塗り足し(トンボ)って何?なぜ必要なの?
塗り足し(トンボ)とは、画像や背景色を仕上がりサイズよりも外側まで、文字通り「足す」ことです。印刷後の裁断工程でどうしても発生するわずかなズレに備え、仕上がった完成品のフチに用紙の白い部分が見えるのを防ぐために欠かせない設定です。
デザインを塗り足し線まで伸ばしておくことで、余白のない美しい仕上がりになります。背景が白無地で、それをページのフチまで広げる必要がないなら、塗り足しは必要ありません。ただし、データを画像(JPG、PNG、TIFFなど)で入稿する場合は話は別になります。画像ファイルは、フチにまで色が乗っているかに関わらず、必ず塗り足し込みのサイズでアップロードしてください。
プレビュー画面では、主に次の4つの線と領域が表示されます:
- 仕上がり線:緑色の線。製品の最終的なサイズ(裁断位置)を示します。
- 塗り足し線:仕上がり線の外側にある青い線。塗り足し領域の端を示します。
- 塗り足し領域:仕上がり線から青い線までの範囲。画像や背景色をここまで伸ばしておく部分です。
- セーフエリア:注意エリアの内側の領域。文字やデザインが裁断時に切れてしまわないよう、配置するための安全圏です。商品によって推奨値が異なります。
なぜ塗り足しがないと正確に裁断できないの?
印刷業界では「公差(トレランス)」と呼ばれるわずかな誤差がつきものです。ミクサムでは最新の印刷機を使い、精度を高めていますが、大量のシートを重ねて一度に裁断する工程では、刃の微妙なブレや紙への圧力によるズレをゼロにはできません。だからこそ、仕上がり線ピッタリを目指して裁断する一方で、塗り足しを設定しておくことで、誤差によるリスクを無くしておくのです。
フチなし印刷について
正しく塗り足しが設定されたデータは、制作をスムーズに進めるための第一歩。不要な修正対応や確認漏れを防ぎ、予定通りに作品をお届けすることにつながります(塗り足しが設定されておらず注文が保留になると、お届け予定日が後ろ倒しになる可能性があります)。
ハードカバー(上製本)の表紙を除くすべての商品で、仕上がり線の外側に3mmのトンボが必要です。背表紙を含むファイルの場合は、上下の端に3mmの塗り足しを追加してください。お使いのデザインソフトで塗り足し領域を設定したら、仕上がり線に接する画像や背景を、一番外側の青い線(塗り足し線)までしっかり伸ばしましょう。この塗り足し領域は最終的に切り落とされますが、デザインをここまで埋めておくことで、フチなしの印刷が完成します。
ハードカバー本の表紙について
- ハードカバー本の表紙は、四方に20mmの塗り足しが必要です。これは、表紙のデザインを縁いっぱいに回り込ませ、さらに表紙・裏表紙の内側(折り返し部分)まで印刷するためです。
- 本文ページには、外側の端すべてに標準の3mmを設定してください。
- ハードカバーの背表紙には、上下の端に20mmの塗り足しを追加します。ハードカバーの塗り足しについて詳しくは、サポートページ(こちら)も参照してください。
ソフト別トンボの設定方法
データ入稿の際は、あらかじめ塗り足しを含んだ印刷用PDFをご用意ください。ただし、設定方法はお使いのソフトによって異なります。
Adobe InDesign、Adobe Illustrator、Affinity Publisher、Affinity Designerなど、プロ仕様のソフトなら、新規ドキュメント作成時や書き出し時に塗り足しを簡単に設定できます。Canvaも、PDF書き出しの際に塗り足しを含める設定が可能です。ミクサムのデザインツールは、こうして正しく設定された仕上がり線とトンボ領域を自動認識し、注文時のサムネイルに緑と青の線で表示します。
Adobe Photoshop、AppleのPages、MicrosoftのWord、Publisher、Powerpointなど、トンボ設定機能がないソフトの場合は、デザイン自体に塗り足し分を含めて作成します。例えば、A4(210mm×297mm)サイズの本を作る場合、四方に3mmずつ足した「216mm×303mm」でキャンバスを作成し、外側3mmを塗り足し領域とします。完成したらPDFで保存すれば、デザインツールが仕上がり線と塗り足し領域を認識します。
もしデータを画像(TIFF、JPG、PNG)で作成・入稿する場合も、白背景のページを含め、すべてのファイルを「塗り足し込みのサイズ」で保存してください。システムは画像ファイルをPDFに変換する際、すべての画像にトンボが含まれているものと想定します。もし塗り足しがないと、システムが自動的にトンボサイズに合わせて画像を拡大してしまい、仕上がり線や綴じ位置にデザインが被る恐れがあります。
もしどうしてもデザインにトンボを設定できない場合は、お気軽にサポートチームまでご相談ください。すべてのご注文は生産前にスタッフが最終チェックを行い、必要に応じてトンボを追加するか、あるいは詳しいアドバイスを行うため注文を一時保留させていただく場合があります。
ワンポイントアドバイス:InDesignなどでPDFを書き出すときは、書き出しダイアログで「ドキュメントのトンボ設定を使用」にチェックを入れるのをお忘れなく(上の画像参照)。
主な仕上がりサイズと塗り足し込みサイズ一覧
| 仕上がりサイズ(塗り足しなし) | 3mm塗り足し込みサイズ(標準) | 20mm塗り足し込みサイズ(ハードカバー表紙) |
| A6 (105 x 148 mm) | 111 x 154 mm | 145 x 188 mm |
| A5 (148 x 210 mm) | 154 x 216 mm | 188 x 250 mm |
