レトロな見た目のインディーゲームが2026年最高のメタスコアを獲得!? 『Mina the Hollower』が絶賛されている理由を分析

ゲームボーイカラー風のビジュアルに騙されてはいけない

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『ショベルナイト』で知られるYacht Club Gamesの12年ぶりの新規IP『Mina the Hollower』のレビューが解禁された。IGNのレビューで10点満点を叩き出すなど、圧倒的な高評価が目立っている。

『ショベルナイト』が「ロックマン」や『スーパーマリオブラザーズ3』から影響を受けたレトロ風横スクロールアクションゲームだったとすれば、『Mina the Hollower』は2Dゼルダのような俯瞰視点のアクションアドベンチャーゲームになっている。ゲームボーイカラーを彷彿とさせるビジュアルスタイルを採用し、「悪魔城ドラキュラ」や『Bloodborne』のようなホラーな世界観を描いている。2Dゼルダのようなフィールドや探索にソウルライクの戦闘を掛け合わせており、マップのない広大な世界を冒険することになる。

レビュー集積サイトMetacriticでは『Forza Horizon 6』、『ぽこあ ポケモン』、『バイオハザード レクイエム』といった大作を抑えて、2026年で最も評価されたゲームに君臨している。現時点で、各プラットフォームのメタスコアは下記の通りだ。

  • PC版:92点(42レビュー)
  • PS5版:92点(5レビュー)
  • Switch 2版:86点(12レビュー)
    ※Switch 2版はほかのプラットフォームより一回り低い評価だが、このバージョンに問題があるといった記述は特に見当たらなかった。

この記事では本作が高く評価された理由を細かく見ていくわけだが、まずは満点をつけたIGNのレビューを引用しよう。

『Mina the Hollower』は、頭の中へ潜り込み、そのまま住み着いてしまうゲームだ。寝る前に未解決の謎を思い出し、街を歩いているだけで「あそこへ戻れば秘密があるかも」と考えてしまう。もっと良いレベル上げ場所があれば、あの隠しボスも倒せるのではないか――そんなことばかり考えてしまう。本作は「ゼルダの伝説」、「悪魔城ドラキュラ」、そして『ELDEN RING』のようなソウルライクの魅力を、小さなドット絵の中へ完璧に詰め込んだ。レトロ風の見た目に騙されてはいけない。これは単なる懐古ゲームではない。小さなパッケージに、とてつもなく巨大な冒険が詰まっている。そしてそれは、間違いなく傑作だ。

IGN USのレビューでも「ゼルダの伝説」、「悪魔城ドラキュラ」、ソウルライクなどが影響元として挙げている。興味深いのは『DARK SOULS』や『Bloodborne』よりも『ELDEN RING』との類似性を指摘している点だ。というのも、本作はマップのない広大なオープンワールドの世界が広がっており、ダンジョンの攻略順は任意で、プレイヤーが自由に選べる武器や装備品が大量に用意されているからだ。「単なる懐古ゲームではない」という言葉からもわかるように、レトロなビジュアルでありながら極めて現代らしい自由度の高いゲームデザインを実現していると主張している。レビュー本文にある「瞰視点のアクションRPG版『ブレス オブ ザ ワイルド』のような作品だ。90年代ゼルダの器へ、現代オープンワールドやソウルライクの思想を無理やり押し込んだ結果、任天堂が怖くて作れないゲームが生まれてしまった」という言葉が印象的だ。

90点をつけた大手メデイアGameSpotもIGNと似たような評価を下している。

Yacht Club Gamesは『Mina the Hollower』によって、現代インディーゲーム業界を代表するスタジオのひとつとしての地位を決定づけた。 同スタジオの出世作である『ショベルナイト』は8ビットのアクションゲームを現代的に再構築したレトロ風プラットフォーマーだった。『Mina the Hollower』もまた、ゲームボーイ時代の「ゼルダの伝説」へ明確な敬意を捧げた、古き良きスタイルの作品に見える。 しかし今回は、そこへソウルライクを彷彿とさせる現代的なゲームデザインが融合していることで、単なる「現代風オマージュ」以上の作品へと進化している。確かに見た目は『ゼルダの伝説 夢をみる島』を思わせるが、秘密や相互に絡み合う因果関係が異常なまでに高密度で詰め込まれており、プレイ感覚としては時に『ELDEN RING』に近い印象すら受ける。

