
これまでジャンルを問わず本当にいろいろな映画を観てきたが、
「ヒーロー映画で一番オススメは?」と聞かれたら
「ダークナイト」を抑えて「キック・アス」を挙げたい。
もともと原作となるアメコミは知らなかったのだが、
アメリカ公開当時、映画ブロガーの人が絶賛しており、
数ヶ月遅れて日本で上映されたものを観て私もハマッてしまった。
もちろんいつでも観れるようBlu-rayも持っている。
かなり新しい作品という印象があったのだが、
2010年公開というと実はすでに16年近く経っており、
下手すると生まれる前の映画だという人もいるだろうから
ここで改めて本作を全力で推薦しておきたい。

主人公はマンガ好きの高校生で、
ヒーローに憧れながらも学校では3軍という凡人だ。
いつも一緒にいる友人のオタク感あふれる雰囲気がたまらない。

そんな彼はネット通販でコスチュームを購入し、
キック・アスと名乗って独自のヒーロー活動を始めるのだ。
このマスク姿の絶妙な間抜けぶりも
鏡を見ながら部屋でキメ顔してしまうところも大好き。

ただし何の特殊能力もないわけだから
ケンカをふっかけたチンピラにボコボコにされてしまう。
オタク少年がドキドキしながら犯罪行為を制止する様子が泣ける。

普通ならそこで諦めてしまうところだが、
めちゃくちゃ弱いくせに正義感だけは不屈なのだ。
怖くて痛くてつらいのにヒーロー活動をやめることができない。
そんな彼の純粋さが本作の魅力のひとつ。

そんなところで唐突に挿入されるこの親子。
無邪気な娘と優しい父親のように見えるが、
防弾チョッキを着せて銃弾を受け止めさせたり
誕生日にバタフライナイフをねだったりと会話がめちゃくちゃ。

実は彼らは本物のヒーローであり、
娘は幼い頃からその英才教育を受けていたのだ。
父親があからさまにバットマンを意識しているところも大好き。

当然ながら2人は相当に強いのだが、
敵に対して容赦がないところもスカッとする。
逃げようが泣きつこうが許すことはなく、
悪い奴らは例外なく全員殺す。

立ちはだかるのはギャングの親玉。
組織の人間が謎のヒーローに排除されているのを知り、
キック・アスに疑いをかけてくるのだ。

そんなボスの息子がこれまた秀逸なキャラクターで、
弱虫なくせに虚勢を張りたくて空回りする様子が大好き。

要所要所で繰り広げられる戦闘シーンは本当に最高で、
見ごたえのあるアクションにセンスのいい選曲が合わさって
何度見てもホレボレしてしまう。
アクション映画といいながら派手なシーンが少なかったり、
敵に対して情けをかける消化不良な作品も多い中、
本作は「このまま終わらずにずっと観ていたい」と思うほど
とにかく痛快で笑えてグッとくる内容なのだ。
とりあえず試しに予告編だけでも観て欲しい。
これだけでも勢い全開なのがよくわかるはずだ。
テンポも見せ方も展開も非常に満足度が高く、
もっともっと多くの人に知って欲しい傑作なので、
ヒーロー好き、アクション好きといったことを気にせず
一旦は観てみて欲しいと思う。
ただし、続編の「ジャスティス・フォーエバー」は本当に最悪なデキなので
本作をどれだけ気に入っても観ない方がいい。必ず後悔する。





