『STRANGER THAN HEAVEN』のバトルをプレイして、「龍が如く」とまったく違うことを確信した

相手の動きを読んで、左右の拳を振り下ろす

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これ……「龍が如く」とまったく違う。『STRANGER THAN HEAVEN』をSummer Game Fest 2026で40分ほどプレイして、私の抱いた感想はこれだった。

『STRANGER THAN HEAVEN』は「龍が如く」で知られるRGGスタジオの新規IPだ。5つの時代と街の日本を描いた作品で、主人公は1915年に日本に密航した大東真。アメリカと日本の混血である大東は、日本で新たな人生を手に入れようとする。

5つの時代と街における近代日本の探索、「極限の暴力」を満喫できるというバトル、裏社会からショービジネスまで日本で様々な世界に手を染める大東の物語など、『STRANGER THAN HEAVEN』は多くの見どころを秘めたタイトルだ。しかし、結局は「龍が如く」と同じプレイフィールになるのでは? 筆者には正直、そんな不安も少しあった。これまでにも「龍が如く」のスピンオフ、ターン制バトルの新作、「JUDGE EYES」シリーズなど、RGGスタジオは新しい挑戦も決して少なくなかった。しかし、それらはいつだって「龍が如く」のDNAをベースにしており、少なくとも筆者は「まったく新しいもの」とは思えなかった。

今回プレイできたのは、あくまで『STRANGER THAN HEAVEN』のバトルに特化したビルドだが、少なくともこれは今までの「龍が如く」とまったく違うことは断言できる。システムが新しいのはもちろん、モーション、プレイフィール、雰囲気、すべてにおいてRGGスタジオのこれまでと違う。強いて言えばすべての敵の頭上に体力ゲージが表示されることや、大東が同じセリフを何度も吐くといった部分は良くも悪くもRGGスタジオのゲームだが、新しい挑戦に成功していることを思えば些細なことかもしれない。

『STRANGER THAN HEAVEN』はRGGスタジオとして斬新であるだけでなく、今まで遊んだどのアクションアドベンチャーのバトルとも違う、新しい感覚のバトルシステムに仕上がっている。強いて言えば、近接武器の対戦ゲームである『フォーオナー』と、『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』におけるボクシングと少し近い要素があると言えるかもしれない。

『STRANGER THAN HEAVEN』のバトルで特にユニークな点はふたつある。

  • 左半身と右半身による攻撃・防御を分けたシステム
  • グラウンドでの戦闘がある

敵を一掃できる爽快感から、動きを読んで反応するゲームにシフト

左のショルダーボタンで左の手足で攻撃、右のショルダーボタンは右の手足で攻撃する。Xboxのコントローラで言えばLBとRBは弱攻撃、LTとRTは強攻撃を繰り出せる。長押しによるタメ攻撃もある。「どの方向に対して」、「どれくらい強く」攻撃するかを決められるわけだ。操作系は違うが、「LOST JUDGMENT」のボクシングも「どこを狙うのか」を中心とした駆け引きだった。ところが、『STRANGER THAN HEAVEN』のシステムはこのコンセプトを一対多数のバトルで面白いように作っている。様々なシチュエーションに対して、自分の意図通りに対応できるようになっているからだ。

例えば、右方向にいる敵と戦っていて、そこで急に左方向から別の敵が接近してきたとしよう。素早く左手で牽制のパンチを入れてから、右の敵をタメ攻撃で吹っ飛ばすようなことができる。通常のゲームなら「ロックオンの切り替え」で対処するが、この方がずっと直観的だ。しかも、ロックオンの切り替えはキャラクターの向きまで変わってしまうが、『STRANGER THAN HEAVEN』では「正面を向いたまま横に攻撃する」といったアクション映画にありそうな場面を意図的に作り出せる。本作をプレイしていて、一対多数の戦闘の新たな可能性を感じた。

とはいえ、一対一のバトルでも面白い。左右にパンチとキックを振り分けることで相手を翻弄し、反撃に対しても相手の攻撃を見切ることがより重要となる。というのも、本作にはガードボタンが存在しており、ガードボタンと同時にタイミングよくLBかRBを押すことでパリィを発動できる。ほかのゲームのパリィならタイミングさえあっていれば成功するが、『STRANGER THAN HEAVEN』ではそうはいかない。左からきた攻撃ならLB、右からならRBと、相手の攻撃がどの方向から来るかも見極める必要がある。これはまさに左右上下4方向の攻撃を読み合う対戦ゲーム『フォーオナー』に近い。しかし、同作は攻撃の方向を、結局はUIを見て判断してしまっていたのに対して、本作はあくまで敵のモーションを見て反応しなければならない。

パリィに成功!

