FEATURE:国際芸術祭「あいち2025」

2025年に行われた、愛知エリアのビッグイベントの一つを挙げるなら? そのうちのひとつに国際芸術祭「あいち2025」は入ってくるだろう。LIVERARYは、会期中9月13日〜11月30日までの79日間という長期間に渡って、「LIVERARY Extra Season 5」と銘打ったPOP UP SHOPと展示企画を公式コラボレーションショップとして企画・実施した。
現代アートの文脈ともまた違う、オルナタティブな視点での新しい風をいつもは静かな瀬戸の商店街と、非日常的な芸術祭の中へ実験的に吹き込むことができた(はず)。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!LIVERARY Extra https://www.instagram.com/liverary_extra/
今特集では、国際芸術祭「あいち2025」を改めて振り返るべく、同芸術祭に関わったキュレーターやアーティスト、作家たち、瀬戸の街なかの人々、名古屋市内のアート関係者ら様々な人々の様々な声を、LIVERARYならではの視点で集めた。

瀬戸の街並み(撮影:三浦知也)
SPECIAL REPORT:
国際芸術祭「あいち2025」

瀬戸市のまちなかエリアの展示会場の一つ、新世紀工芸館。(撮影:三浦知也)
#01|入澤聖明
愛知県陶磁美術館学芸員(現代陶芸)。「国際芸術祭「あいち」地域展開事業 底に触れる 現代美術 in 瀬戸」(2024/副田一穂、芹澤なみき 共同企画)を担当したほか、国際芸術祭「あいち2025」にキュレーター(現代美術)として参画。
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
普段の美術館の仕事とは異なり、瀬戸の街なかを数えきれないぐらい歩き回ったおかげで、たくさんの地元の方々と知り合うことができました。この繋がりを大事にしていきたいです。
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
これを選ぶのは本当に難しいです…いずれの作品も力があり、見る人にさまざまなものを訴えかけていました。ですが、インパクトや内容も含めて特に印象的だったのは久保寛子さんです。「あいち2025」のテーマを象徴しつつ、あれだけの規模の作品を高い密度で作り上げられたのは素晴らしいと思います。
Q3. 名古屋および瀬戸の街についての感想をお聞かせください。
自分で歩くと色々な発見がある街だと思います。それぞれ異なる魅力がありました。

実店舗でも展示と営業を続けながら、陶磁美術館でも様々なプロジェクトを行ったBarrack(撮影:三浦知也)
#02|Barrack(古畑大気+近藤佳那子)
古畑大気と近藤佳那子によるアートユニット。
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
とにかく準備から会期中までずっと大変だったこと。(古畑)
学生の頃、自分の美術観にも影響を受けた、国際芸術祭「あいち」
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
株式会社 加仙鉱山。作品も場所の雰囲気も含めてよかった。(古畑)
会期中は毎日陶磁美術館のレストランスペースへ通っていたのです

愛知芸術文化センター会場の地下2Fに会期中限定で誕生した「TEMPORA」最終営業日の様子。「TEMPORA」のInstagramより
#03|黒田義隆
名古屋・東山公園のbookshop & gallery『ON READING』店主、パブリッシングレーベル『ELVIS PRESS』代表。様々なイベントや展覧会を企画するほか、出版も多数手がけている。https://www.instagram.com/on_reading/
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
今回、ON READINGは「国際芸術祭あいち」とのコラボレーションショップとして、「TEMPORA」という期間限定のミュージアムショップを作り、運営しました。従来のミュージアムショップの可能性を拡大すべく、また遠方からの来場者にこの場所ならではの体験を提供できるように、東海圏のアーティストによる企画展示、関連書籍、アートブックやプロダクトの販売、ローカル飲食店によるポップアップなど、展示・物販・飲食・イベントを横断する複合的な拠点として、さらにローカルな文化のハブとしても機能するように設計しました。その結果、今まで現代美術や芸術祭に興味の薄かった層にもリーチすることができ、芸術祭の入り口としても一定の役割を果たせたのではないかと思っています。芸術祭のテーマにあわせて文脈を作った本棚は、展示作家さんたちにも非常に好評で、芸術祭や作品のメッセージを深めるための補助線としての機能も果たせたのではないかと思います。
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
全体的に、ゆとりある展示がなされていて、どの作品ともゆっくりきちんと対峙できる空間設計が印象的でした。なかでも印象に残っているのは、是恒さくらさんの作品です。愛知における捕鯨や産業の歴史といった地域に埋もれた記憶をリサーチして制作された大きな作品からは、人との関わりも永い、鯨という神秘的な動物が持つ不思議さを、身体的にも感じることができました。
#04|谷口裕子
愛知県出身。SPAC-
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
昨年も多様な現代アート作品をたくさん見ることができて、
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
セルマ&ソフィアン・ウィスィの『Bird』
#05|佐藤友美
クリエイティブ・リンク・ナゴヤ ディレクター。わりと保守的な文化界隈その他でサラリーマンやってきました。原点は、高校時代のブラバン部と、
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
クラブでのオープニングレセプション、
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
AKNプロジェクト「喜劇『人類館』」(愛知県芸術劇場・小ホール)。再演が繰り返されている名作のリ・クリエーションで、

