賞して、感じて、自分の言葉で表現することは、自分の「美意識」の新たな発見にも繋がると思っています。
まじめな話ここまで!(短いな)
それでは以下、美術館好きのただの美術館推し活記事です。
私の美術館キーワードは、
楽しい・美しいものが見れる・勉強になる・美意識が鍛えられる・ぼーっとできる・新しい発見がある(もっとあるけど以下略)
新しい発見って何かというと、美術館で色んな絵や展示を見ていると、「あ、これ好き」と、自分でも知らない自分の好みに気づけることがあるんですよね。
まだ知らない「好き」が見つかることって、年齢を経るにつれてレア体験になっていく。だから美術館で新たな自分の感性に出会えると、すごく嬉しくなります。
美術館って大体2000円前後です。
めちゃくちゃ安くないですか??
どうやって経営してるのか不思議なほどです。
美術館推しとしては、美術館経営のためにもぜひ行ってみてほしい!
Substackのネタにもなるよ!
と、推しを布教したところで、そろそろ本題に入ります。
河鍋暁斎って?
GW中に六本木にあるサントリー美術館で開催中の
『ゴールドマンコレクション 河鍋暁斎の世界』
に行ってきました。
(撮影可能だった作品のみ、写真掲載してます。)
河鍋暁斎は1831年、下総国古河(現在の茨城県)に生まれ、幕末から明治にかけて活躍した画家です。
7歳の頃から約2年、浮世絵師・歌川国芳に手ほどきを受け、その後、御用絵師の一派である駿河台狩野派で修業を積みました。
幼い頃から優れた画才があり、師匠から「画鬼(がき)」という愛称をつけられたそうです。
風俗画、戯画、妖怪画など幅広いジャンルを描いていますが、人前で即興で絵を描く席画(せきが)も得意としていました。
その席画を商業的イベントとして行った書画会に参加していましたが、1870年の書画会で酔って描いた絵が見咎められ(暁斎は酒好き)、逮捕・投獄されました。
その翌年に号を「狂斎」から「暁斎」へと改め、その後も人気絵師として活躍しました。
暁斎は戦前は有名でしたが、戦後に一時期評価が落ちたそうで、1990年代以降に再評価が始まったそうです。
再評価されて良かったー!お陰で堪能できました。
地獄太夫と一休
展覧会のメインビジュアルは、暁斎の代表作「地獄太夫と一休」の地獄太夫(じごくだゆう)。
私は大阪府堺市出身なのですが、地獄太夫は堺の高名な遊女でした。
彼女は自分の不運な境遇を「前世の罪の報い」と考え、自らを「地獄」と名乗り、地獄の様相を刺繍した豪華な衣(地獄変相の図)を身につけていました。
一休さんが堺を訪れた時に地獄太夫の噂を聞きつけ、彼女の元を訪ねます。そして二人は交流を持つようになり、その様子が描かれているわけです。
また、一休さんは骸骨を杖の先に刺して練り歩き、「誰もが皮を剥げば皆同じ骨だ。美しさも醜さも執着に過ぎない」と説いたそうです。
「一休さん、堺で何してたん?」と大阪人的にはツッコミたくなりますが、母が亡くなって火葬した後、「どう生きようと、みんな死んだら平等に白い骨になって終わるんだ」って私も思ったんですよね。(暗い話じゃないよ。)
一休さんと同じ気持ちで堺市にいたと思うと、ちょっと面白いです。
話を絵に戻して。
地獄太夫の色鮮やかで美しい衣の後ろにいる、剽軽な一休さんとふざけてるわりにリアルな骸骨。
暁斎の遊び心と技量が光る一枚です。
暁斎と動物たち
河鍋暁斎は猫が好きだったそうで、猫や化け猫の絵をたくさん描いています。
尻尾が二股になってるので、石灯籠の上の猫は化け猫です。「しゃー!」ってしてるけど全然怖くないぞ。
他に多いのは蛙と鴉。
戯画の蛙が愛嬌があってかわいいんですよね〜。ポストカード買っちゃいました。
『枯木寒鴉図』という鴉の絵が、第二回内国勧業博覧会で事実上の最高賞を受賞して暁斎は有名になったので、鴉は暁斎のトレードマークです。
鴉の絵はストレートに暁斎の画力を感じられます。
私のお気に入りは、「天竺渡来大評判 象の戯遊」という絵で、初めて生の象を見た暁斎が描いた絵です。(写真不可だったので、気になったら検索してみてください。)
象がありえない動きで曲芸をしてるんですが、実物見てから描く絵がこれなのか!と笑かされます。(暁斎が見た象は、実際には曲芸はしていません。)
天才の考えることはよくわかりませんが、普通の象の模写だったらこんなに記憶に残らなかったので、暁斎に一本取られた感。
暁斎と妖怪たち
「百鬼夜行図屛風」は伝統的な百鬼夜行の主題が、暁斎らしくユーモアたっぷりに描かれています。
火の玉から逃げてるのがなんかシュール。わーわー言ってるのが今にも聞こえてきそうです。(写真は屏風の一部です。)
妖怪好きの私としては推したい作品。
酒好きだった暁斎は、自分を鬼に投影して鬼の絵も描いていますが、やけに親しみを感じさせる鬼で怖さは全くありません。
何描いてもなんかかわくて愛嬌がある。本人の性格なんでしょうか?
暁斎は仏画も描いていますし、実力は確かです。
でも印象としては「面白い絵を描く人」という感じで、ついクスッと笑ってしまう作品が多かったです。
声優の関智一さんの音声ガイドが、また面白いんですよ。さすが声優さん!というガイドでした。
まとめ
河鍋暁斎の世界、いかがでしたでしょうか?
少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです!
最近コテンラジオで西郷隆盛編を聴いていたので、日本史知識と絵が結びついたこともあり、大人になってからの勉強って、不意に相互作用が発揮されるから面白いなぁと感じました。
才気あふれる河鍋暁斎の世界、ユーモアがあって楽しめるのでおすすめです。
『ゴールドマンコレクション 河鍋暁斎の世界』 は2026/6/21(日)までサントリー美術館で開催中です。
美術は本物を見るのが一番!写真ではわからない「味」をぜひ感じてください。
【サントリー美術館】
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階





美術館なんて縁遠い存在かと思っていましたが、これを見ると少し肩の荷がおりますね。
自分も新しい感性を探しに、自分も今度行ってみようかな、と思いました😊