【コラム】なぜ『ドンキーコング バナンザ』は「続編が必要なゲーム」といえるのか
クリアしたばかりだというのに、すでに続編が楽しみで仕方ない
Nintendo Switch 2専用タイトルとして大きく注目されている『ドンキーコング バナンザ』は、IGN USのレビューで10点満点、metacriticの評価が91点とかなりの高評価になっている。ゲーム・オブ・ザ・イヤー候補になりうる一作だ。
筆者も楽しく本作を遊んだが、クリアする頃には「とにもかくにも続編を出すべきゲームではないか」と考えた。このゲーム、長所を見ても短所を見ても、「2」が必要だと感じる。
つまるところ、『ドンキーコング バナンザ』は続編でより輝くゲームになるのではないか。
破壊の楽しさは確かにあるが、まだ完全ではない
本作は、ドンキーコングがほぼあらゆるものを破壊しながら地下深くへと進んでいく3Dアクションゲームである。開発は『スーパーマリオ オデッセイ』のチームが担当しており、全体の雰囲気もよく似ている。
地中には「バナモンド」と呼ばれるアイテムが隠されており、これを見つけながらより地下へと潜っていくのが基本的な進行となる。
ドンキーコングは相棒のポリーンの力を借りることにより、「コングバナンザ」や「シマウマバナンザ」など強大な力を手に入れる。これによってアクションの幅が広がっていき、さまざまなバナモンドを入手できるようになる。

そもそも、物を壊すのはビデオゲームの魅力のひとつである。現実において暴力的な行為は推奨されないが、しかし架空の世界であれば問題はない。ましてやドンキーコングの強大な力をもってあらゆるものを壊すのは気持ちがいいし、的確な効果音や演出がその魅力を際立ててくれる。
地形を破壊し続けていると、隠されたバナモンドが急に見つかることもある。いわゆるシーケンスブレイク(想定されていないルートで攻略してしまう行為)に近く、単なる破壊の喜びがゲームを自由に攻略する喜びに繋がっているのである。
この基本システムを軸にした『ドンキーコング バナンザ』は確実に魅力的なゲームだ。しかしながらこのゲーム、遊んでいると「まだまだできることがあるのではないか」と思うことも多い。
任天堂のゲームなのに、詰めが甘い部分がしばしばある
そもそも『ドンキーコング バナンザ』は任天堂開発のゲームにも関わらず、品質がいまいちに思える部分がいくつかあった。
特定のボスは攻撃を受けつける瞬間が非常にわかりづらかったり、そもそもボスの攻略方法を教える誘導が甘く、ロード中のTIPSでほぼ答えを書いてしまっているケースもある。
終盤には、安全な床とあまり差別化できていないトゲの床があったり、ラスボスに負けたあと再戦するまで時間がかかるなど、詰めが甘いところもあった。そもそも奈落に落ちるとすぐにやられた扱いになるのも厳しいし、それを防ぐためにわざわざ店で風船を買うのも回りくどい。素直に落下ペナルティを軽くすればいいだろう。
また、地面を掘る際のカメラワークが悪い。多くの障害物を破壊できる性質上致し方ない部分もあるが、それでもどこを掘っているのかよくわからなくなる。
そもそも地下や壁の中は物質が詰まっているため、とにかく見えにくい。本作では宝箱や化石といった収集アイテムがソナーで表示されるので、一応はそれに向かって掘ればいい。しかしそれは、闇雲に掘っているのとほとんど変わらない。
掘り進めるうち隠されたバナモンドを見つけることもあるが、シーケンスブレイクしたというよりは、偶然見つけただけといった印象である。
このように『ドンキーコング バナンザ』は確かに3Dアクションゲームの新たな可能性を切り開いてはいるが、まだまだできることがあるのだ。正直、バトル系チャレンジが単純で面白みに欠けるのもなんとかしてほしい。
地形破壊という基本システムを武器に、より昇華させた続編が求められるのではないか、というのがこの記事の主張である。
ドンキーコングよ、次の新作へと進め

また、『ドンキーコング バナンザ』は変身能力が少ないのも気になるところだ。
『スーパーマリオ オデッセイ』は50種類以上の変身(キャプチャー)があり、『アストロボット』は15種類以上の特殊ギミックが存在する。一方、『ドンキーコング バナンザ』の変身は5種類しかない。
もちろん、変身能力が多いからといった優れているわけではないし、ほかの作品と方向性が違う部分もある。ただ、足場渡りの高難易度プラットフォームアクションではなく、探索を楽しむ3Dアクションの場合、変身能力(≒飽きさせないようなアクションの変化)の多さは魅力に直結しうるものだ。
ましてや本作の変身能力において、破壊に直接関係するのは2種類で、残りの3種類はドンキーコングの移動能力を変化させるものだ。より破壊を変化させるギミックが欲しいと思うのが正直なところである。
続編で変身能力が追加されれば、より刺激的なゲームになるのではないか。新しい作品を遊んでいる状態だというのに、そんなことを考えてしまうのだ。

なお、ファミ通.comによると『ドンキーコング バナンザ』は3日間で日本国内において12万7905本の売上を記録している。かなり売れている部類だが、『スーパーマリオ オデッセイ』が3日間で46万本を記録したことを考えると物足りなさを覚える数値である。
当然ながらNintendo Switch 2が発売されてまだ日が浅いことや、過去よりもDL版の普及が進んでいるうえに『ドンキーコング バナンザ』はDL版のほうが安いなど、留意すべきポイントはいくつかある。
とはいえ、それでもドンキーコングそのものの人気や、シリーズの完全新作があまり出ていなかったことが初週販売本数に影響している気がしてならない。しかしこれも、続編が出れば変わるかもしれない。
『ドンキーコング バナンザ』はすでに高く評価されている。新しいドンキーコングはおもしろいゲームなのだと広まっており、これからますます知られていくはずだ。その状況で続編が出るのならば、次は間違いなく初週からもっと売れるようになるだろう。
このように、さまざまな角度から『ドンキーコング バナンザ』は続編が必要なゲームといえる。言い換えるのであれば、2作目でさらなる名作になりそうなゲームなのだ。クリアしたばかりだというのに、すでに続編が楽しみで仕方ない。
