やりたいことをジタバタやっていると、10年後に扉が開く
僕は、若い頃から、やるべきだと思っていることよりも、今やりたいことをジタバタやっている方が、楽しいと思い続けてきました。
そっちのほうが、結果的にうまくいくことが多かったからです。
僕はずっとそのような行き当たりばったりと言われても仕方のない生き方をしてきましたが、65歳にもなると、それらがあちこちの扉が開いてくれていたのだなと思うことが多くなりました。
点と点がつながる瞬間
スティーブ・ジョブズの有名な言葉に、コネクティング・ザ・ドッツというものがあります。
将来を見据えて, 点と点をつなぎ合わせることはできません。
後から振り返って初めて、それらがつながっていることに気づくのだ、と彼は言いました。
こうしたらこうなるだろう、と意図的計画的にすすめるのではなく、今やっていることが、きっといつか人生のどこかでつながるだろうと信じて今にフォーカスし続けるのです。
私は、2012年頃、当時は珍しかった音声入力でメモを残し続けてきました。
当時は、単にブログの記事を書くためだけでしたが、それ以外に何か役に立つのかどうかなど考えたこともありませんでした。
しかし、当時は、私のそのやり方が珍しかったのでしょう、そのことを描いたブログの記事を見つけたMacfanから取材の申し込みがあったのです。
2ページ見開きの特集記事としてまとめてくれました。
さらに10年後、そのことが電子書籍を息を吸うように出版することにつながるとは思いも寄りませんでした。
私は、車を運転しながら、スマホのGoogleドキュメントに立ち上げたSiriに話しかけることで、音声言語変換により、何冊もの本を書いているのです。
この何十年、やりたいことを、先にどうなるかなど考えず、あれこれやってきました。
その結果、本を50冊以上出版したり、AIを活用して漫画を作って販売したりする活動へと、すべてつながっているのです。
あのときの何の役にも立たないと思っていたあれこれのことが、10年以上経って芽を出しました。
科学者の基礎研究と同じ
これは、科学者の基礎研究と同じだなと思います。
物理学者のリチャード・ファインマンのエピソードが大好きです。
彼があるとき、研究に行き詰まって燃え尽きそうになっていた時期がありました。
そんなある日、彼は食堂で誰かが投げたお皿が回転しながら揺れているのを目にしました。
彼は、ただ面白そうだからという理由だけで、お皿の運動を計算し始めたのです。
それが何の役に立つのかはわかりませんでした。
しかし、ただ楽しいからと没頭したその計算が、のちにノーベル物理学賞を受賞する研究の基礎になりました。
このお皿の計算がどうやってノーベル賞につながったのか。
その詳しい経緯は、この記事の末尾におまけとしてまとめておきました。
何の役に立つかわからないけれど、やってみたい。
そうやってジタバタ動いているときに生まれる経験は、脳内深く残り続け、どこかでぱっと何かと反応して新しい道を開いてくれるのでしょう。
それは、その時点ではわかりませんけれども。
役に立たない「遊び」を肯定する
僕たちはどうしても、何かに取り組むとき、それが何の役に立つのか、そんな効率ばかりを考えてしまいがちです。
しかし、やるべきことばかりを考えていると、どうしても心が固くなってしまいます。
何の役に立つかわからないけれど、とにかくやってみたい。
そんな子供のような好奇心であれこれしている方が、実は一番遠くまで行けるのかもしれません。
道は、狙って作るものではなく、あれこれしているうちに、あちこちで自然と開けていくものなのでしょうね。
僕は、今日もまた、何の役に立つかわからない新しいことにハマっています。
そのプロセス自体を、たんたんと楽しんでいきたいものです。
おまけ お皿の回転がノーベル賞に化けた話
食堂で投げられたお皿には、大学のメダルのマークが描かれていました。
お皿が回転しながら揺れるとき、そのマークの動きを観察すると、回転の速度と揺れる速度の比率が2対1になっていることにファインマンは気づいたのです。
なぜそうなるのか。
彼はただのパズルとして、その運動方程式を解き始めました。
すると、その回転の数式が、電子のスピンと呼ばれる自転のような運動の計算へとつながっていったのです。
当時、彼は量子力学の難問に行き詰まり、燃え尽き症候群のようになっていました。
しかし、お皿の数式で遊んでいるうちに頭のコリがほぐれ、全く新しいアプローチを思いつくことができたのです。
これが、のちにノーベル物理学賞を受賞する量子電磁力学の再定式化という偉大な業績へと結びつきました。
本当に、何がどこでつながるか分かりません。
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