次回作以降で回収してほしい「バイオハザード」シリーズの伏線、あるいは“黒歴史”
エイダはどこ? ジェイクは生きてるの? ローズはどうなった?
※この記事には「バイオハザード」シリーズ作品のネタバレが含まれる。
軒並み高評価を獲得しており、Metacriticでは89点(記事執筆時点)を記録している『バイオハザード レクイエム』。筆者もかなり優れた作品だと考えている。
本作の優れたポイントのひとつとして、過去作の設定をきちんと回収していることがある。これまで「バイオハザード」シリーズは過去の要素を無視することがしばしば……というか、当たり前であった。
とにかく強烈な設定を出してクリフハンガーを演出するものの、衝撃的な場面を出すのが目的なわけで、それを回収しない傾向があったように思う。ゆえに常に違う挑戦ができるところも本シリーズの魅力ではあるのだが、なんと「レクイエム」ではそれを改善しようとする姿勢が見られた。少なくともレオンの過去は回収されたのだ。
実際、その姿勢はゲームにポジティブな影響を与えている。それならば、ほかの「バイオハザード」シリーズに残った伏線、あるいは黒歴史も回収されうるのではないか? 可能性がありそうなものをピックアップしてみよう。
エイダ・ウォンの正体
『バイオハザード2』から出演している(厳密には初代から名前は出ている)エイダ・ウォンは、謎の多いキャラクターだ。
当初はアンブレラに所属する研究員の恋人として名前が出てきたが、彼女はどうやらスパイらしいと明らかになる。『バイオハザード4』あたりでは、シリーズの重大な悪役アルバート・ウェスカーの手下のように働いていたが、それはあくまで一時的な話であり、結局のところレオン・S・ケネディを助けてあげるツンデレのような存在といえる。
『バイオハザード6』ではなぜかエイダのクローンが作られていたりと、重要な事件に巻き込まれがち。しかしながら、彼女が何を目的としているのか謎である。正直、「謎である」という設定しかなさそうだ。
もしそうだとすれば、逆にいえば自由に設定できるわけで、エイダのストーリーを描くこと自体はできるはずだ。むしろ、今後描かれる可能性が最も高いキャラクターといえるかもしれない。
新主人公になるはずだったジェイク・ミューラー
『バイオハザード6』で登場したジェイク・ミューラーはかなり印象深いキャラクターである。なぜなら彼は、アルバート・ウェスカーの実の息子だからである。
『バイオハザード5』まで強大な敵として立ちはだかったウェスカーの子供となれば、シリーズとしてはかなり重要な存在だろう。ジェイクは身体能力が異常に高く、素手で戦う超人的な能力の持ち主で、バイオテロと戦う素質もあった。
「バイオハザード」シリーズの象徴的主人公であるクリス・レッドフィールドと因縁がありつつも、ジェイクは世界を救うために協力をする。単なるヒーローではない独特の立ち位置にいた。
実際『バイオハザード6』のエンディングは、今後ジェイクが新たな主人公になるかのような終わりだったという印象を受けた。ところがその後、まったく音沙汰がない。あいつはなんだったんだ?
イーサンの娘ローズマリー・ウィンターズ
『バイオハザード ヴィレッジ』では、主人公イーサン・ウィンターズの娘であるローズマリー・ウィンターズが重要なキャラクターとなっている。
このころのローズはまだ赤ん坊で、当然ながら喋ったりもできない。そして、身体をバラバラにされてボトルに入れられてしまうかわいそうな存在であった。
DLC「シャドウズ オブ ローズ」では、成長したあとの彼女の活躍を見ることができる。それはいいのだが明らかにやりすぎで、最終的に彼女は超能力でクリーチャーを倒す生体兵器になってしまうのだ。
筆者は「バイオハザード」シリーズのB級な部分も愛しているが、「それにしたってやりすぎだろ」と唖然とする展開だった。もしローズが続編の主人公になっていたら、まったく違うジャンルのゲームになっていただろう。
ただ、ローズは切り捨てるにしてはあまりに大きすぎる設定だ。この超能力をコントロールするために彼女はクリスの元へ行ったはずであり、話に絡む余地は十分にあるだろう。もっとも、ホラーの緊張感を保つためには二度と出てこないほうがいいキャラクターなのだが……。
ディカプリオ似のスティーブ・バーンサイド
『バイオハザード CODE:Veronica』に登場したスティーブ・バーンサイドは、まるでお調子者のレオナルド・ディカプリオである(髪型が当時のディカプリオに似ていた、というだけではある。後に髪型が変更されたようだ)。
「バイオハザード」シリーズにはいろいろな個性を持ったキャラクターがいるものの、スティーブほど軟弱な存在も珍しい。本作のもうひとりの主人公であるクレア・レッドフィールドを助けようとしながら足をひっぱるイメージしかない。
最終的に、スティーブはクリーチャーに改造されて死ぬ。なんとも哀れな話だが、彼の死体は回収されている。そして、『バイオハザード レクイエム』のエルピスの設定を鑑みると、クリーチャーとなって死んだ彼も復活できるかもしれないのだ。
つまり、今後『バイオハザード CODE:Veronica』がリメイクされることがあれば、スティーブ復活の伏線が仕込まれる可能性はありうる。スティーブがもはや忘れ去られたキャラクターである問題を考慮しなければ、だが。
『BIOHAZARD GAIDEN』のレオン・S・ケネディ
ゲームボーイカラーで発売された『BIOHAZARD GAIDEN』は、まさしくシリーズの黒歴史といっても過言ではないだろう。なんといってもオチが衝撃的すぎる。
この作品では人間に擬態できるクリーチャーが登場しており、エンディングではなんとレオンと入れ替わっているのではないか、と示唆されるのである。
これはB級ホラー映画のノリだと思われるのだが、その後に出た作品ともおおいに矛盾しており(レオンは別にニセモノではないだろう)、闇に葬られた設定といえる。この設定が復活したら鼻からスパゲッティを食べてもいいくらいに、可能性が低そうだ。
徐々に消えゆくかもしれないB級感
今回取り上げたもの以外にも、『バイオハザード リベレーションズ2』のナタリア・コルダなど、忘れ去られたような伏線や設定はいろいろある。次回作以降でこういった要素を拾う可能性もなくはない……かもしれない。
過去の設定を拾うと展開がきちんと連続したものになり、ユーザーが「どうせ次になったら忘れ去られるのだろう」と諦めることがなくなる。それこそが「バイオハザード」の進歩に必要であり、B級感の消失にも繋がるのではないか。カプコンは今後もうまくやってのけるだろう。
『バイオハザード レクイエム』でもレオンの指輪に注目が集まったりと、次に繋げられそうな設定がいろいろあるのもこのシリーズの強みである。それこそ『BIOHAZARD GAIDEN』を正史にねじこむような手腕を期待する。