『ショベルナイト』もかなり高く評価されている2Dアクションゲームだが、GameSpotの評価によると『Mina the Hollower』は現代的なゲームデザインを取り入れることで、優れたレトロ風アクションゲーム以上のものに昇華している。

『Mina the Hollower』は「ゼルダの伝説」シリーズから明確な影響を受けつつも、新鮮で歯応えがあり、確かな独自性を備えた見事な2Dアクションアドベンチャーだ。 自由度の高い探索、巧妙な戦闘システム、発見に満ちたゲームデザイン、そして柔軟なカスタマイズ要素によって、あらゆる瞬間が「自分だけの旅」に思える。難易度が急激に跳ね上がる場面はあるものの、『Mina the Hollower』は即座に古典入りを果たした傑作であり、このジャンルでも屈指の完成度を誇る一本だ。

The Outerhaven(100点)も上のように高く評価しつつも、難易度の高さを指摘している。実はGameSpotのレビューも、「ときどき必要以上に難しく感じる」ことを唯一の欠点に挙げていた。

難しいゲームを歓迎するかどうかによって、『Mina the Hollower』へのスタンスは大きく変わりそうだ。しかし、近年は高難易度ゲームが流行しており、優れたソウルライクはむしろメデイア受けがいいと言える。それでも、理不尽な難易度をメインの欠点として挙げ、より低いスコアのメデイアもある。例えばGamekultがそうだ。それでも80点とい決して低くないスコアで全体的に褒めつつ、以下のように主張している。

レベルデザイン、ゲームシステム、アートディレクションといった重要な要素において、Yacht Club Games は圧倒的な完成度を見せている一方で、ときおりサディスティックとすら言えるゲームデザイン上の判断によって道を踏み外してしまっている。その結果、ゲーム全体のテンポ感が損なわれてしまっているのが惜しい。

MetacriticにおいてPC版は現時点で80点を下回るスコアはないが、Switch 2版のみ70点のレビューがひとつ登録されている。Giantbombというメディアで、本作の一部のゲームデザインの方向性に疑問を抱いている。

「『ゼルダの伝説 夢をみる島』のように4方向にしか移動・攻撃のできない戦闘は、複雑かつ高速で動き回るボスを相手に本当に機能しているのか? 正直、噛み合っているとは言い難い。ゲーム内マップが存在しないゼルダ風のゲームは本当に面白いのか? これについても疑問が残る。確かに『DARK SOULS』のファンなら、その不親切さを魅力として受け取るのかもしれない。しかし私は、次のエリアへの入口を探して何度も彷徨わされる感覚を素直には楽しめなかった。『Mina the Hollower』はソウルライクの要素によって「最高のゼルダ風ゲーム」になり切れず、一方でゼルダ的メカニクスによって「最高峰のソウルライク」にも届き切っていないように感じられる。

この主張は興味深く、様々な作品から影響を受けているインデイーゲームならではのジレンマと言える。このレビュワーのように、より純粋なゼルダライクに期待していたユーザーは特に肩透かしを喰らうかもしれない。Nintendo Life(90点)も「迷子になりやすい」としているように、部分的にGiantbombの意見と被るメデイアもある。だが、違う見方もある。

例えば、100点をつけたCubed3も「確かに影響元となった作品群とまったく同じプレイ感覚ではない」ことを認めている。

「しかし、Yacht Club Games はそれらから優れた要素を巧みに抽出し、『ショベルナイト』で培った長年の経験と融合させることで、ひとつの傑作を作り上げてみせた」としている。

要するに2Dゼルダでもなければ『DARK SOULS』でもない、それらから影響を受けた新しい何か、ということだ。懐かしいと同時に新しい体験を求めているユーザーにとっては、至高の時間が待っているようだ。

『Mina the Hollower』は5月29日、PS5/Switch/Swich 2/Xbo Series X/PC向けに発売予定だ。

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