左右の動きを分けた『STRANGER THAN HEAVEN』は対戦ゲームとしても可能性がありそうだ。「左右のどちらから攻撃がくるか」、「素早い弱攻撃なのか、重いタメ攻撃か」といった駆け引きは、人間を相手したとき面白い読み合いになりそうだからだ。

しかし、RGGスタジオはこのシステムをシングルプレイ体験としてもしっかりと肉付けしている。例えば、敵が大東の片手をつかんでくるような場面があり、もう一方の手で殴れば身を解ける。また、フィールドにある椅子や空瓶を拾って、それらを使って攻撃もできる。これ自体は「龍が如く」にもあるが、「左右の半身を分けて使う」という『STRANGER THAN HEAVEN』の特徴を使った新しい遊びとして実装している。自分の左手にあるオブジェクトなら左のトリガー、右手なら右のトリガー、という具合に、プレイヤーは「どこに何があるか」を把握しながら適切なボタン入力を求められる。よって、本当に「ピンチのとき、たまたまそこにあった椅子に手を伸ばした」ような感覚になるのだ。

武器も存在する。拾ってすぐに壊れるようなものではなく、大東が装備して常に切り替えられるようになっている。武器をもった状態ではダメージが上がるが、てこ棒といった重い武器ならバトル中に走れなくなるといったデメリットもあるのが面白い。短刀のように片手で持つ武器なら右手で相手を刺して、その合間に左のトリガーで蹴りやパンチを入れるといったことも可能だ。

敵が武器を持っている場合に状況が変わるのも興味深い。単に与えられるダメージが増えるだけでなく、こちらが素手の場合はガードができなくなるので、回避しか防御手段がなくなる。幸い、ジャスト回避のシステムはあるので、成功させれば素手でもチャンスがある。こちらも武器を装備すれば防御はできるようになるので、どのように対処するかはプレイヤーに委ねられている。

「龍が如く」シリーズよりも敵の動きを見て反応するゲームになっていることは間違いなく、ザコ敵もRGGスタジオの過去作より硬い。ボタンを連打するだけで敵を一掃できるような爽快感を前提したゲームから、考えて倒すゲームにシフトしていることは明白だ。

ソウルライクの文脈も?

とはいえ、最後は敵を気持ちよく倒せるサービス精神もきちんとある。敵を崩したり、一定のダメージを与えたりすると、L1とR1の同時押しで「龍が如く」のヒートアクションを彷彿とさせる強力な攻撃を繰り出せるようになる。強敵であれば、パリィやジャスト回避を狙ってチャンスを狙うことが基本的なゲームの流れになる印象だ。そういう意味で『SEKIRO SHADOWS DIE TWICE』の流れを汲んでいる側面もあると言えるかもしれない。

「ソウルライク」のような文脈は、体力及びスタミナの管理にも表れている。大東はHPがそれほど高くないようだが、ワンボタンで回復薬を飲める仕様になっている。回復アイテムの消費はリアルタイムで行われるため、安全な状況でなければ危険が伴う。限られた回復アイテムのリソース管理を行いながら慎重に戦う点も、RGGスタジオのこれまでのゲームと大幅に異なる。

MMAっぽい要素も少し

限定的ではあるが、グラウンドファイトが存在することも、アクションアドベンチャーゲームのバトルとしてかなり珍しい。MMAのゲームのように本格的な寝技はあまりないようだが、左右のトリガーの同時押しでテイクダウンして、そこからマウント状態で攻撃できるようになっている。マウントした状態でも左右のパンチを繰り出せるが、本格的な寝技が存在するかはわからなかった。

逆に大東が敵に倒されることもある。倒されたあとは、寝た状態でなんとか敵の攻撃を凌ぐ必要がある。フェイスボタンで左右に横回転して敵の攻撃を避け、左右のトリガーで蹴りを入れられる。安全な状態を確保することに成功すると、大東が自動的に立ち上がる。

『STRANGER THAN HEAVEN』のバトルは、40分をプレイしただけで完全に把握できなかった。覚えることが多く、慣れるまで時間もかかりそうだ。それだけ、本作のバトルはユニークだ。最近のアクションアドベンチャーはどれもバトルシステムの基本的な操作系が近く、それぞれちょっとした捻りがある程度だ。『STRANGER THAN HEAVEN』のバトルには、まるで新しい習い事を始めたような楽しさがあった。

まだバトルしか触れていないが、探索やストーリーも同じくらい斬新なら、『STRANGER THAN HEAVEN』は2027年を代表するゲームになる可能性を感じた。

『STRANGER THAN HEAVEN』は2027年1月15日、PS5、Xbox Series X、PC向けに発売予定だ。Game Passにも含まれる。


2026/06/12 修正

当初はスタミナが回復せず、アイテムを消費して回復すると説明していましたが、筆者の誤認でした。スタミナは時間経過で回復し、今回の試遊範囲内でスタミナの回復アイテムは登場していませんでした。申し訳ありませんでした。

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