瀬戸の街並み(撮影:三浦知也)
#06|MUMU SOBA 店主・神田さん
すえひろ商店街の中にある蕎麦屋です。蕎麦と日本酒、クラフトビールを楽しんでいただくお店です。https://www.instagram.com/mumu_soba.seto/
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
県外のお客様も多く、連日賑わいました。気に入っていただいたお客様は何度も足を運んでいただきました。
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
セレクトされた会場が瀬戸の歴史を知ることができる場所が多く、各会場で鑑賞できる展示は地元の方もそうでない方にとって、とても良い体験だったと思います。

末広町商店街の一角に出現した「LIVERARY Extra Season 5」外観(撮影:橋本さら)
#07|堀江まや
島根県出身。大阪在住。くまを用いて陶芸に対する自分の理解を表現することを試みています。「LIVERARY Extra Season 5」参加作家のひとり。https://www.instagram.com/horie_maya/
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
学業を終え、働きながら陶芸の制作を両立するのには産地への移住だと思い、瀬戸市の第3セクターに10年程勤務しました。自分の至らなさもあり苦界に身を置く3セク時代(灰)でした。思い出したくないこともたくさんあります。それでも当時プライベートでお世話になった方達とは今でも細く繋がっているもらえていて、今回も展示をきっかけに瀬戸で再会してまちを歩いて対話(薔薇)をしました。これも一つの私的な灰と薔薇のあいまにかなと思ったりしました。
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
愛知県陶磁美術館での展示はもちろん、建物自体も好きです。
Q3. 名古屋および瀬戸の街についての感想をお聞かせください。
愛知に住んでいる頃は一切食べることのなかった名古屋駅構内の立ち食いきしめん屋に必ず立ち寄るようになりました。かつお節香るトッピングなしのノーマルきしめんが一番好きです。
#08|ひだなつみ
瀬戸に移住して7年。レモネード専門店「Lemongurashi」を運営中。「LIVERARY Extra Season 5」参加スタッフ。
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
今回、自分の住む瀬戸が会場になるということで楽しみにしていました。
さらにLIVERARYのスタッフとして参加させていただくことになり、迎える側として、初めて芸術祭をきっかけに瀬戸を訪れた方々に瀬戸在住者として少しでも楽しんでもらいたいと思いながら店頭に立っていました。
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
瀬戸市のまちなか会場では現存する場所をそのまま活かした展示が多く、瀬戸在住者でも普段入れない場所を見ることが出来てとても良かったです。
会期中にパフォーマンス的に「LIVERARY Extra」出店場所の向かいの旧・パチンコ店の壁面に張り巡らされた鷲尾友公のポスター作品。
#09|鷲尾友公
愛知県生まれ。独学で絵画を学び、街との関係性を軸に人物や事象などと関わり合いながら、イラストやデザイン、アニメーションなどジャンルを問わず、制作活動を人間の自由な行為として捉え表現している。街や商店街でクロスジャンルなコラボレーターと音楽企画も展開する。手に目と鼻が描かれたオリジナルモチーフの「手君」を美術館や海外で発表するなど、活動は多領域にわたる。主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2019」などがある。「LIVERARY Extra Season 5」参加作家のひとり。https://www.instagram.com/washiotomoyuki/
Q1. 国際芸術祭「あいち2025」を振り返って、印象的なエピソードを教えてください。
アイトリ賑かし班としてクラブで企画をしました。橋の下のみんなや、名古屋のクルー、Shing02や、goth、今まで関わって来たミュージシャンに参加してもらったり。洞窟つくったり、洗濯機持ち込んだり、とある作家仲間にも参加してもらって作品インストールからのバーテンダーになってもらったり、これが大ヒット。クラブの中に小屋建てたりやりたい放題。メイさん(クラブの偉い人)からは「あんたマーゴに宇宙つくっとたがねっ、こんなマーゴ見た事ないわ、新しい景色みせてもらったわ!」とこてこての名古屋弁で褒められた事はなんか嬉しかったな。夏休みの宿題を褒められた時のあの感覚か。。。そうか、僕の夏休みはこれだったのか。。。と。その後、瀬戸に移動して展示したり、ポスターも描かせてもらったりここでもやりたい放題。いつもありがとうございます。今年(昨年)は3度目の大村知事の胴上げはお預けとなりました。
Q2. 特に良かった、または印象的だった作品とその理由を教えてください。
作品というよりは 最終日、だったっけな。。。いや、違う、会期終了間際。どう考えても加藤泉は観たい!!となり、足早に瀬戸へ。まさかの徒歩!で街中展示を周っていた時、行く先の展示会場の道のりで知人とすれ違い、会場に着く顔馴染みの出会う人から「さっき田村さんいましたよ。さっきまで。」「えっ、すれ違ってないなー」 のやり取りが何度か続きました。そこから陶磁美術館に移動、なんと駐車場に停まっている田村のBMWを発見、「こいつ、ここにもいやがる。。。」 で、めでたく合流となりました。 「あ〜、田村お前ってやつは・・・」