| A4 (210 x 297 mm) | 216 x 303 mm | 250 x 337 mm |
| A3 (297 x 420mm) | 303 x 426 mm | 対象外 |
| A2 (420 x 594 mm) | 426 x 600 mm | 対象外 |
| A1 (594 x 841 mm) | 600 x 847 mm | 対象外 |
| USレター (216 x 279 mm) | 222 x 285 mm | 246 x 319 mm |
| 文庫本 (127 x 203mm) | 133 x 209 mm | 167 x 243 mm |
| 四六判 (132 x 197mm) | 138 x 203 mm | 172 x 237 mm |
| デミ判 (138 x 216mm) | 144 x 222 mm | 178 x 256 mm |
| USロイヤル (152 x 229mm) | 158 x 235 mm | 192 x 269 mm |
| ロイヤル判 (156 x 234mm) | 162 x 240 mm | 196 x 274 mm |
| 148 x 148 mm スクエア | 154 x 154 mm | 188 x 188 mm |
| 210 x 210 mm スクエア | 216 x 216 mm | 250 x 250 mm |
| 300 x 300 mm スクエア | 306 x 306 mm | 340 x 340 mm |
| カスタムサイズ例 | 四方に3mmずつ追加 | 四方に20mmずつ追加 |
| 210 x 230mm | 216 x 236 mm | 250 x 270 mm |
もっと詳しく学びたい方は、こちらのチュートリアル動画もチェックしてみてください:
裁断線(仕上がり線)とは?
裁断線とは、印刷が完了した完成品のページのフチにあたる部分のこと。このラインでカットされることを想定してデザインを作成します。注文の「詳細」タブで、お選びいただいた仕上がりサイズを確認できます。もし、デザインをページのフチいっぱいまで広げたいなら、この緑の仕上がり線を越えて、さらに外側の青い塗り足し線まで画像や背景を伸ばす必要があります。
本など、ページが多い商品は、大きな用紙にまとめて印刷され、束ねられた状態で裁断されます。この工程では、どうしても製造上の誤差が発生します。可能な限り正確に裁断線で裁断することで、誤差によるデザインのばらつきを防いでいます。
ファイルのページサイズは、希望の仕上がりサイズ+塗り足し領域を含んだサイズに設定し、さらに仕上がり線を正しく設定することが重要です。もしお使いのソフトでこれらの設定が難しい場合は、お気軽にご相談ください。
セーフエリアとは?
セーフエリアは、注意エリアの内側に設ける安全地帯。大切なテキストやロゴが、裁断時のズレで切れてしまうのを防ぐための領域です。トンボや線と同じく、余白エリアは画面上のガイドであり、実際の印刷物には印刷されません。
- 基本ルール:ページの外側すべての端で、テキストや重要な要素は仕上がり線から最低5mm以上内側に配置しましょう。
- 無線綴じやハードカバーの場合、内側のノド部分はさらに広めに、仕上がり線から12mm以上空けるのが安心です。
- リング綴じの場合は、綴じるための穴が開くことを考慮し、仕上がり線から15mm以上内側に配置してください。
ノドって何?
ノドとは、本を開いたときの内側の綴じ目部分のこと。ページはこの部分で接着され、背に固定されます。重要な文字や画像がノドに近すぎると、綴じしろに隠れて見えにくくなってしまうので注意が必要です。
無線綴じ、ハードカバー、リング綴じの商品をご注文の場合、オンラインプレビューで必要なノド幅が自動的にシミュレーションされます。プレビューで透明部分で表示される部分を目安に、大事なデザインがかからないよう配置してください。
中綴じの商品は、用紙を折り重ねて真ん中をホチキス止めするため、特別なノド幅は必要ありません。
*特に指定がない限り、すべての「外側の端」には3mmの塗り足しが必要です。
| 綴じ方式 |
内側の余白(ノド) |
その他の余白 |
塗り足し* |
| 中綴じ |
不要 |
5mm |
3mm |
| 無線綴じ |
12mm |
5mm |
3mm |
| リング綴じ |
15mm |
5mm |
3mm |
| ハードカバー |
12mm |
5mm |
本文:3mm |
トンボが足りないときの対処法
もしデータにトンボが足りなくても、スタッフが「擬似的なトンボ」を追加できる場合があります。内容によって最適な方法は異なりますが、主に以下の3つの処理を行います。
反転
アートワークの端から3mm幅を複製し、それを反転させてトンボ領域に配置する方法。フチに用紙の白地が出るのを防げます。シンプルな背景や写真の端を延長したい場合に有効です。

適切な反転(左)、不適切な例(右)(上端に白い罫線が見える)
拡大
デザイン全体を少しだけ拡大し、トンボ領域まで埋める方法。デザインを自然にフチまで広げられます。仕上がり線ギリギリまで背景が広がっているものの、重要な要素が端に寄っていない場合に適しています。

適切な拡大(左)(テキストがトンボ線より内側にある)、不適切な例(右)(テキストがトンボ線にかかっている&上端に拡大が見える)
引き伸ばし
ページの端から5mm幅を複製し、それを引き伸ばしてトンボ領域を埋める方法。画像の一部が歪んで見える可能性がありますが、ベタ塗りや無地感のある背景には特に効果的です。白い罫線が出るのも防げます。

適切な引き伸ばし(左)、不適切な例(右)(テキストがトンボ線に近すぎる)